各地でクマの目撃が相次いでいます。行楽シーズンを迎えた観光地でも影響が出ています。
市街地に出没するクマ急増 観光地や学校行事に影響も
山形純菜キャスター:
なぜ市街地に現れるクマが多いのでしょうか。
クマの生態に詳しい岩手大学農学部の山内貴義準教授によると、2025年はクマのエサとなるドングリなどが不作になっていて、2023年も同じような状況でした。
2023年に、親グマに連れられて市街地まで出てエサを求めた子グマが、成長しても、子グマの時の成功体験が忘れられず、味をしめて、行動がエスカレートしている可能性があるということです。
人的被害も出ていて、影響は観光地にまで及んでいます。
▼群馬県・沼田市 吹割の滝
遊歩道の一部「通行止め」
▼岐阜県・白川村 荻町城跡展望台
展望台への歩道「夕方~翌朝 通行禁止」
▼北海道・増毛町 雄冬岬展望台
施設を閉鎖「クマによる閉鎖は初めて」
▼青森市 小牧野遺跡
見学を休止「クマによる休止は初めて」
これらの地域でクマの目撃情報があったということで、多くのところに影響が出ています。
林間学校やイベントも相次いで中止に
そして、学校行事も中止になっています。
群馬県在住 40代女性
「娘(小5)の林間学校で、活動予定エリアにクマ出没情報が出たため登山が中止に…娘は残念がっていた」
群馬県在住 40代女性
「息子(小5)の学校は、毎年群馬県の榛名山の麓でお弁当を食べるが、クマ情報で登山が無しに。身近なクマに恐怖を覚える」
イベントやキャンプ場も中止になっています。
▼イベント
岩手県・北上市「きたかみスイーツトレッキング&ウォーキング」
開催日:10月25日・11月1日「中止」
▼キャンプ場
秋田県・鹿角市「後生掛(大沼)キャンプ場」
クマ対策工事中のため、今季「営業終了」
▼富山市「薬師峠キャンプ場(通称:太郎平キャンプ場)
例年より約2か月早く「閉鎖」
井上貴博キャスター:
キャンプや山登りなどでこういった状況が長引いたとき、長い目で見ると、アウトドア用品メーカーや販売店の売り上げにも影響が出るでしょうし、宿や交通機関など、結構幅広く影響が出そうですね。
肉乃小路ニクヨさん:
アウトドアブームやソロキャンプブームがありますが、ソロキャンプは1人で行くので本当に危ないですし、色んなところに影響が出ていますよね。
出水麻衣キャスター:
中止にすると、クマが「その時期にそこに人がいない」と認識してしまって、また来年以降も影響が続いてしまうような気もします。共存できる的確な対策はないのかと日々思います。
「市街地周辺のクマは冬眠が遅れる可能性も」
山形キャスター:
これからの時期、クマは冬眠に入ります。例年は12月中旬ごろということですが、冬眠の時期は市街地の出没も落ち着くのか、山内準教授によると、「市街地周辺のクマは冬でもエサを手に入れやすく、冬眠が遅れる可能性もある。冬眠するからと安心せずに十分に警戒すべき」ということでした。
私達も様々な対策を打っていかなければいけません。
対策の一つとして重要なのが、「クマ撃退スプレー」です。ただ、クマ撃退スプレーは飛行機への持ち込みも手荷物も不可ということですが、今、現地でレンタルできる流れができているそうです。
北海道などでレンタルを実施している「なんでもリサイクルビッグバン」では、レンタルの利用者が増加していて、9月には約300件あったといいます。
担当者によると、「在庫切れで貸し出しを断ったこともある」といいます。
料金としては1泊2日1000円、1泊増えるごとにプラス500円。(※噴射した場合、別途2万円)
買うと2万円近くするので、レンタルの方が断然お得だなと思います。
クマ撃退スプレーの注意点について、山内准教授によると…
【クマ撃退スプレーの注意点】
▼使い方を事前に確認する。スプレーはすぐに取り出せるように(カバンは×)
▼クマの顔にめがけて下を向ける
▼距離は5~10m以内
出水キャスター:
割と近づいてからなんですね。10mまで耐えられますかね。
井上貴博キャスター:
自治体も人がいない中で、「自然やアウトドア売り」だと言っていましたが、今後、若干ためらう要素になってしまいますね。
肉乃小路ニクヨさん:
観光資源として、自然を活用していこうという機運が出ていた中で、クマのニュースは痛手だと思うので、何らかの対策は必要になってくると思います。
対策をやるにあたって、動物たちには非常にかわいそうだなと思うのですが、ある程度、こういった対処はしていかなければいけなくなっています。
猟師やそういった方々が、経済として回るように整備をしていく必要が出てきていると思います。
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<プロフィール>
肉乃小路ニクヨ
ニューレディー
銀行・保険会社など金融業界でキャリアを積む
独自の視点で経済・お金・人生観を語る
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