
寒暖差や感染症の流行で体調を崩しやすいこの季節、大事なのが「免疫力」。
今すぐできる免疫力アップ術を、医師に教わります。
【写真を見る】「怒る」と免疫力が5時間低下!?医師に聞く『免疫力アップ術』鍋に入れたい最強の具材は【ひるおび】
「怒る」と免疫力が下がる?
「怒る」と免疫力が5時間低下すると言われています。
免疫力と生活習慣に関する書籍を出版している内科医の工藤孝文氏によると、怒ると心拍数や血圧が上昇し、体が“戦闘態勢”だと認識。これにより自律神経が乱れ免疫力が低下してしまうといいます。
逆に、いたわりや慈しみの感情を持つと、24時間免疫力が上昇することがロンドン大学の研究により分かっています。
そのだ内科 糖尿病・甲状腺クリニック副院長 工藤孝文医師:
怒ると交感神経が優位になりますので自律神経のバランスが狂って免疫力が落ちてきます。
交感神経と副交感神経がニュートラルな状態が一番免疫力が働きます。
そもそも「免疫」とは、体に侵入したウイルスや細菌などを免疫細胞で攻撃して体を守る仕組みです。
この免疫には2種類あります。
◆「自然免疫」・・・生まれつき体に備わっていて常にパトロールをしている
◆「獲得免疫」・・・体に侵入してきたウイルスなどを記憶し2回目以降に攻撃する(ワクチンなど)
工藤孝文医師:
このうち、「自然免疫」は生活習慣で強くなったり弱くなったり、食生活・運動・睡眠時間で変動しますので、生活スタイルを変えていくと自然免疫は自然と強くなっていきます。
いくつあてはまる?免疫力チェックリスト
【1】朝起きたばかりなのにだるい
【2】季節の変わり目に必ず風邪をひく
【3】ちょっとのことでイライラしがち
【4】しばらくお腹の調子が悪い
【5】睡眠不足が続いている
【6】悩みを話せる友達がいない
【7】テレワークや家にずっといる状態が続いている
【8】肩こり・頭痛・腰痛など体に痛みを感じる
【9】肌荒れやニキビ、口内炎ができやすい
【10】週に5回以上食事が外食や市販のもの
あてはまった数が・・・
0個➡免疫は十分 その調子でキープしましょう
1~3個➡免疫が少し下がっている傾向があります
4~6個➡危険信号 今のうちに出来るだけのケアを
7~10個➡病気にかかる可能性が高い
免疫力アップ術≪1≫「笑う」
「笑う」ことで、脳内に“幸せホルモン”セロトニンが分泌されます。これによりストレス耐性が上がったり、免疫細胞(NK細胞)の働きが高まったりします。
ホラーよりコメディを見る、漫才・お笑いを鑑賞するなどで、免疫力アップの可能性があります。
なかなか笑えない・・・という人も、「つくり笑い」でOK!
笑ったような表情筋の動きによりセロトニンが分泌され、NK細胞が活性化されます。
工藤孝文医師:
「ウイスキースマイル」といって、「ウイスキー」と言って口角を上げるだけでもセロトニンが増えて、免疫力が上がります。
気持ちが落ち込んだときにも有効ですし、免疫力アップにも有効なので、困ったら「ウイスキー」と言ってください。
免疫力アップ術≪2≫「温める」
体が温まると血液の循環が良くなり、免疫細胞が体の隅々まで効率よくパトロールできるようになります。
温めるのは、▼首▼手首▼足首▼お腹です。
工藤孝文医師:
「首」がつく部分と、免疫細胞の6割がある「お腹まわり」を温めると、免疫力が上がってきます。腹巻やマフラー、手袋、レッグウォーマーなどを使ってください。
足の裏で発汗の調整をするので、靴下よりレッグウォーマーがおすすめです。
「温める」にはお風呂も効果的。
湯船に浸かると体に約350㎏の水圧がかかり、血流が促進されます。
▼肩まで浸かる▼温度はぬるめの38°C〜40℃▼睡眠の1時間半〜2時間前に入ることがポイントです。
さらに免疫力を高める、湯船の中で出来る簡単な体操がこちら。
≪免疫力アップ体操≫
【1】湯船に座り両膝を立てて上半身をそらす&前に丸める
【2】上半身を左右にゆっくりひねる
【3】立てた両膝を左右にゆっくり倒す
免疫力アップ術≪3≫「食べる」
血管などを通って全身を巡る免疫細胞は、約6割が腸に集まっているので、腸内環境を整えることが免疫力アップの鍵となります。
大切なのはバランスの良い食事。善玉菌・日和見菌・悪玉菌など、腸に住んでいる細菌はそれぞれエサになるものが違います。特定の細菌に偏ることなく多くの種類が存在するのが理想です。
工藤孝文医師:
よくやりがちなんですけど「ヨーグルトを毎日食べてます」だと、ヨーグルトの乳酸菌しか腸内環境に入りませんので、できればヨーグルトと納豆を食べることで、乳酸菌と納豆菌が合わさって免疫がさらに増強されますね。
“病院食のプロ”が教える「最強免疫力アップ鍋」
東京慈恵会医科大学附属病院の栄養部部長である管理栄養士の濱裕宣氏に、最強の免疫力アップ鍋を教わりました。
◆スープ
味噌ベースがおすすめ
発酵食品の味噌で腸内環境を整える
◆メイン食材
鮭・牡蠣などの魚介がおすすめ
鮭➡ビタミンD、タンパク質、アスタキサンチンを含む
牡蠣➡亜鉛、タウリンを含む
◆その他食材
ねぎ・にんじん・白菜・かぼちゃ・ほうれん草・大根など
ビタミン“ACE(エース)”を目安に選ぶ
ビタミンA・・・粘膜を増強
ビタミンC・・・免疫細胞の働きをサポート
ビタミンE・・・抗酸化作用で細胞の老化を防ぐ
工藤孝文医師:
やはり体を温めることがまず免疫力を上げますし、特にビタミンDは免疫力を全体的に上げてくれます。また亜鉛は、粘膜や皮膚からの病原体の侵入を防いでくれます。
タウリンに関しても腸内の善玉菌を増やす効果があるので免疫力に効果的ですね。
(ひるおび 2025年11月6日放送より)
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<プロフィール>
工藤孝文氏
そのだ内科 糖尿病・甲状腺クリニック副院長
免疫力と生活習慣に関する書籍『「免疫力が強い人」の習慣、ぜんぶ集めました。』出版
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