国内
2025-11-20 18:00
“最強のMade in Japan”が、9年ぶりにUFCに戻ってくる。日本時間22日深夜に行われる『UFCファイトナイト・カタール:ツァルキャン vs. フッカー』で、堀口恭司がフライ級11位のタギル・ウランベコフと対戦する。
【写真】UFC復帰戦ででタギル・ウランベコフと対戦する堀口恭司
2013年からUFCに参戦し、4連勝で当時のフライ級王者のデメトリアス・ジョンソンとのタイトルマッチまでたどり着いたが、惜しくも敗退。その後も3連勝を飾るも、師匠2人のガン闘病を支えるため17年から日本のRIZINに戦いの場を移した堀口。日本でも圧倒的な強さでバンタム級とフライ級の2階級を制覇、さらにベラトールのバンタム級のベルトも獲得した。
ひたすらに強さのみで日本の格闘技界を盛り上げてきた堀口は、ついに“忘れ物”であるUFCのベルト獲得のために9年ぶりにオクタゴンにカムバックする。試合を目前に控えてカタールで最終調整する堀口が、UFC復帰への思い、そして多くの日本人ファイターが集まっているATTでの練習について語ってくれた。
■UFCでもRIZINでも「やることは変わらない」対戦相手のタゲスタン戦士も冷静に分析
――9年ぶりのUFC復帰戦が目前に迫ってきました。堀口選手は常々「試合には感情を入れない」と話してきましたが、今回も冷静に試合の準備をされてきましたか?
【堀口】もちろん久しぶりのUFCの試合なので、決まった時はワクワクした気持ちもありましたけど、試合に関してはやってきた対策や練習の成果を出して相手を倒す、そして勝つということだけを考えてやってきました。
――今回の試合に向けて、RIZIN時代の練習に比べて何か特別に変わったことをやってきたのでしょうか?それとも、これまでの積み重ねを続けてきたのでしょうか?
【堀口】戦う場所は違うけどやることは変わんないんで、ずっと同じことをやってきました。ただ、リングじゃなくて金網(ケージ)になったんで、壁際での練習はちょっと増やしましたね。ルールもそんなに大きな差がないし、サッカーボールキックぐらいなんで、そこも大丈夫かなって感じです。
――対戦相手のウランベコフ選手は、どんなファイターと分析されていますか?
【堀口】ロシア系でずっとやってきてレスリングがベースの選手で、打撃もできるって感じですね。4連勝中で勢いがあるので、そこはちょっとやりづらいかな。
――UFC戦績6勝1敗で4連勝ですがフライ級ランキングでは11位なので、UFCは本当に壁が高いですね。
【堀口】ランキングは10位以下ですけど、もっと上位の選手よりも強いと自分は思うので、単純に数字で判断しないように警戒しています。
――ウランベコフ選手の出身地のタゲスタン共和国は、世界中の格闘技界を席巻している一大勢力となっています。その強さになにか秘密があると思いますか?
【堀口】練習をずっとやってるからじゃないですか(笑)。絶対にそれですよ。同じ人間なんだからずっと練習してるほうが強いし、だから自分もずっと練習をしているんで。「◯◯人だから強い」「外国人は体幹が強い」とかって言う人もいるけど、そこに大きな違いはないって自分はいつも思ってます。
――タゲスタンだからって、すごく特別な練習をやっているわけでもなさそうですし。
【堀口】もちろん、テクニックとか指導方法とか、コーチによってちょっとした違いはあるだろうけど、実際には似たような感じだろうし、ずっと練習をやってるから強いんですよ。強いヤツはどこで練習したって強いし、いかに練習に集中できる環境にあるか。上に行く選手はみんなそうだと思いますよ。
■UFCを離れた9年間「自分がやってきたことは間違いじゃなかった」
――UFCでの最後の戦いは9年前の2016年11月でした。その試合のことを覚えていますか?
【堀口】アイルランドでやったやつかな。対戦相手は誰だったかな…、基本的にその時に集中して終わったら忘れちゃうんですけど(笑)、たぶんロシアの選手ですよね(アリ・バガウティノフ)。自分が寝かせて判定で勝ったかな。もう9年も経ってるんだ、早いですね。
――UFCには“帰ってきた”という感覚ですか?“新たな挑戦”という感覚ですか?
【堀口】やることは変わらないんで、特別感はないですね。それを持っちゃうから緊張しちゃう人が多いし、「いつも変わらないでやったろう」ってマインドです。
――堀口選手にとっては目の前の1試合ですが、ファンとしてはストーリーを感じてしまいます。9年前は日本の格闘技人気もそれほど高くなく、海外で戦う堀口選手への応援の声もすごく多かったという状況ではありませんでした。そこからの9年間で、自らの強さで日本の格闘技界を盛り上げて、今週の試合に向けて9年前の何倍ものファンが応援しています。こういう状況を作ることができた喜びは感じますか?
【堀口】それはそうですね。自分がやってきたことは間違いじゃなかったんだっていうのが一番にあります。9年前に契約を終了した時はUFCも良い感情じゃなかったかもしれないけど、今ではたくさんの日本の多くのUFCファンが見てくれて、ビジネスとして成長したのはいいことじゃないですか。だから俺は帰ってきて正解だったと思っているし、こっから勝ってファンの人たちをもっと増やしていきます。まぁ、負けたら地獄ですけどね(笑)。
――所属ジムのATTにも堀口選手のように強くなりたくて、たくさんの日本人ファイターが所属したり練習に来ています。練習だけでなく生活面で頼られることも多いと思いますが、堀口選手にプラスになっていることはありますか?
【堀口】いい息抜きになってますね。何をしてあげようとかそんなに考えてないけど、役に立てるなら助けてあげようって感じです。誘ってるのは自分だし、声をかけたからにはしっかり面倒は見てあげたいし、本当にいい環境のジムなので。
――若い頃の堀口選手を指導し、いろいろと気にかけてくれた山本KID徳郁さんのような“兄貴”になってきましたね。
【堀口】そうですね、やっぱり自分もKIDさんみたいになりたいと思っていたんで。
――ATT所属の元谷友貴選手は今年からフライ級に転向したので、一緒に練習する機会も増えましたか?
【堀口】はい、増えましたね。やっぱり強いですね、自分の得意なポジションを持っているんでね。
■「UFCにしっかりと恩返しができるように、いい試合をしたい」
――ATTのファイターでは、8月に中村倫也選手がUFCでKO勝利し、RIZINでは9月に元谷選手と11月に金太郎選手、さらに牛久絢太郎選手も11月にDEEPで勝ちました。この流れも堀口選手にポジティブな影響を与えていますか?
【堀口】そうですね、やっぱり仲間が勝つってことはうれしいことなんで。自分も誘ってる立場として負けるわけにはいかないし、自分にプレッシャーをかけながら戦いますよ。そのプレッシャーも楽しみたいし、気負ったり緊張しても悪い方にしかならないんで。楽しみながらやりますよ。なんだかんだ言っても、あと何年できるかわからないですし。
――U-NEXTのYouTubeで公開されたドキュメンタリーでは「最終章」という言葉も見られましたが……。
【堀口】まぁまぁ、「章」で言ったら最終章だろうし、最終の次にまた新しい章がでてくるかもしれないし(笑)。だからそこは、なんとも言えないですよね。
――章として考えると、修斗での活躍に始まり、最初のUFC、RIZIN、そして再びのUFCとチャプターは確実に進んでいますからね。ちなみに、カタールの試合が終わったら日本に帰るご予定は?
【堀口】そのまま日本に帰って、ファンミーティングや応援してくださる方へのあいさつ回りなどしながら、ちょっと休憩しようと思うし、もしかしたら大みそかまで残ってRIZINでセコンドをするかもしれないです。ただ、それだけいると(フロリダの自宅で待っている愛犬の)ロイが心配なんですけどね(笑)。
――今後のUFCでの戦いのビジョンを教えてください。
【堀口】まずはここをしっかり勝って、フライ級のベルトに最短で行ければいいなと。自分を受け入れてくれたUFCにしっかりと恩返しができるように、いい試合をしたいと思います!
――現在のUFCには平良達郎選手や鶴屋怜選手などの若手ファイターが活躍し、さらにRIZINで堀口選手としのぎを削った朝倉海選手も戦っているので、日本でもUFCがすごく盛り上がっています。ここで堀口選手が活躍して、さらに盛り上げてくれそうですね。
【堀口】そうですね、自分が上に行けば行くほど自然と盛り上がると思うんで、勝ち上がってどんどん盛り上げていきます!今回の試合は日本時間の土曜日の深夜ですけど、応援お願いします!やったります!
★『UFCファイトナイト・カタール:ツァルキャン vs. フッカー』は、U-NEXTで22日深夜24時(23日0時)からライブ配信。会員は追加料金なしで見ることができる。
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ひたすらに強さのみで日本の格闘技界を盛り上げてきた堀口は、ついに“忘れ物”であるUFCのベルト獲得のために9年ぶりにオクタゴンにカムバックする。試合を目前に控えてカタールで最終調整する堀口が、UFC復帰への思い、そして多くの日本人ファイターが集まっているATTでの練習について語ってくれた。
■UFCでもRIZINでも「やることは変わらない」対戦相手のタゲスタン戦士も冷静に分析
――9年ぶりのUFC復帰戦が目前に迫ってきました。堀口選手は常々「試合には感情を入れない」と話してきましたが、今回も冷静に試合の準備をされてきましたか?
【堀口】もちろん久しぶりのUFCの試合なので、決まった時はワクワクした気持ちもありましたけど、試合に関してはやってきた対策や練習の成果を出して相手を倒す、そして勝つということだけを考えてやってきました。
――今回の試合に向けて、RIZIN時代の練習に比べて何か特別に変わったことをやってきたのでしょうか?それとも、これまでの積み重ねを続けてきたのでしょうか?
【堀口】戦う場所は違うけどやることは変わんないんで、ずっと同じことをやってきました。ただ、リングじゃなくて金網(ケージ)になったんで、壁際での練習はちょっと増やしましたね。ルールもそんなに大きな差がないし、サッカーボールキックぐらいなんで、そこも大丈夫かなって感じです。
――対戦相手のウランベコフ選手は、どんなファイターと分析されていますか?
【堀口】ロシア系でずっとやってきてレスリングがベースの選手で、打撃もできるって感じですね。4連勝中で勢いがあるので、そこはちょっとやりづらいかな。
――UFC戦績6勝1敗で4連勝ですがフライ級ランキングでは11位なので、UFCは本当に壁が高いですね。
【堀口】ランキングは10位以下ですけど、もっと上位の選手よりも強いと自分は思うので、単純に数字で判断しないように警戒しています。
――ウランベコフ選手の出身地のタゲスタン共和国は、世界中の格闘技界を席巻している一大勢力となっています。その強さになにか秘密があると思いますか?
【堀口】練習をずっとやってるからじゃないですか(笑)。絶対にそれですよ。同じ人間なんだからずっと練習してるほうが強いし、だから自分もずっと練習をしているんで。「◯◯人だから強い」「外国人は体幹が強い」とかって言う人もいるけど、そこに大きな違いはないって自分はいつも思ってます。
――タゲスタンだからって、すごく特別な練習をやっているわけでもなさそうですし。
【堀口】もちろん、テクニックとか指導方法とか、コーチによってちょっとした違いはあるだろうけど、実際には似たような感じだろうし、ずっと練習をやってるから強いんですよ。強いヤツはどこで練習したって強いし、いかに練習に集中できる環境にあるか。上に行く選手はみんなそうだと思いますよ。
■UFCを離れた9年間「自分がやってきたことは間違いじゃなかった」
――UFCでの最後の戦いは9年前の2016年11月でした。その試合のことを覚えていますか?
【堀口】アイルランドでやったやつかな。対戦相手は誰だったかな…、基本的にその時に集中して終わったら忘れちゃうんですけど(笑)、たぶんロシアの選手ですよね(アリ・バガウティノフ)。自分が寝かせて判定で勝ったかな。もう9年も経ってるんだ、早いですね。
――UFCには“帰ってきた”という感覚ですか?“新たな挑戦”という感覚ですか?
【堀口】やることは変わらないんで、特別感はないですね。それを持っちゃうから緊張しちゃう人が多いし、「いつも変わらないでやったろう」ってマインドです。
――堀口選手にとっては目の前の1試合ですが、ファンとしてはストーリーを感じてしまいます。9年前は日本の格闘技人気もそれほど高くなく、海外で戦う堀口選手への応援の声もすごく多かったという状況ではありませんでした。そこからの9年間で、自らの強さで日本の格闘技界を盛り上げて、今週の試合に向けて9年前の何倍ものファンが応援しています。こういう状況を作ることができた喜びは感じますか?
【堀口】それはそうですね。自分がやってきたことは間違いじゃなかったんだっていうのが一番にあります。9年前に契約を終了した時はUFCも良い感情じゃなかったかもしれないけど、今ではたくさんの日本の多くのUFCファンが見てくれて、ビジネスとして成長したのはいいことじゃないですか。だから俺は帰ってきて正解だったと思っているし、こっから勝ってファンの人たちをもっと増やしていきます。まぁ、負けたら地獄ですけどね(笑)。
――所属ジムのATTにも堀口選手のように強くなりたくて、たくさんの日本人ファイターが所属したり練習に来ています。練習だけでなく生活面で頼られることも多いと思いますが、堀口選手にプラスになっていることはありますか?
【堀口】いい息抜きになってますね。何をしてあげようとかそんなに考えてないけど、役に立てるなら助けてあげようって感じです。誘ってるのは自分だし、声をかけたからにはしっかり面倒は見てあげたいし、本当にいい環境のジムなので。
――若い頃の堀口選手を指導し、いろいろと気にかけてくれた山本KID徳郁さんのような“兄貴”になってきましたね。
【堀口】そうですね、やっぱり自分もKIDさんみたいになりたいと思っていたんで。
――ATT所属の元谷友貴選手は今年からフライ級に転向したので、一緒に練習する機会も増えましたか?
【堀口】はい、増えましたね。やっぱり強いですね、自分の得意なポジションを持っているんでね。
■「UFCにしっかりと恩返しができるように、いい試合をしたい」
――ATTのファイターでは、8月に中村倫也選手がUFCでKO勝利し、RIZINでは9月に元谷選手と11月に金太郎選手、さらに牛久絢太郎選手も11月にDEEPで勝ちました。この流れも堀口選手にポジティブな影響を与えていますか?
【堀口】そうですね、やっぱり仲間が勝つってことはうれしいことなんで。自分も誘ってる立場として負けるわけにはいかないし、自分にプレッシャーをかけながら戦いますよ。そのプレッシャーも楽しみたいし、気負ったり緊張しても悪い方にしかならないんで。楽しみながらやりますよ。なんだかんだ言っても、あと何年できるかわからないですし。
――U-NEXTのYouTubeで公開されたドキュメンタリーでは「最終章」という言葉も見られましたが……。
【堀口】まぁまぁ、「章」で言ったら最終章だろうし、最終の次にまた新しい章がでてくるかもしれないし(笑)。だからそこは、なんとも言えないですよね。
――章として考えると、修斗での活躍に始まり、最初のUFC、RIZIN、そして再びのUFCとチャプターは確実に進んでいますからね。ちなみに、カタールの試合が終わったら日本に帰るご予定は?
【堀口】そのまま日本に帰って、ファンミーティングや応援してくださる方へのあいさつ回りなどしながら、ちょっと休憩しようと思うし、もしかしたら大みそかまで残ってRIZINでセコンドをするかもしれないです。ただ、それだけいると(フロリダの自宅で待っている愛犬の)ロイが心配なんですけどね(笑)。
――今後のUFCでの戦いのビジョンを教えてください。
【堀口】まずはここをしっかり勝って、フライ級のベルトに最短で行ければいいなと。自分を受け入れてくれたUFCにしっかりと恩返しができるように、いい試合をしたいと思います!
――現在のUFCには平良達郎選手や鶴屋怜選手などの若手ファイターが活躍し、さらにRIZINで堀口選手としのぎを削った朝倉海選手も戦っているので、日本でもUFCがすごく盛り上がっています。ここで堀口選手が活躍して、さらに盛り上げてくれそうですね。
【堀口】そうですね、自分が上に行けば行くほど自然と盛り上がると思うんで、勝ち上がってどんどん盛り上げていきます!今回の試合は日本時間の土曜日の深夜ですけど、応援お願いします!やったります!
★『UFCファイトナイト・カタール:ツァルキャン vs. フッカー』は、U-NEXTで22日深夜24時(23日0時)からライブ配信。会員は追加料金なしで見ることができる。
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