E START

E START トップページ > 国内 > ニュース > 【闇バイト強盗】「逃げたら殺す、家族も殺す」実行犯が“恐怖支配”を証言 「リスクだけでリターンはない」東京拘置所で明かした後悔と記者に届いた手紙【news23】

【闇バイト強盗】「逃げたら殺す、家族も殺す」実行犯が“恐怖支配”を証言 「リスクだけでリターンはない」東京拘置所で明かした後悔と記者に届いた手紙【news23】

国内
2025-12-11 13:23

「リスクだけでリターンはない闇バイトの実態を知ってほしい」こう手紙に書き残したのは、強盗傷害事件で逮捕・起訴された闇バイトの実行犯・本橋日尚太被告(25)です。なぜ凶悪犯罪に加担してしまったのか。闇バイトの実態を私たちに証言しました。首謀者らの“巧妙な手口”と“恐怖による支配”とは。


【写真を見る】本橋被告から届いた手紙


実行犯は闇バイトの存在「全然知らなかった」

闇バイト強盗の「実行犯」本橋日尚太被告(25)は、闇バイトの存在を知らなかったといいます。


「ニュースも見てなかったし、当時強盗が相次いでいたことも全然知らなかった」


住人が殺害される事態に発展するなど、2024年、首都圏で18件相次いだ一連の強盗事件のうち、東京・葛飾区の強盗傷害事件で逮捕・起訴されています。


本橋被告はなぜ凶悪犯罪に加担してしまったのか。私たちは9回にわたり面会を重ねました。


2024年1月、愛知県から上京した本橋被告。


本橋被告を知る人物
「明るい性格で友達も多く、誰とでも分け隔てなく話せるような人物だった」


“旅費の足しになれば…” SNSに潜む“ホワイト案件”と謳った闇バイト

歌舞伎町でホストとして働き、1日100万円を稼ぐ日もあったといいますが、わずか8か月で店を退職。日雇いのアルバイトなどで生計を立てるようになります。


本橋被告
「ちょうど好きなアイドルグループのツアーが始まる直前で、その旅費の足しになればと」


Xで“ホワイト案件”などとうたうアルバイトを発見。応募すると、相手から秘匿性の高いアプリ「シグナル」に移行するよう指示されたといいます。


相手
「身分証と身分証を持っての自撮りの写真も送ってください」


本橋被告は疑うこともなく、個人情報を送信。すると、相手からは“浮気調査”に加え、強盗を意味する“タタキ”、“空き巣”など13種類の仕事内容が送られてきたといいます。


本橋被告
「タタキ(強盗)や空き巣など、明らかに犯罪のものもありましたが、浮気調査・現場確認の2つのどちらかを4、5件こなしたら、いくらくらいもらえるか質問したところ、10万から15万円と返信がありました」


本橋被告は浮気調査ならと指定の場所に向かいました。


そこに、指示役から「今から目の前の家に入って金を盗んでもらう。家には誰もいない。1300万円くらいある」と電話がありました。


“話が違う…”


そう思って「空き巣ならやらないです」と伝えると、相手の口調は一変。


指示役
「住所や実家も知っている。お前の家族や大切な人をさらって襲うぞ」


本橋被告
「母親や家族、大切な人たちの顔が頭に浮かんできました。母親が恐ろしい目に遭うかもしれないと思うと、怖くてたまりませんでした」
「『どうしよう どうしよう…』『やらないといけない』と」


逃げ道はなくなっていきました。


電話による脅しは、さらにエスカレートしていきます。


「逃げたら殺す 家族も殺す」怒鳴り続ける“耳元の指示”

指示役
「逃げたら殺す。お前の家族も殺す」


本橋被告は、とうとう被害者の家に押し入ります。耳元にはまた指示が。


指示役
「ロープやガムテープを探せ、縛れ」


本橋被告
「指示役からは、常に耳元で怒鳴られているような状況でした。共犯者がかなり残酷な暴力を振るっていました。逃げたら自分の家族も同じ目に遭わされるかもしれないと思いました」


本橋被告は結局、もう1人の男とともに、住人の70代男性に暴行を加え、けがをさせ、現金約100万円などを奪いました。


男性はくも膜下出血など、全治3か月の大怪我を負いました。


首都圏で相次いだ闇バイト強盗事件を巡っては、別の事件で実行役に犯行を指示したとして、首謀者の男4人がついに逮捕されました。


――首謀者4人が逮捕されました


本橋被告
「本当ですか。よかったです」
「今後、被害者にしても、僕のような人間が生まれないという意味でも、大きな前進だと思います」


面会を重ねていた10月、本橋被告から手紙が届きました。


本橋被告からの手紙
「金に困っていた訳でもなく、その上1円の報酬もない。あるのは長期の服役と前科者というレッテルのみ。犯罪に手を染めてまでカネを稼ごうとする人に“リスクのみがあってリターンのない”闇バイトの実態を知ってもらい、思いとどまってほしい」


「インフルにかかる人・かからない人の違いは?」「医師はどう予防?」インフルエンザの疑問を専門家に聞く【ひるおび】
【全文公開】“ラブホテル密会” 小川晶・前橋市長の謝罪会見【後編】「どちらからホテルに誘うことが多かった?」記者と小川晶市長の一問一答(9月24日夜)
「あんな微罪で死ぬことはないだろう…」逮捕直前にホテルで命を絶った新井将敬 衆院議員「この場に帰って来れないかもしれないけども、最後の言葉に嘘はありませんから」【平成事件史の舞台裏(28)】


情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

ページの先頭へ