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「どこまで頑張ればいいのか…」輪島の宿店主が語る被災地のいま「能登を忘れないで」と伝え続ける 藤森祥平が見た能登半島地震2年【news23】

国内
2026-02-01 07:00

能登半島地震から2年。石川県輪島市で地震と豪雨の被害を乗り越え、営業を再開した民宿がある。店主は、客足は少しずつ戻りつつあるが、まだ本格的な観光需要の回復には至っていないと不安の声を漏らした。


【写真を見る】地震と豪雨の二重災害、民宿「お宿 たなか」の被害状況(当時)


「温泉が戻らない」復旧を拒む壁

創業約60年の民宿「お宿 たなか」。輪島市の朝市通りにも近い立地で、温泉や能登の食材を使った料理で、多くの観光客から人気を集めた。宿は地震と豪雨の二重災害を経験しながらも、なんとか営業再開。しかし、大きな魅力のひとつだった温泉は、いまだ再開の見通しが立っていない。


お宿たなか 田中孝一さん(62)
「源泉が出ているところの深さが足りなくなったので、もう少し深く掘り直さないと温泉は出ない状況。県に申請を出しているが、まだ許可が下りないので、保留になっている状況なんです」


再び温泉を汲み上げるには掘削工事が必要だが、県から工事の許可は下りぬまま。宿の努力だけではどうにもならず、現在は水道水で湯を沸かし、風呂の提供を行っている。


「どこまで頑張れば…元に戻るのか」稼働率3割 戻らない観光客

一方、宿で提供する食事は仕入れの体制が整っているが…


藤森祥平キャスター
「震災前と比べるとお客さんの割合は?」


お宿たなか 田中孝一さん(62)
「いま稼働率で言うと3割です」
「カニやブリがおいしいシーズンでもあるが、なかなかね」


能登の冬の味覚、カニやブリはシーズンを迎え、宿での提供準備も整っているが、客足は伸びず、震災前の稼働率と比べると3割ほどに留まっている。


藤森祥平キャスター
「折り重なった疲労が大きくなってきてませんか?」


お宿たなか 田中孝一さん(62)
「本当に先が見えない不安で疲れと、どれだけ頑張れば、以前の状態に戻れるのかという、身体的、精神的な疲れが少しずつ出てきている」
「もちろん頑張らないといけないという気持ちはあるが、ただ、どこまで頑張れば以前のように戻れるのか…最近そればかり考えてしまう」


「本音を言うと…3か月後が分からない」

田中さんに今年の展望を尋ねると、長い沈黙のあと、こう答えた。


お宿たなか 田中孝一さん(62)
「あの…先が見えないんですよ。本当に先が見えない。3か月後、半年後、もちろん1年後、どういった状況になっているか、想像がつかない」
「テレビでは、かっこいい話をすればいいでしょうけど、自分に対して嘘は付きたくない。本音と建前とあって、本音で言うと不安しかない」


それでも前へ「能登を忘れないで」と伝え続ける

震災から2年が経ったいま、田中さんには伝えたい事がある。


お宿たなか 田中孝一さん(62)
「やっぱり、能登を忘れて欲しくないと、私たちは伝え続けなきゃいけないと思いますし、能登は元気なんだよと、伝えて欲しい」
「未来は自分で切り開くことしかできないと思っている。きっかけを自分で作っていかないと駄目だと思うので、頑張ります」


新たなきっかけ作りは既に始まっている。今年の春ごろ、輪島塗り職人などを宿に招き、客と交流するイベントを開く予定だ。イベントでは、能登の食材を使った食事を振る舞うことを検討している。


将来への不安は消えないが、少しでも前へ歩みを進めようとしている。能登の復興には、インフラの整備だけでなく、観光業への具体的な支援と、現場の声を拾い上げる仕組みが必要だ。田中さんの訴えは、被災地の「負の部分」もきちんと伝えて欲しいという切実な願いでもあった。


(news23ディレクター 横山菜穂)


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