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皇族数の確保どうする?「女性・女系天皇」議論停滞、各党アンケートで見えた“男系男子”優先の「ジレンマ」【Nスタ解説】

国内
2026-02-05 20:17

『女性・女系天皇と皇族数確保』について。国会で議論が進まない中、いよいよ目をつぶれない深刻な事態を迎えています。


【データを見る】皇族数どう確保? 各党のアンケート結果は


有識者会議で示された2つの案

高柳光希キャスター:
皇室の現状から説明します。


31年前は26人いた皇族ですが、現在は16人です。未婚の皇族6人のうち、男子は、悠仁さま1人のみとなっています。女性は結婚をしたら皇室を離れますし、将来どんどん数が減っていくという危機感が、この議論の出発点となっているわけです。


では、どういう手段で皇族の数を確保していくのか。2021年に有識者会議で示された2つの案があります。


TBS報道局社会部 宮内庁キャップ 岩永優樹 記者:
まず1つ目の案は「女性皇族 結婚後も身分を保持」というもの。現在のルールと違い、女性皇族が一般の国民、一般の男性と結婚をしても、そのまま皇室に残れるという案です。


この案の良いところは、皇族がマイナス1になることを防げるだけではなく、担っている公務や総裁職などを手放したり、引き継いだりすることなく行える点です。


ただ、この「女性皇族 結婚後も身分を保持」という案に賛成している方の中でも、枝葉の部分に関しては意見が分かれています。


たとえば、女性皇族と結婚した男性は皇族になるのか?また、女性皇族と男性の間に子どもが生まれた場合、その子どもは母方の血を引くいわゆる“女系”になるわけですが、この子どもの扱いはどうなるのか?こういったポイントが議論されています。


高柳キャスター:
数を減らさないというのが、まずこの案ですね。もう1つの案についてもお願いします。


TBS報道局社会部 宮内庁キャップ 岩永優樹 記者:
もう1つの案は「旧宮家の男系男子を養子に」というもの。“旧宮家”とは、戦後すぐに皇室を離れた11の家のことで、その子孫の男系男子を養子として皇室に迎えるという案です。


これは「天皇の血を引く男系男子が大事なんだ」という説に立てば親和的な説ですし、先ほど紹介した「女性皇族 結婚後も身分を保持」という案と違い、皇族数をプラスにするという意味では即効性がある案です。


ただ、約80年前に皇室を離れた家であり、養子に入る方自身やその親世代も生まれたときから一般の国民なので、「国民感情的にハードルがあるのでは」という声はあります。


皇族数どう確保? 各党の考えは

高柳キャスター:
各党は皇族数を確保するために、どのように考えているのか。TBSが行ったアンケート結果をみてみます。


【皇族数どう確保?】※TBSアンケートより
▼旧宮家の男系男子を養子に:維新・参政・ゆうこく・保守・自民(第一優先)・国民
▼女性皇族結婚後も身分を保持:共産・自民・国民
▼女性・女系天皇の実現:社民
▼争点にすべきではない:中道
▼国民的議論を:れいわ・みらい


このように、「旧宮家の男系男子を養子に」という案を掲げている党が多くを占めています。


ただ、この案を掲げている党も「女性皇族 結婚後も身分を保持」という案に反対をしているわけではないということもあります。


自民党と国民民主党に関しては「旧宮家の男系男子を養子に」と「女性皇族 結婚後も身分を保持」の両方の意見に賛成をしていますが、公約を詳しくみると、自民党は「安定的な皇位継承のため、『皇族には認められていない養子縁組を可能とし、皇統に属する男系の男子を皇族とする』案を第一優先として、皇室典範の改正を目指します」と明記しています。


TBS報道局社会部 宮内庁キャップ 岩永優樹 記者:
2025年や2024年の選挙だと「第一優先」という文言はなかったので、高市総裁の自民党は、2026年は「旧宮家の男系男子を養子に」の案に舵を切っている印象を受けます。


井上貴博キャスター:
有識者会議では2つの案が並列で書かれていましたが、自民党が維新と連立したことで、男系男子に舵を切りつつあるのではないかということですね。


一方、高市総理は過去のインタビューで「女性天皇にも反対しない」という話もしていました。このあたりの整合性を含めて、どう捉えればいいのでしょうか。


「“皇族数の確保”だけでなく、皇族の継承も議論する必要」

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
最近いろいろな分野でSDGs、持続可能性という議論がありますが、今の皇室制度は明らかに持続可能ではないですよね。


国会議員は、日本の制度をどう持続させるか考えることが仕事ですが、この2つの案は持続するような制度ではありません。


基本的には女性天皇・女系天皇を「認める」か「認めないか」、逃げずに議論してもらいたいのですが、枝葉の部分、その手前の議論しかしていないですね。


高柳キャスター:
皇族の数自体をどう確保するのかという話だけではなく、天皇になる資格、継承権の問題もあります。


小泉政権のときに出された有識者会議の報告書では、「女性・女系天皇を容認」。そして、「皇位継承の順位は男女を問わず、天皇の直系の第一子を優先する」という案も出ました。


現在でいうと、天皇の直系は、愛子さまが該当します。


名古屋大学の河西秀哉准教授によると「“皇族数の確保”だけでなく、皇位の継承も議論する必要がある」ということです。さらに世論調査では、多くの人が「女性天皇に賛成」をしているという事実もあります。


井上キャスター:
枝葉の部分ではなく、しっかり踏み込むためにも、皇位継承権の議論は避けられません。高市総理は解散のときに、「国論を二分する議論をしたいんだ」と言っていました。「国論を二分する議論」の中に、この問題は入っていると捉えるべきなのでしょうか。


TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
入っていないでしょう。自民党は、女性・女系天皇について議論を深めるという気はないと思います。


出水麻衣キャスター:
公務をされている姿を報道されるたびに、「こちらの皇族のほうが素敵」だとか、感情論が先立っているように感じます。我々は、どう冷静に見ていけばいいのでしょうか。


TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
仮に、女性天皇と女系天皇を認めることになれば「皇室典範」という法律を改正することになります。その場合おそらく、悠仁さまの世代以降、その後をどうするかという議論になると思います。


ここで議論が変な形になり「悠仁さまのほうを支持するのか、愛子さまのほうを支持するのか」のような議論になるのは絶対に避けるべきなので、仮に法改正をするとしても、次のステップの議論ということになります。


制度を維持していくのは大事ですから、ぜひやっていただきたいと思います。


議論が進んでいない現状で、私たちができることとは?

井上キャスター:
いまの状況で、宮内庁担当として岩永さんは何か感じることなどはありますか。


TBS報道局社会部 宮内庁キャップ 岩永優樹 記者:
ここまで議論が進んでいない現状をみると、国民の思いから動かしていく必要があると思います。


「経済」や「子育て」のことに比べて争点になりにくいですし、自分ごとに考えられない人が多いと思いますが、非常に重要な問題です。


また、女性皇族、他の皇族の方の人生にも心を寄せる必要があると思います。


皇族の方は情報発信も自分ではできないですし、立法のあり方に口を出すことも当然できないので、我々がそこを汲み、心を寄せて、関心を持っていくことが大事なのではないでしょうか。


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<プロフィール>
岩永優樹
報道局社会部 宮内庁キャップ
趣味は散歩


星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身 政治記者歴30年


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