
今回の衆院選、自民党の圧勝は、裏返して言えば野党の壊滅的な敗北です。中道など野党に票を投じた有権者も少なくない中で、野党はどのように責任を果たしていけばいいのでしょうか。
国会を一変させた“高市旋風” 若年層の支持が急増
日本列島に吹き荒れた“高市旋風”。選挙結果は、国会の風景を一変させました。
自民党の獲得議席は316。単独の政党が、衆議院の定数3分の2を上回るのは戦後初です。圧勝に導いた一因とされるのが、“サナ活”とも呼ばれた、支持者によるいわゆる“推し活”です。
手作りのプラカードや横断幕を用意し、まるでアイドルの応援風景―。遊説会場は、高市総理を一目見ようと黒山の人だかり。若者の姿も目立ちました。
高市総理の演説を聞いた人
「力強いので言葉に魂がこもってるなって感じました」
「僕は『未来への投資』というところがすごく刺さりました」
「若い世代のために『今』とか『未来』と言われると、やっぱり響くところがあって」
SNS上では“高市人気”を取り込んだ動画がバズり、短期間で200万再生を超えたといいます。そうしたアピールが大きく影響したのか、前回参院選の比例代表で、自民党に投票した若年層は1割ほどでしたが、今回、4割前後に急増したのです。
歴史的大敗を喫した「中道」の敗因は
片や、歴史的大敗を喫したのが、100以上の議席減と惨敗を喫した「中道」。幹部やベテランが軒並み落選に追い込まれます。
中道改革連合 野田佳彦 共同代表
「どうしても『時代遅れ感』が、(代表)2人にはつきまとった」
選挙後、有権者への世論調査では、「中道」の敗因として「争っていた党が合流したから」や「2人の共同代表に魅力がなかった」ことなどが上位に挙げられました。
中道の大敗について、かつて非自民8党派による細川連立政権樹立に関わった田中秀征さんはこのように話します。
福山大学 田中秀征 客員教授
「『(中道は)なぜ一緒になったか』っていう疑問を持たれたら、もう駄目。説得力も何もないし。だから『有権者の気持ちを知らないな』と思われた」
今回、自民党は小選挙区の議席数の86%を占めた一方、中道はわずか2%。これだけ見れば圧倒的な差です。ところが「有権者全体」に占める得票率は自民党27%に対し、中道12%で、比例代表の得票は自民党の約2100万票に対し、中道は約1040万票です。
現在の「小選挙区比例代表制」のもとでは、「大勝」や「惨敗」が起きやすい一方で、議席に結びつかない「死に票」が出やすくなります。
福山大学 田中秀征 客員教授
「本当は(中道の比例票)1000万票、貴重な票。単に支持したっていうより、(中道の)非常に雑なやり方を悔やみながら入れた票だから、なお貴重。だから、それを生かすためには、(中道は)責任をきちっと明らかにして、捨て身でやっていかなくちゃダメだ」
ただ現実には「野党」の議席は合わせて3分の1にも満たない上に、高市政権に対するスタンスも様々と、一枚岩とはいえない状況です。そうしたなか、今後、野党に何ができるのでしょうか。
「高市一強」時代に問われる野党の責任
13日、新たな代表が決まった野党・中道改革連合。
中道改革連合 小川淳也 新代表
「1000万人に余る方々が中道と書いてくださってるんですね。有権者の思い、これは決して軽視したくない」
選挙は惨敗だったとはいえ、比例では1000万票を獲得。その責任を担えるのでしょうか。
福山大学 田中秀征 客員教授
「ちゃんと高市政権の方向が間違ったり、間違えそうだというときは、批判できて、自分の言ったことに対して責任を持つことが野党としてはもちろん必要。だけど今の野党に、正直言ってあんまり僕は期待していない。非常に健全で、納得できる批判勢力になるためには、『考えてどうするか』ということではなく、本当の人物というのは一人で走り出す。僕は昔からそう思っている」
かつて、自民党を離党し「新党さきがけ」を結党した田中秀征さん。その決断も行動も、まず一人から始まったといいます。
福山大学 田中秀征 客員教授
「正論を吐く人が一人いたら変わるんだ、全体が。政治の世界は極端に言えばね。だから僕は『人物』『人物』って言っている。そういう人が人材。それは必ず出るし、若手の中でそういうのを期待したいですね」
「高市一強」時代を迎える中、野党の責任が改めて問われます。
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