
イラン情勢の悪化の影響で急激に高騰しているガソリン価格。
日本政府は、備蓄している石油の放出を開始しました。
19日には新たな補助金も導入されますが、値下がりの時期はいつになるのでしょうか?
野村総合研究所のエグゼクティブ・エコノミスト 木内登英氏に聞きます。
【写真を見る】ガソリン高騰 石油備蓄放出&補助金で価格はいつ下がる?お得に入れる方法は【ひるおび】
ガソリン価格高騰 お得に入れる方法は?
ガソリンの平均価格が、4週連続で値上がりしています。
全国のレギュラーガソリンの平均小売価格は4月9日時点で1Lあたり161.8円となっており、160円台をつけるのは3か月ぶりです。
島根県松江市では13日、1リットルあたり237円を超える店舗もありました。
宮城県でも235円をつける店舗や、価格の安いスタンドでは売り切れになるところも…
熊本県や山形県では、給油制限をするスタンドもみられました。
「ひるおび」では、世田谷区のガソリンスタンド、「シンエネ八幡山SS」を取材しました。
3月11日のレギュラーガソリンの価格は1lあたり157円で、翌日の12日には185円と、1日で28円値上がりしました。中継をつないだ16日、価格は185円を維持していました。
店長の佐藤大さんに話を聞きました。
ーー現在のこのガソリンの価格をどのように受け止めていますか?
シンエネ八幡山SS 佐藤 大店長:
せっかく下がったのにまた上がってしまって、心苦しい気持ちですね。
このままガソリンが入ってこなければ、まだ上がってしまうのかととても心配です。
ーーガソリンをお得に入れる方法はありますか?
シンエネ八幡山SS 佐藤 大店長:
うちではプリペイドカードやアプリ、LINEなどでお得なクーポンを出しているので、そういったものを利用していただく。
あとは、タイヤの空気圧を適正にして、経済走行できるようにする。
ガソリンも満タンにしないで半分ぐらいにしておけば、車の重量が抑えられます。
無駄な荷物も積まないでなるべく軽い状態で走るのが経済走行にはいいかと思います。
タイヤの空気圧はガソリンスタンドで自分で簡単に測ることができます。
恵俊彰:
ガソリンスタンドによっては20リットル以上は入れられません、みたいなところもありますけど、シンエネ八幡山では大丈夫ですか?
シンエネ八幡山SS 佐藤 大店長:
うちではそういった話はないんですけれども、これからの状況次第でどうなっていくかはまだ分からない状況です。
急激な値上がりの裏には「品不足感」も・・・
ガソリンの急激な値上がりの理由について、木内氏に聞きました。
本来ガソリン価格が上昇する要因としては、▼原油価格の上昇や▼為替レートの円安などがあります。
ただ、これだけならばここまで短期間でガソリンの価格は急騰しないといいます。
プラスの要因として、中東情勢をきっかけに国内に「品不足感」があり、一部の元売り(大手以外)が投機的な動きで高くガソリンを小売りに販売したことで、小売りとしても値段を上げざるを得ないところがあるのではないかと木内氏は考えています。
野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト 木内登英氏:
元売り会社がガソリンスタンドなどに売る卸値は、海外の原油の価格とか為替レートでコストがどのぐらい上がるかを計算した上で決めていくんですね。
大体週の真ん中の水曜日に決めるという話です。
ただ海外の原油が上がったから同じ幅だけ急に上げるわけではなく、1か月程度かけてゆっくり上げていくのが普通です。
先週急激に上がったのは異例なことなので、国内でいろいろな形で混乱が起こっているということもあり、政府は石油備蓄の放出とガソリンの補助金を急いで決めたのだと思います。
石油備蓄放出&補助金で価格はいつ下がる?
政府の価格高騰への対策は二本柱です。
1つ目の対策が石油備蓄している分を放出すること。もう1つが新たな補助金を導入することです。
政府は16日から石油元売り各社に義務づけている備蓄の量を70日分から55日分に引き下げました。
国内需要の15日分の石油を市場に放出するよう促し、原油の供給不足に備えます。
国家備蓄についても、3月下旬にも国内需要の1か月分を石油元売り各社に売却する方針で調整が進められています。
備蓄量は、国の備蓄分と民間の備蓄を合わせて254日分、約8か月分となっています。
さらに、3月19日出荷分から、補助金を投入します。
政府は石油の元売りに対して補助金を与え、店頭価格を170円程度に抑える方針です。
木内登英氏:
今週は、補助金を受け入れる木曜日の前に値決めするので高止まりする可能性はありますが、来週の水曜日の25日の値決めからはかなり下がって、補助金を加味して小売で170円ぐらいになるような値段で売っていくのかなと。
ただガソリンスタンドによってはもっと高い価格で買って持っているところがあるので、完全に170円になるのは3月末にかけてになるかもしれません。ただ安定していくことは確かです。
恵俊彰:
我慢できる方は、1、2週間はちょっと待った方がいいかもしれないですね。
ただ木内氏によると、この補助金制度がいつまでもつのかは分からないという懸念もあります。
木内登英氏:
ガソリン価格を30円下げるように補助金を出すと、1日で30億円以上、40億円近くお金を使うことになります。実際は灯油や軽油にも補助しますので、1か月間で3000億ぐらい使うということなので、今確保している予算だと1か月持たないです。
その時は予備費などで手当てをしていきますが、ずっと続けると財政をかなり圧迫することになります。
しかも海外の値段が上がると補助金の額も大きくしなければいけない。
価格を安定させるという目的なので、どこかの時点でやっぱり消費者のほうに負担してもらう。例えば170円じゃなくて180円とか190円とか、すぐではないですが、2か月、3か月先にはそういった選択をする可能性もあります。
今後のガソリン価格は?シナリオ別試算
原油価格の変動により、ガソリン価格が今後どうなっていくのか、木内氏にシナリオ別に試算してもらいました。
【1】軍事衝突が比較的限定されるケース
原油価格:1バレルあたり77ドル※2025年の軍事衝突時
➡国内レギュラーガソリン価格1Lあたり181円
【2】軍事衝突が激化・長期化し、ホルムズ海峡の原油輸送の支障が長期化するケース
原油価格:1バレルあたり87ドル※2024年の軍事衝突時
➡国内レギュラーガソリン価格価格1Lあたり204円
【3】中東地域全体に軍事衝突が拡大 ホルムズ海峡が完全封鎖のケース
原油価格:1バレルあたり140ドル※2008年の最高値
➡国内レギュラーガソリン価格価格1Lあたり328円
恵俊彰:
この1、2か月は、総理がなんとか補助金で170円にっておっしゃってますけど、長期化したらそうならなくなるかもしれないから、これは本当にいつ収まるかにかかっているんですね。
野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト 木内登英氏:
もちろんガソリン価格は補助金を出しますので170円で落ち着くと思いますし、こちらの計算は原油価格と同じ割合だけ上がった時なので、140ドルになってもおそらく300円にはならないと思います。でも200円台半ばにはなると思うので、そこを補助金で抑えていく。抑えきれなくなるとガソリン価格もいずれじりじりと上がってくるということが起こると思いますね。
(ひるおび 2026年3月16日放送より)
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<プロフィール>
木内登英氏
野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト
野村総合研究所にてエコノミストとして職歴を重ねる
ドイツ・アメリカで欧米経済分析を担当
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