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高市内閣の支持率70.0% 幅広い年代で広がる支持も…死角は中東情勢と「誹謗中傷動画」問題か

国内
2026-06-13 07:00

最新のJNNの世論調査で高市内閣の支持率は先月の調査から4.2ポイント下落して70.0%となった。若年層を中心に依然高い支持率を維持している一方、中東情勢に対する政府の対応や総裁選や衆院選で高市陣営が他候補を誹謗中傷する動画を作成していたのではないかという報道が影を落とす。


【CGを見る】高市内閣の支持率70.0% 幅広い年代で広がる支持も…


幅広い層で高支持率をキープ 支持する理由トップは「総理の人柄や政治姿勢」

高市内閣の支持率を「年代別」に分析したところ、最も支持率が高かった年代層は「40代」で79%だった。しかしながら「30代未満」で77%、「30代」で76%など、現役世代の幅広い層で高い支持率が維持されている。


一方、「60歳以上」では支持率62%と全体の平均を高齢層が押し下げている結果となっている。


「男女別」ではやや女性のほうが支持する割合が多く、全体を通して最も支持が高かったのは「40代女性」と「30代男性」で81%だった。


「政党別」でみると、「自民党支持層」に限れば支持率は90%、「支持する政党はない」と答えたいわゆる「無党派層」の高市総理の支持率は63%で、全体の支持率より低いが、無党派層にも支持は一定、浸透している。


さらに「高市内閣を支持する」と答えた人に「支持する理由」を聞いたところ、トップは「高市総理の人柄や政治姿勢が期待できるから」で、僅差で「高市総理の指導力に期待できるから」が続いた。


こちらも「年代別」、「性別」に分析すると、どの年代でも「人柄や政治姿勢」と「指導力」が1位、2位を争っていて、「高市内閣の政策に期待できる」というのは総じて低い結果になった。つまり高市内閣を支持している人の6~7割は内閣の政策ではなく、高市総理個人の“資質”に好感をもったり、評価をしているという結果となった。


「他にいい人がいないから」という“消極的”支持はどの年代層でも2割以下にとどまっている。


支持政党は「立憲」支持が「中道」支持を逆転 野党は軒並み低調

支持政党を聞いたところ、自民党が35.5%で首位、野党の1位は国民民主の3.9%だが、立憲、参政とほぼ“団子状態”だった。


2月の衆院選直前に立憲と公明党が合流して新しく結党した中道改革連合は結党直後は支持率8.5%だったが、今月の調査では1.9%にまで低下した。参院側で合流せず残っている立憲民主党の支持率(3.4%)よりも低い結果となった。


また衆院選や、社会保障国民会議で消費税をめぐる発言などで注目を集めたチームみらいも3月調査では中道に次ぐ野党2番目の支持率(4.2%)だったが、今回は1.0%と低迷している。


自民党支持率は堅調で石破内閣後期、例えば25年8月は20.4%まで下落していたが、高市内閣発足後は持ち直し、今月調査では35%を超えた。35%を超えたのは22年8月(岸田内閣)ぶり。なお第二次安倍内閣では自民党の支持率は40%を超えることも珍しくなかったため、殊更高いとは言えない。


世論が分かれるナフサをめぐる総理の説明 納得「できる」「できない」が拮抗

高市内閣の支持率は依然高い状態で推移しているが、先月から4ポイント下げている要因はいくつか考えられる。


1つは高市総理陣営の「誹謗中傷動画」問題だ。去年の総裁選や2月の衆院選で高市総理の公設秘書が中傷動画作成を依頼したのではないかと週刊文春が連載を開始。国会で本格的に取り上げられるようになったのは、5月の末からだった。公開された動画作成者と公設秘書のやりとりとされる音声について、総理は野党側から秘書の声かどうか確認を求められ、「有料会員になって音声を確認することはできない」などと答弁した。6月4日に国会でこのやりとりがあり、以降連日報道されるようになったが、JNN世論調査の実施日が6月6日、7日でこの時期はまだ広くこの問題が浸透していない可能性があり、支持率低下は限定的とみるべきかもしれない。


一方、政権の不安要素は中東情勢だ。


高市総理は石油から精製するナフサについて「年度を超えて供給できる」と表明し、目詰まりの解消に向けた対策と、自身の発信を強化している。にも関わらず、今回の調査では総理の説明に「納得できる」45%、「納得できない」48%と拮抗している。


実際、食料品のパッケージが白黒になるなど、ナフサ由来の製品の不足が身近に感じられるようになっている結果かもしれない。不安解消に向けたさらなる対策の強化が求められている。


「給付付き税額控除」は「給付のみ」でスタート 「賛成」は45%

給付付き税額控除の制度設計や食料品の消費税を今後どうするかなどを話し合う社会保障国民会議の中間とりまとめがまもなく行われる。


給付付き税額控除については、給付と税額控除をあわせる制度で、実務を担う自治体などの負担を考慮し、まずは「給付のみ」で始める方針が政府から示された。


この「給付のみ」の政府案について「賛成」は45%、「反対」は34%だった。一方で「わからない・無回答」も22%だった。


維新や一部野党からは「給付のみ」が「バラマキ」につながるのではとの懸念がでているが、働く高齢者をふくむ中低所得者に限った手取りを増やす制度であり、年収の壁にかかる個人には給付を増やすなど働き控えをなくすという制度の趣旨がどこまで浸透しているか。“2年間限定”の食料品の消費税減税と異なり、この制度は恒久的に制度化しようとしていて国民へわかりやすい説明が求められる。


しかしながら最も関心があるであろう、どの年収層にいくら給付されるかはこの中間とりまとめでは結論が出ず、今回は制度の骨格にとどまる見通しだ。


消費税は「1%でもいい」が最多 先月調査と同じ結果に

もうひとつの課題、自民党が衆院選の公約に掲げた「食料品の消費税ゼロ」をどうするのか。この国民会議を通して、ゼロ%にするのはレジのシステム改修に1年かかるが、1%であれば半年程度で改修できることがわかった。そのうえで、どうすべきかJNN世論調査で2か月にわたって同じ質問をし、結果を比較したところ、最も多い回答は「時間が短縮出来るなら1%の引き下げでもいい」が47%で、先月調査と全く同じ結果だった。


こうした世論も後押しし、政府は「1%案」を有力な案として検討を進めている。国民会議の中間とりまとめが今月下旬頃おこなわれ、その結果を考慮し政府が食料品の消費税の税率、実施開始時期を最終的に決める。


ただ、給付付き税額控除を「給付のみ」にする制度も食料品の消費税を減税するについてもその両方の財源は見つかっておらず、結論は年末の税制改正の議論にまで持ち越される見通しだ。


6月5日に成立した補正予算も全額赤字国債で賄われる。高市総理は昨年度の税収の増額分で市中に回る国債の総額は増えないとの見通しを示したが、長期金利の上昇や円安傾向が続いている。その中で、消費税を下げても実際には店頭での価格は下がらず、物価高対策としては効果が薄いのではないかとの見方もくすぶる。


現状、170円に抑えるためのガソリン補助金の出口戦略がないまま1か月数千億円を捻出し続け(4月補助は3100億円)与党内からも財政悪化の懸念から見直すべきとの声が上がっている。このまま夏の旅行、帰省シーズンに突入し、ますます出口が見えないガソリン補助金を今後どうするかも政権の課題だ。


先行きがみえない中東情勢とその対策、疑惑の目が向けられている「誹謗中傷動画」問題。選挙の公平性が揺らぎかねないこの問題に、総理が国民に対して説明を尽くせるのか。正念場が続くことになる。


TBS政治部 世論調査担当デスク 室井祐作


【6月JNN世論調査の設問と回答】
●高市内閣の支持率は70.0%(先月よりも4.2ポイント下落)。不支持率は27.4%(先月より3.1ポイント上昇)。


●(支持すると答えた人に)高市内閣を支持する理由は
内閣の政策に期待できるから 14.2%
自民党中心の内閣だから 5.2%
高市総理の指導力に期待できるから 30.9%
高市総理の人柄や政治姿勢が信頼できるから 31.3%
他にいい人がいないから 16.2%


●政党支持率は、
自民 35.5%(1.6↑)
維新 2.0%(2.0↓)
国民 3.9%(0.5↑)
中道 1.9%(1.1↓)
立憲 3.4%(2.2↑)
参政 3.6%(1.3↑)
公明 2.3%(0.0→)
みらい1.0%(1.3↓)
共産 2.4%(0.1↑)
れいわ1.3%(0.5↑)
保守 1.1%(0.5↑)
社民 0.4%(0.3↓)
その他1.0%(0.7↑)
支持なし37.9%(0.2↑)


●高市総理がナフサについて「年度を越えて供給できる」と説明したことについて「十分納得できる」7%、「ある程度納得できる」38%、「あまり納得できない」35%、「全く納得できない」13%


●現在政府が続けているガソリン補助について「このまま継続すべき」45%、「徐々に減らすべき」41%、「ただちにやめるべき」9%


●食料品の消費税ゼロについて、デジシステムの改修に1年かかるが「公約通り0%にすべき」は24%(先月と変わらず)、「時間が短縮できるなら1%への引き下げでもいい」は47%(先月と変わらず)、「減税すべきではない(増税すべきを含む)」は25%(先月比-1)


●「給付付き税額控除」の制度を給付に一本化することについて「賛成」45%、「反対」34%


●女性皇族が結婚後も皇室に残ることについて「賛成」73%、「反対」13%


●その夫や子どもが皇族となることについて「賛成」51%、「反対」34%


【調査方法】
JNNではコンピュータで無作為に数字を組み合わせ、固定電話と携帯電話両方をかけて行う「RDD方式」を採用しています。6月6日(土)、7日(日)に全国18歳以上の男女2689人〔固定822人、携帯1867人〕に調査を行い、そのうち38.0%にあたる1021人から有効な回答を得ました。その内訳は固定電話463人、携帯558人でした。インターネットによる調査は、「その分野に関心がある人」が多く回答する傾向があるため、調査結果には偏りが生じます。より「有権者の縮図」に近づけるためにもJNNでは電話による調査を実施しています。無作為に選んだ方々に対し、機械による自動音声で調査を行うのではなく、調査員が直接聞き取りを行っています。固定電話も年齢層が偏らないよう、お住まいの方から乱数で指定させて頂いたお一人を選んで、質問させて頂いています。今後とも世論調査にご理解とご協力よろしくお願いします。


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