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音程を笑われ口パクした過去も…先天性難聴の男性、歌とダンスで目指すプロの道「勇気や希望、誰かのヒーローになれたら」

国内
2026-09-15 07:50
音程を笑われ口パクした過去も…先天性難聴の男性、歌とダンスで目指すプロの道「勇気や希望、誰かのヒーローになれたら」
生まれつき耳が聞こえないゆうきさん(Instagram/@nanchoyuuki/reelsより)
 生まれつき耳が聞こえない男女5人組が、息ピッタリにマイケル・ジャクソンの「Beat It」を踊る姿が、135.1万回再生を超える反響を呼んだ。Instagramでは、「身体にリズムが入ってるのですね、上手い」「才能と努力がすごい!」などと、話題になった。投稿者のゆうきさんも生まれつき耳が聞こえない中、ダンスだけでなく、歌手活動も行っている。ダンスを始めたきっかけや練習方法、夢に向かって突き進む原動力について、投稿者のゆうきさんに話を聞いた。

【写真】キレッキレですごい…130万回再生を超えた「Beat It」ダンスパフォーマンス

◆ダンスを始めたきっかけは、子どもの頃にテレビで観た“オカザイル”

――ゆうきさんは、いつ頃からダンスを始めたのでしょうか?

「本格的に始めたのは21歳です。きっかけは子どもの頃にオカザイル(フジテレビ系『めちゃ×2イケてるッ!』で誕生したナインティナインの岡村隆史とEXILEによるコラボレーションユニット)をテレビで観てEXILEを知ったことです。山に住んでいたため音楽とは無縁な環境で育ちましたが、初めて心からカッコいいと思い、そこから遊びでEXILEのダンスを真似したりしていました」

――そこからどんどんダンスにハマっていった?

「最初は趣味でしたが、練習するうちに『本格的にダンスをしたいな』という気持ちが芽生えました。21歳で上京し、日中は仕事をして夜にダンスを学ぶ日々を送りました」

――初めてダンスに触れたとき、耳が聞こえない中で「難しい」と感じたことは?

「振りと音を合わせることです。自分には聞こえていないだろうと思う細かい裏音などを、振りで音ハメ(音楽のビートやリズム、歌詞や効果音などのタイミングに、ダンスの動きをピタリと一致させる表現技法)することが難しかったです」

――逆に、「これはいける!」と可能性を感じた瞬間はありますか?

「聞こえていなくてもひたすら本家の動きやタイミングを見て繰り返し練習することで、聞こえるダンサーさんと変わらずにダンスができると思えたことです。耳を頼りにできない変わりに、目で健聴者よりも細かいところまで観察します」

――影響を受けたダンサーや、ご自身のダンススタイルのルーツになっているものは?

「最初に影響を受けたのはEXILEさんです。EXILEさんのいろいろな曲のダンスを踊ることができるように、たくさんDVDを観ました。マイケル・ジャクソンさんも好きで、今でもYouTubeを観ています。ダンススタイルについては、世界で活躍するダンサーのRIEHATAさんが憧れです。ワークショップがあれば参加したり、YouTubeを観て自分の中で取り入れたりもしています」

――曲を選んだり振付を考えたりする際は、どういったポイントや直感を大切にしていますか?

「曲の背景やストーリーを第一に考えてそれに沿った振りを作ったり、今まで自分が学んできたダンスを取り入れて自分らしい振りを作ったりしています」

◆誰かのヒーローになれたら…“先天性難聴”である自分にしかできないこと

――ご自身の表現において、「自分ならではの強み」だと感じている部分は?

「先天性難聴として生まれたからこそ、いろいろなことに挑戦することで、自分と同じような方に勇気や希望、感動を与えられたり、誰かのヒーローになれたりするのではと思っています。先天性難聴である自分にしかできないことを追求する。それが強みでもあります」

――ゆうきさんと同じように聞こえに難しさを持っている子どもたちや、何かを諦めそうになっている人たちに向けて、伝えたい言葉はありますか?

「人生は一度きりなので、やりたいことはとことんやってほしいです。ただ、やりたいけど恥ずかしいという気持ちもあるかと思います。僕も高校生のときに校歌斉唱で隣にいた友達に『音程めちゃくちゃ外れてる(笑)』と笑われて、それ以来、口パクで歌うようになりました。高校を卒業してから随分と時間かかりましたが、子どもの頃から歌を歌うことは好きで諦めきれず、27歳のときにボイストレーニングに通い始めました」

――本当に好きだったのですね。

「先天性難聴で歌手として活動している方を自分の周りでは聞いたことがなかったので、可能性を感じたのと同時に、『自分が歌うことで誰かの背中を押せるのではないのか?』とも思い、歌に挑戦することを決めました」

――実際に曲も発売されていますよね?

「2022年からボイストレーニングに通い始め、2025年6月に1stシングル『タカラモノ』、2026年2月に2ndシングル『DEAF is FIRE』をリリースしました。挑戦したことで、ファンの方から『感動した』『自分も頑張ろうと思えた』『これからも応援します』などと温かい言葉をたくさんいただきました。工夫をすれば先天性難聴でもできるということを伝えたいです。時間はかかってもいいので、自分の一度きりの人生を謳歌してほしいです」

――ダンサーとして、あるいはゆうきさん個人として、これから新しく挑戦してみたいことはありますか?

「挑戦したいことはテレビ出演です。テレビの影響はとても大きいですし、僕もテレビに影響された側です。先天性難聴である僕の活動をひとりでも多くの方に知ってもらい、勇気や希望、感動を与えられたらと思っています。そして、『24時間テレビ』(日本テレビ系)にいつか出演したいです。実は、毎週のようにCDとお手紙をレターパックプラスでテレビ局に送りましたが、未だに連絡をいただいていないです。それでも諦めずに頑張ります」

――大規模なステージなどにも立ってみたいですか?

「大規模ステージにも立ちたいです。昨夏、初めて手話での演技舞台を経験し、稽古からとても緊張しましたが、歌やダンスだけでなく幅広く挑戦していきたいと考えるようになりました。目標は、ずっとファンである三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEの岩田剛典さんのようなカッコいいアーティストになることです」

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