E START

E START トップページ > 国内 > ニュース > 高市政権発足1年 高支持率を支える“高市流の言葉” 発信力が一転…諸刃の剣にも 問われる2年目の真価【news23】

高市政権発足1年 高支持率を支える“高市流の言葉” 発信力が一転…諸刃の剣にも 問われる2年目の真価【news23】

国内
2026-10-20 12:32

10月21日で、就任から1年を迎える高市総理。news23では、2夜にわたってその1年を特集します。第1回は高市総理の「言葉」について。依然として高い内閣支持率を維持するその背景に迫ります。


【写真で見る】演説で歴代総理が使用した語彙のランキング、高市総理の1位は…


高市政権発足1年 初の大臣辞任 追及は続く

高市総理
「高市内閣では強い経済の実現に向けて、日本成長戦略と地域未来戦略を両輪に、予算編成方針も大胆に見直していく」


予算編成の見直しについて力強く述べた高市早苗総理大臣。


野党からは高市政権発足以来初めて、不祥事で辞任した簗前農水大臣についての追及が続きました。


公明党 平木大作 参院議員
「政治倫理審査会のような場で、出席をして弁明の場をもうけることも1つ」


高市総理
「簗議員には、一国会議員として自ら説明責任の果たし方を判断され、丁寧に責任を果たしてもらいたいと考えている。政治倫理審査会のご提案があったが、これを含めて国会での審議のあり方なので、国会でお決めいただくこと」


一方、20日から衆議院では、高市総理が「悲願」としている消費税減税法案の審議が始まります。焦点の1つ「財源」について問われると…


共産党 山添拓 参院議員
「(財源の)見通しは本当に立っているのか。説明できるのか」


高市総理
「(消費減税の財源)4兆8000億円分を説明すると言っても、予算編成プロセスで示すのが正道。でも例えば、例えばということで申し上げると、令和9年度末の残高7兆円の基金がある。不要な長期の滞留資金は国庫返納させる」


租税特別措置の見直しや、税収の上振れ分などで対応可能という認識を示しました。


支持率を支える“高市流”の言葉

こうしたなか、21日に政権発足1年を迎える高市総理。


依然、高い内閣支持率を維持する理由の1つに挙げられるのが、総理の発信力です。


高市総理(25年10月)
「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」


過去を振り返ると、総理大臣の「言葉」は政治的運命を大きく左右してきた歴史があります。


小泉純一郎総理(2005年当時)
「郵政民営化に賛成してくれるのか、反対するのか、はっきり国民に問いたいと思います」


明確でわかりやすい「ワンフレーズ・ポリティクス」を武器に、長期政権を築いた小泉元総理。


その一方で…


民主党 鳩山由紀夫 代表(2009年当時)
「最低でも県外の移設…」


アメリカ軍普天間基地の移設をめぐって、発言の「揺らぎ」が批判を浴びた鳩山元総理。


退陣する際には…


鳩山由紀夫総理(2010年当時)
「国民の皆さんが徐々に聞く耳を持たなくなってしまった。まさにそれは私の不徳の致すところ」


歴代の総理大臣が腐心してきた国民に対するメッセージの発信。


高市総理は重要政策をSNSで説明する手法を用いる一方、演説などの言葉にも強いこだわりがあるといいます。


政権幹部
「本会議の答弁も総理は赤ペンを入れる。これが高市流で、絶対手を抜かない」


自分の言葉で話すことを重視する高市総理 発言の特徴は?

19日の委員会でも文章にペンを入れるなど、自分の言葉で話すことを重視するという高市総理。


言語学の専門家に発言を分析してもらうと、ある特徴が浮かび上がってきました。


法政大学 尾谷昌則 教授
「これは(演説で)歴代総理が使用した語彙のランキングですね。高市総理は(1位が)経済、3位が『強化する』という強いイメージの言葉」


高市総理
「賃上げと設備投資を強力に後押しします」
「政治の安定なくして、力強い経済政策も、力強い外交・安全保障政策も、推進していくことはできない」
「謙虚に、しかし大胆に、政権運営にあたってまいります」


「強力な」「力強い」「大胆な」。演説の際、こうした言葉を1つの文章でどのくらいの頻度で使用しているか数値化してみると、高市総理は他の総理に比べ3ポイント以上高いことが分かりました。


法政大学 尾谷昌則 教授
「一言の影響が非常に大きい職業の方は、どうしても断定を避ける傾向にあります。文末は気をつけつつも、文の途中で自分の意思をはっきり示している。こういった表現を多用することで断定調・力強さを示している」


「逆に諸刃の剣になる」強い言葉にはリスクも…

また、師とあおぐ安倍元総理との共通点も…


安倍晋三総理(2019年当時)
「平成のその先の時代に向かって、一億総活躍社会を皆さん、共に創り上げていこうではありませんか」


高市総理
「希望を生み出す政治を、共に進めていこうではありませんか」


法政大学 尾谷昌則 教授
「『共に』というと、高市総理と国民が同じ目線に立つことになる。力強い言葉で強いリーダーシップを示す一方で、国民に寄り添う姿勢も見せていく。両面を両立しているのが高市総理の特徴」


強い意志を伝えつつ、寄り添う姿勢も示しているという高市総理の言葉。


しかし、リスクも…


法政大学 尾谷昌則 教授
「例えば支持率が下がってきたり、もしくは党内で不祥事が起こり責任問題を追及されている時に強い断定調の言葉を使うと、『上から目線である』『高圧的である』『私たちの声が届いていないのではないか』といった批判を受けがち。調子が良いときは喜ばれても、調子が悪くなると逆に諸刃の剣になる」


「上から目線では」野党から指摘も 納得の得られる説明できるか

また、野党からはこんな指摘が…


参政党 神谷宗幣 代表
「言葉は強いんですけれども、何か空虚な感じがいたしました」


強い言葉が一人歩きするだけで、政策の説明に具体性が伴っていないという指摘です。


たとえば、消費税の減税に伴う財源について。


高市総理
「市場の信認を得られるよう、特例公債に頼らずに確保することとしており、ご心配には及びません」


こう高市総理は言い切りましたが…


立憲民主党 水岡俊一 代表
「一言で切って捨てるような形、ある意味では上から目線ではないか。あたかも白紙委任を求めるような議論の展開は、あってはならないのではないか」


強い言葉で意思を示すことに加え、納得を得られる説明ができるのか。2年目はその真価が問われそうです。


高市内閣1年の発信力 問われる真価と課題

小川彩佳キャスター:
星さんは歴代の総理大臣をご覧になる中で、高市総理の言葉というのはどのように感じられますか?


TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
「強い」とか「大胆な」とかいう、スローガンを言ってる分にはいいんですけど、自分の言葉で話すと時々問題が起きるんですね。典型的なのは台湾有事発言です。私は非常に不用意な発言だと思いますけど、自分の言葉で喋ったところがちょっと踏み出してしまった。


もう1つは、簗大臣の更迭に関連して「ダサい」という表現を使いました。あれは総理大臣が口にする言葉ではないと思いますので、自分の言葉で喋ってみると、こういう変な表現になってしまうというのは、高市流の特徴かなと思います。


小川キャスター:
そうした言葉を「親近感がある」だったり、「人間らしい」と捉える方もいらっしゃれば、「軽すぎるのではないか」「踏み込みすぎるのではないか」と戸惑いを覚える方もいらっしゃったかと思いますが、この1年で見えてきた高市内閣の特徴というのがあると。


TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
私は人気重視「ポピュリズム内閣」というのが高市内閣の性格だと思います。人気取り自体は悪いことではないですが、高市総理は自民党の総裁選挙では党員票で圧勝した。総選挙でも、無党派層をがっちり掴んで圧勝したということで、人気があるわけです。ある意味でこの人気というのは高市総理の唯一の財産と言ってもいい。そのためには、やはり人気取りの政策をしていく。


1つは「財政ポピュリズム」です。飲食料品の消費税減税ですが、未だにその財源ははっきりしない。社会保障の財源をどうするのか、これがまた国債を出すということになってくれば、そのバラマキに対して市場が拒否反応を示し、円安になったり、長期金利が上がったりするという構図になっています。


もう1つは「外交ポピュリズム」です。日本人は日米関係が非常に大事だと思ってる人が多いので、トランプ大統領に抱きつくと親密さがアピールされて人気が出る。一方で台湾有事発言は、私は不用意な発言だと思いますが、日本国内の対中強硬勢力や右派からすれば歓迎され、一種のナショナリズムを巻き起こしたということでポピュリズムだと思います。


ところが、ポピュリズムというのはいつまでも続きません。中国は貿易の最大のお得意さんですから、どこかの段階では話し合いをしていかなくてはいけません。トランプ大統領に至っては、「法の支配ではなく力の支配だ」としてICC(国際刑事裁判所)への制裁に踏み切りました。その結果、赤根所長とトランプ大統領の間に立たされた高市総理が板挟みになるという構図が生じています。


高市総理は高い人気をどう使うのか 問われる真価

藤森祥平キャスター:
共同通信の世論調査では、高市内閣の支持率は49.1%で50%を切っている。各社軒並み横ばいから少しずつ下がってきていて、ここからが正念場ですね。


TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
そうだと思います。歴代の内閣でも、人気の高い内閣がその人気を使って政策を実行するということはありました。


例えば橋本龍太郎元総理は、国民にとっては歓迎ではなかったが消費税を3%から5%に上げて、その後の総選挙でも勝ちました。小泉純一郎元総理は、高い人気を利用して郵政の民営化に踏み切りました。これからは、時には国民に嫌われる政策もあるが、高市総理が高い人気を何に使っていくのか、その覚悟が問われることになってくると思います。


========
<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
政治記者歴30年 福島県出身


・10歳若返る?「ジャパニーズウォーキング」…“1日30分”で1万歩歩くよりも効果的 道具いらずで海外で話題【Nスタ解説】
・40代から増加「脳梗塞」の初期症状は?「倒れてからじゃ遅い」早期発見のカギ「BE FAST」とは【ひるおび】
・「インフルにかかる人・かからない人の違いは?」「医師はどう予防?」インフルエンザの疑問を専門家に聞く【ひるおび】


情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

ページの先頭へ