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高市内閣発足から1年で“過去最高”支持率64.9%…背景に「ほかよりマシ」? 消費税減税と給付金は「効果なし4割」の試練【11月JNN世論調査解説】

国内
2026-11-08 06:00

JNNの最新の世論調査(10月31日・11月1日実施)で高市内閣の支持率が前回調査から1.9ポイント上昇し、64.9%だった。


【データCGを見る】11月JNN世論調査解説 消費税減税と給付金は「効果なし4割」の試練


総理就任から1年という節目となる支持率だが、小泉内閣(2001年4月)以降の歴代内閣で、内閣発足直後の支持率と1年後の支持率を比較した場合、高市総理が最も高い支持率を維持していることがわかった。


なぜここまで評価されているのか。


「支持率64.9%」総理就任1年後の支持率が“歴代最高”

10月21日に政権発足から1年が経過した高市内閣だが、依然として高い支持率を維持している。この64.9%が歴代政権と比較してどの程度なのか、2001年の小泉内閣以降で分析したところ、同じく高支持率を維持した第二次安倍政権時よりも高く、歴代最高であることがわかった。


例えば、JNN世論調査で総理就任直後の支持率が80%を超えていたのは小泉内閣、鳩山内閣、高市内閣の3例だが、小泉内閣は2002年1月末当時国民的人気だった田中真紀子外務大臣を更迭して以降、盟友・加藤紘一元幹事長の金銭疑惑など、就任1年後の支持率は低迷(その後北朝鮮への電撃訪問で支持率は急回復する)。鳩山総理は「普天間基地移設問題の迷走」や自身の「政治とカネの問題」などが重なり、1年を待たず、わずか8か月あまりで退陣している。


一方、第二次安倍内閣はスタート直後の支持率は66.9%と“平凡”だったが、1年経過しても62.5%と最も下げ幅(-4.4ポイント)が小さい内閣だった。


“女性”、“無党派層”、“30代”の支持離れが顕著

高市内閣はこの1年で支持率が17.1ポイント下落している。
これを性別、支持政党別、年代別で分析したところ、まず性別では男性より女性のほうが下落幅が大きい(-20ポイント)、支持政党別だと自民党支持層はこの1年でわずか4ポイント減で、自民党支持者の高市内閣支持は依然として高い。


一方で、「支持政党なし」と答えたいわゆる「無党派層」における高市内閣の支持率はこの1年で80%から51%と大きく下落しており、無党派層の支持離れが顕著だった。


さらに年代別で比較したところ、「年齢層が上がるにつれて支持率が下がる」という傾向は、この1年ほぼ同じだった。


その上で下げ幅が最も激しかったのが「30代」と「60歳以上」でともに「-21ポイント」だった。


不祥事もあったが…簗大臣更迭の影響は”ほぼなし”か

高支持率を維持している高市内閣もこの1年、様々な不祥事や疑惑があった。


例えば高市総理自身の問題でいえば、「台湾有事をめぐる国会での発言」(25年11月)、「衆院選当選議員へのカタログギフト配布」(26年2月)など。また閣僚の不祥事では「松本文科大臣の女性問題」(26年3月)、「予算カット発言」などで辞任した簗農水大臣(26年10月)、後任の武部農水大臣にも公職選挙法違反などの疑いが報道されている。


この1年、こうした不祥事や失言、疑惑などは歴代内閣と比較しても少なくなかったわけだが、各々の事案が発生した直後の世論調査と照らし合わせてみたところ、劇的に数字が変化したわけではなかった。


例えば1か月で支持率が急落したのは、就任して間もない25年11月(82.0%)→12月(75.8%)でマイナス6.2ポイント、26年7月(65.9%)→8月(59.2%)でマイナス6.7ポイントだった。


前者は台湾有事をめぐる自身の国会答弁が下落要因かもしれないが、そもそも就任直後の数字が突出して高かったこともあり、就任1か月を経て冷静な見方となったともいえる。
後者は、通常国会最終盤のタイミングで当時は「国旗損壊罪」、「刑事訴訟法改正」、「皇室典範の改正」、「副首都法」などやや国民生活と乖離した法案の審議が続いたことが支持率下落の要因だったと考えられる。とりわけ男系男子を皇族の養子として迎える皇室典範改正について65%が「政府の説明が不十分」と回答していた(26年8月JNN世論調査)。


また10月14日、第2次改造内閣発足で初入閣した簗農水大臣(当時)の更迭については「タイミングが遅い」との批判が野党だけではなく自民党内からも起こった。


にもかかわらず、辞任直後に行われた報道各社の世論調査ではほぼ“横ばい”、更迭からおよそ2週間が経過した今回のJNNの世論調査では内閣支持率は微増で、影響は“ほぼなかった”という見方が政府・与党内では広がっている。


“消極的”支持?支持する理由1位は「他の内閣より良さそう」

では高市総理はなぜここまで支持されているのか。政府・与党を取材すると次のような声が聞こえてきた。


・総理側近議員
小さなことが度々起こってその時は盛り上がるけど、今は消費減税や定数削減のように高市内閣は大きな目標に向かって走っているから評価されているのだろう。


・自民党ベテラン議員
野党がだらしないのもある。野党に助けられて今の支持率があるんだと思いますね。


・維新関係者
なんで支持率が上がるのか、不思議でたまらないよ。まあ、ほかにいないってことなんだろう、自民党内、野党含めてね。


・政府関係者
国民の支持が高い定数削減が要因かもしれない。この国会は消費減税、定数削減と国民の支持を得られる法案を通していくので、むしろこれからさらに上がるかもしれないですね。


複数議員から支持率上昇の要因として声の上がった「衆院議員の定数削減」については、10月29日、自民・維新・国民民主の3党の幹事長が「比例定数31減」などの選挙制度改革案で正式合意した。国民民主が賛成に回ったことで、少数与党の参議院でも可決される公算は大きく、成立にむけ大きく前進した。


この「比例31減」案について「賛成」は62%、「反対」は19%、「答えない・わからない」は19%だった。


今回のJNN調査では高市総理を「支持する」と答えた人には支持する理由を、「支持しない」と答えた人には支持しない理由を聞いた。


すると「支持する」人の「支持する」理由の1位は「他の内閣より良さそうだから」、「支持しない」人の「支持しない」理由の1位は「政策に期待できないから」だった。人柄や政策の支持ではなく、”ほかよりマシ”という消極的な支持が多いことがわかる。


理解は広がらず?消費税減税への賛否は5か月間で“ほぼ変化なし”

今の国会の大きな焦点だった「議員定数削減」は国民民主の賛成方針によりゴールが見えてきたが、依然として不透明なのが「食料品の消費税減税」法案だ。


政府は食料品の消費税を来年4月から2年間限定で8%から1%に引き下げ、残る1%分を給付する「消費税減税・支援金法案」を国会に提出している。


JNN世論調査ではこの方針が示された7月から5か月にわたり、「2年間の食料品の消費税減税」の是非を聞いてきた。その結果、7月調査から11月調査まで「賛成」は51~55%、「反対」は35~42%の範囲で推移していて、あまり大きな変化はない。政府案への賛同、理解が広がっていないことがわかる。


一方の野党側の主張もまとまりを欠いている。


2月の衆院選挙ではチームみらい以外の野党は消費税減税・廃止を主張していたが、政府が「食料品の2年限定の消費税減税」を主張したところ、立憲など円安や物価高の進行を理由に、より効果が望めるとする「給付」案に切り替える党が出てきた。


消費税減税を行わず、現金給付を主張している政党が以下。


【現金給付】
▼立憲民主党は今年度中に住民税非課税世帯を対象に1世帯あたり5万円を給付し、2027年度からの2年間は年収600万円までの人を対象に所得に応じた給付を実施、2029年度からは給付付き税額控除の導入をめざす案
▼公明党は2年間で1人あたり計8万円程度を給付する案
▼民主改革の会は1年間で1人当たり4万円を給付する案
▼チームみらいは年収500万円台までの世帯に最大年6万円を給付し、子ども1人につき年約2万4000円を所得制限なく支給する案


一方、減税と給付のハイブリッドを主張しているのが国民民主党だ。


【減税+現金給付】
▼国民民主党は、2028年度からの住民税減税を柱に、所得税の控除額引き上げや低所得者向けの給付措置を組み合わせた対案を10月20日に国会に提出した。減税開始前の2027年度は給付で対応し、年間5万円程度の負担軽減を目指す。


従来通り、消費税の減税や廃止を求めている以下の政党も2年間限定の政府案では不十分だと反対している。


【消費税減税もしくは廃止】
▼参政党は消費税率を当面「一律5%」へ引き下げインボイス制度を廃止する対案を10月30日に提出
▼共産党は消費税「一律5%」への引き下げを主張
▼いのちの党は「消費税廃止」少なくとも「一律5%減税」を主張
▼社民党は「消費税の廃止」を主張


そして現状、野党で唯一政府の減税案を支持した日本保守党は、消費税減税の期間を2年間に限定しないことや外食も減税の対象とするよう主張している。


効果的なのは「減税」か「現金給付」か?

高市総理は食料品の消費税の1%への引き下げ、ならびに残る1%分の給付(就業者負担軽減支援金)については「家計に少しでもゆとりを生み出す」ための物価高対策だと説明している。


では効果的な物価高対策だと有権者が考えるのは、消費税減税なのか現金給付なのか。今回の調査では全体で、「減税」36%、「現金給付」22%、「どちらも効果的ではない」が40%とわかれた。


こちらも「性別」や「年代別」で分析すると傾向が見えてくる。


「性別」で分析すると「男性」のほうが「減税」が物価高対策として効果的と考える人の割合が高いが、男女ともに「給付」が効果的と答える人の割合が低い。


「年齢別」に分析すると、「18~29歳」、「30代」が「減税」と答える割合が5割を超えていて、年齢層が低いほど「減税」が効果的と考える割合が高い。一方、「60歳以上」だと「減税」の割合が全年代で最も低く26%となっていて、比較的「減税」への抵抗が強いことがわかる。消費税減税の賛否についても同様の傾向で、年齢が上がるにつれて「反対」の割合が高くなる。


またどの年代でも「給付」と答える人の割合が低いのが特徴的で、「40代」が最も低く9%だった。


こうした中、衆議院では6日、政府提出の「消費税減税・支援金法案」は修正されることなく与党の賛成多数で可決、参議院に送られた。


少数与党下の参議院では日本保守党(2人)が賛成に回るとはいえ、過半数に到達せず、安定的に法案を可決させるためには他の野党の協力が欠かせない。参議院審議を通して具体的な法案の修正が図られる見通しで、まさにここからが”本番”といえる。


国民にとって実感が得られる効果的な物価高対策となるのか、高市内閣2年目の大きな関門となる。


TBS報道局政治部 世論調査担当デスク 室井祐作


【11月JNN世論調査の設問と結果は以下の通り】
●高市内閣の支持率は64.9%(先月より1.9ポイント上昇)。不支持率は32.5%(先月より1.4ポイント下落)。


●(支持すると答えた人に)支持する理由について
「高市総理を信頼できるから」15%
「政策に期待できるから」26%
「閣僚の顔ぶれがよいから」2%
「自民党中心の内閣だから」7%
「他の内閣より良さそうだから」39%
「その他」11%


●(支持しないと答えた人に)支持しない理由について
「高市総理を信頼できないから」18%
「政策に期待できないから」31%
「閣僚の顔ぶれがよくないから」13%
「自民党中心の内閣だから」22%
「他の内閣の方が良さそうだから」5%
「その他」11%


●政党支持率は、
自民 32.9%(1.8↓)
維新 3.7%(0.5↑)
国民 3.2%(0.3↑)
立憲 2.1%(0.4↓)
参政 3.6%(0.2↑)
公明 2.1%(0.7↓)
民改 0.7%(0.3↑)
みらい1.4%(0.8↑)
共産 2.0%(0.5↓)
いのち0.5%(0.2↑)
保守 1.0%(0.2↑)
社民 0.4%(0.1↑)
その他0.7%(0.1↑)
支持なし42.7%(1.3↑)


●政府が国会に提出した食料品の消費税を来年4月から2年間1%に引き下げる方針について「賛成」54%(先月と変わらず)、「反対」35%(先月より1ポイント下落)


●物価高対策として効果的だと思うのは「消費税の減税」36%、「現金給付」22%、「どちらも効果的ではない」40%


●自民、維新、国民が合意した衆院における比例定数31議席削減について「賛成」62%、「反対」19%


●企業や自治体などへサイバー攻撃が相次ぎ情報が流出していることについて
「非常に不安を感じる」48%
「ある程度不安を感じる」39%
「あまり不安を感じない」10%
「全く不安を感じない」3%


●相次ぐサイバー攻撃や情報流出へのこれまでの政府の対応や情報発信について
「非常に評価する」5%
「ある程度評価する」34%
「あまり評価しない」42%
「まったく評価しない」16%


●高市総理にいつまで総理を続けてほしいかについて
「できるだけ長く続けて欲しい」46%
「来年9月の自民党総裁任期まで」36%
「早く辞めて欲しい」14% 


【調査方法】
JNNではコンピュータで無作為に数字を組み合わせ、固定電話と携帯電話両方をかけて行う「RDD方式」を採用しています。10月31日(土)、11月1日(日)に全国18歳以上の男女2662人〔固定756人、携帯1906人〕に調査を行い、そのうち38.5%にあたる1024人から有効な回答を得ました。その内訳は固定電話438人、携帯586人でした。インターネットによる調査は、「その分野に関心がある人」が多く回答する傾向があるため、調査結果には偏りが生じます。より「有権者の縮図」に近づけるためにもJNNでは電話による調査を実施しています。無作為に選んだ方々に対し、機械による自動音声で調査を行うのではなく、調査員が直接聞き取りを行っています。固定電話も年齢層が偏らないよう、お住まいの方から乱数で指定させて頂いたお一人を選んで、質問させて頂いています。今後とも世論調査にご理解とご協力のほどよろしくお願いします。


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情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

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