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ロシア戦勝80年記念式典、軍事パレードの規模と“72時間の停戦”の2つの狙い【Nスタ解説】

海外
2025-05-09 19:51

ロシアにとって5月9日は、ナチス・ドイツに勝ったことを祝う記念日ということで、盛大な式典が行われています。しかし、ウクライナ侵攻を続ける中だけに、現場はまさに厳戒態勢が敷かれています。


【写真でみる】「ロシアは和平に前向き」“72時間停戦”の狙いとは


プーチン大統領「これからもナチズムと戦い続ける」

高柳光希キャスター:
5月9日は、対ドイツ戦勝記念日ということで、第二次世界大戦でナチス・ドイツが旧ソ連の降伏文書に調印をした日です。

旧ソ連は約2700万人の犠牲を払い、“偉大な勝利”を成し遂げた日としていて、プーチン政権はこれまでにも盛大に演出をして国民の愛国心を喚起してきました。

軍事パレードは、どのようなスケジュールで行われているのでしょうか。


日本時間の午後4時頃に式典が始まりました。そして、午後4時25分頃から軍事パレードが行われています。

午後4時15分から約10分間、演説が行われていました。

プーチン大統領は演説の中で「ロシアはナチズムを打ち破り自由を勝ち取った。これからもナチズムと戦い続ける」と述べました。


記者:
これはウクライナ侵攻を念頭に置いた発言とみられ、これからも侵攻を続ける姿勢を示した形と言えます。

また、今回ロシアが「特別軍事作戦」と呼ぶウクライナ侵攻に参加した兵士を誇りに思うという発言もありました。会場には、侵攻に参加した兵士1500人以上が出席しているとされ、国民に広く侵攻への支持を呼びかけた形と言えます。


軍事パレード スマホ・GPSの機能停止も

日比麻音子キャスター:
今回は20か国以上の首脳らが出席する予定ということで、かなりの厳戒態勢だと思いますが、会場周辺の様子はいかがですか?

記者:
会場一帯は完全に封鎖されています。モスクワ中心部では通信制限がされていて、屋外に出るとスマートフォンの電波通信が繋がらない状況になっています。また、ドローン対策からかGPSの機能も停止していて、生活に支障が出ているという声も寄せられています。


日比キャスター:
午後4時25分頃から軍事パレードも始まっているということですが、対ドイツ戦勝記念日80年という節目、これまでと違う点はありますか?

記者:
リハーサルが事前に行われていて、そこではドローンが注目されています。今回、ウクライナ侵攻最中のパレードとなっていますが、ロシア・ウクライナ双方がドローンを駆使しています。


ロシアは、国を挙げてこのドローンの開発と量産体制を進めていて、今回のパレードでもそのドローンが注目となります。

もう一つ、侵攻後は航空パレード、いわゆる戦闘機やヘリなどの飛行は行われていなかったのですが、事前のリハーサルでは航空パレードも行われていて、そういった意味では、ウクライナ侵攻後では最大規模になる見通しです。


“72時間の停戦”狙いは?

日比キャスター:
今回の式典の開催に合わせて、ロシアは一方的にウクライナと72時間の一時停戦を発表しました。現状、この停戦は守られているのでしょうか。


記者:
プーチン大統領が一方的に表明した72時間の停戦は、日本時間の8日午前6時から始まっています。ただ、ロシア・ウクライナ双方が互いの停戦違反を主張・非難し合うというような状況が続いています。

プーチン大統領の停戦提案には思惑があったとみられます。


まず、停戦を提案することで和平仲介を進めるトランプ氏に対して、「ロシアは和平に“前向き”」ということを示す狙いがあると思います。


もう一つは、ウクライナ側が停戦違反をしていると強調することで、「ウクライナは“和平に後ろ向き”」という論調を作る狙いがあるとみられます。


日比キャスター:
国際社会にプーチン大統領は停戦をしているというポーズをとったことによって、多くの共感を得たいという狙いもあるのでしょうか?

記者:
停戦を巡る動きは、まさに情報戦のような側面があります。

ロシアが72時間停戦を表明した一方で、ウクライナのゼレンスキー大統領はトランプ大統領と電話会談を行いました。30日間の完全停戦をウクライナ側も必要だという主張をし、和平に前向きなんだという情報戦の様相となっています。


日比キャスター:
かなりの厳戒態勢が敷かれているという状況が伝わってきましたが、海外のメディアに対しての規制やルールなどは現状ありますか?

記者:
今回のパレードに関して、日本は非友好国とされていましたが、取材許可はおりました。ただ、いわゆる赤の広場の会場に入るメディアは、ある程度限られているということで、現地のカメラマンは入ることはできませんでした。

侵攻後、海外メディアの報道に対しては、非常に神経をとがらせている状況が続いています。


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