中居正広氏と女性のトラブルをめぐる一連の問題を受けて、フジテレビの第三者委員会が調査報告書を公表。「女性に対し、中居氏による性暴力があった」と認定しました。(3月31日「Nスタ」午後5時半すぎの放送より)
【写真でみる】「これって上納ですよね」フジ第三者委による調査の裏側 アナウンサーは全員聴取の対象に…
「中居氏サイドに立ち、中居氏の利益のために動いた」第三者委員会の報告書
井上貴博キャスター:
中居氏をめぐるトラブルに、フジテレビの関与はあったのでしょうか。
報告書のポイントをいくつかにまとめて紹介します。
【フジテレビ経営陣の対応について】
「フジテレビの対応は、経営判断の体をなしていない。港社長ら3人は性暴力への理解を欠き、被害者救済の視点が乏しかった」
【フジテレビの対応について】
▼中居氏の依頼を受けたフジテレビの幹部が中居氏サイドに立ち、中居氏の利益のために動いた
▼中居氏のために、バラエティ部門の弁護士を紹介
→女性アナウンサーに対する二次加害行為に当たり得る
【類似案件について】
社員、アナウンサーらが取引先との会合において、性別・年齢・容姿などに着目され、取引先との良好な関係を築くために利用されていた実態はあったというべき
→「全社的にハラスメント被害が蔓延していた」と評価できる
【フジテレビ経営陣の責任について】
▼セクハラを中心とするハラスメントに寛容な企業体質は日枝氏だけでなく、当社の役職員全員の日々の行動から形成されたものであると分析
▼日枝氏のみならず取締役会メンバー全員に経営責任が認められる
【中居氏のトラブルについて】
▼女性アナウンサーが中居氏によって性暴力による被害を受けたものと認定
▼重大な人権侵害が発生した
▼本事案はフジテレビの業務の延長線上における性暴力であったと認定
【フジテレビ社員の関与について】
▼中居氏が女性アナウンサーを会合に誘った行為に、フジの社員が関与した事実は認められず
▼女性アナウンサーもフジ社員らもフジテレビの業務として参加したと評価できる
報告書は「かなり踏み込んだ印象」どうなる今後のフジテレビ
井上キャスター:
会見を聞いていると、かなり細かくヒアリングしている印象を受けます。
馬渕磨理子 経済アナリスト:
会見を聞く限り、中居氏、女性、社員、退職社員にもヒアリングしていて、かなり踏み込んだ調査ができていたように思います。
そもそも社内でハラスメントに寛容な企業姿勢で、それが外部のハラスメントに繋がったという企業風土の本質的なところにも踏み込んだメッセージになっていると思いました。
出水麻衣キャスター:
社内のセクハラに寛容だったからこそ、取引先へのセクハラに繋がってしまったという言及もありました。
今回、デジタルデータまで調べたということですから、フジテレビが社運をかけて、きちんと調査をしたという印象を受けました。
井上キャスター:
組織として、どう変えていけると思いますか?
スーパー「アキダイ」秋葉弘道社長:
「経営陣が変われば大丈夫」ではなく、働いている社員全員が働きやすい環境を作っていくことが大切です。
本来、テレビは視聴者が見ていて楽しめるものだと思います。楽しいものを提供する側で働く人が苦しい環境では、(楽しい放送をするのは)難しいと思いますし、そもそも変えなくてはいけないことは、たくさんあるのだろうと思います。
井上キャスター:
個人的に驚いたのが、アナウンサーが脆弱的な立場に置かれていたということです。
権力の格差がある中で、その会合に出席するしかないような状況が作られていた。「組織的」ということが認定されているので、今後、どう対応していくのか注目です。
経済アナリスト 馬渕さん:
コンプライアンス体制に問題があったということですね。
今回の第三者委員会の報告や世論を踏まえて、6月の株主総会で、今回の経営刷新はどうだったのか評価されるのだと思います。
井上キャスター:
スポンサーが戻るのかも気になります。
出水キャスター:
フジテレビ本社はもちろん、これから業界に携わる若者のためにも、「企業を立て直していく」という気概を見せてほしいと思います。
==========
<プロフィール>
馬渕磨理子さん
経済アナリスト
日本金融経済研究所代表理事
“日本一バズる”アナリスト
様々なお金の話をわかりやすく解説
秋葉弘道さん
23歳でスーパー「アキダイ」創業 青果のプロ
年間テレビ出演本数300回超
・スマホのバッテリーを長持ちさせるコツは?意外と知らない“スマホ充電の落とし穴”を専門家が解説【ひるおび】
・「パクされて自撮りを…」少年が初めて明かした「子どもキャンプの性被害」 審議進む日本版DBS “性暴力は許さない”姿勢や対策“見える化”し共有を【news23】
・「誰も死なないという選択肢は考えられない」幼少期の虐待・ネグレクトの末たどり着いた両親の殺害 15歳の少年が逃れたかった「恐怖と束縛」