
今回、令和のコメ騒動で見えてきたのはコメの不足だけでなく、いまだ続く減反政策など、農政が抱える問題点でした。小泉大臣の答弁は…。
【写真で見る】「合ってた!」古古古米と新しいコメの食べ比べに正解した小泉大臣
コメ高騰で追及される小泉大臣 減反廃止・JA改革は?
国会で問われたのは、⻑い目で見たコメ政策。古い備蓄米が格安で出回る一方で、コメ全体の価格は落ち着くのか。
立憲民主党 野田佳彦 代表
「バナナのたたき売りじゃないんで、気合いは分かるんですけども、それが適正価格かどうか」
日本維新の会 前原誠司 共同代表
「4200円のもの(銘柄米)が落ち着きますか、本当に」
小泉進次郎 農水大臣
「適正なコストとは何なのか。何ができるかは、検討材料のひとつであることは間違いない」
今後のコメ価格については、明言を避ける小泉農水大臣。
小泉進次郎 農水大臣
「消費者の皆さんも含めて議論できる、そんな環境を作る上で、まず今は下げていかなければいけない」
では、どうやってコメの価格を下げるのか。
小泉進次郎 農水大臣
「(コメは)今よりも増やしていきたいと。そういった方向性である」
打ち出したのは、コメの増産。⻑年、農政のタブーともされてきた実質的な減反の廃止です。
しかしこれに対し、生産調整による価格の維持を重視してきたJAからは、さっそくこんな声が聞かれました。
JA福井県五連 宮田幸一 会⻑(5月28日の会見より)
「生産調整(減反)は需給バランスをとるという意味合いでは間違っていなかった。一気に(コメの)生産量を増やすことには懸念が残る」
かつて自⺠党の農林部会長を務めたときには、JAの組織改革を訴えていた小泉氏。
自民党 小泉進次郎 農林部会長(2016年当時)
「農家って農協(JA)職員を食わせるために農業やってんですか?それは違うじゃないですか」
このときは結局、JA側の強い反発を受け、目立った成果を挙げられませんでした。今回は、どうJAと対峙するのでしょうか。
「思いは同じ」 小泉大臣とJAトップが会談
⻑年のタブーでもあったコメの増産を主張する小泉大臣。ただ、生産調整を重視するJAとどう向き合うのかが問われています。
立憲民主党 羽田次郎 議員
「当時(2016年)の小泉部会長は、補助金漬け農政との決別とか、農協改革を掲げていたと承知をしている。現在、農協(JA)という組織をどう捉えられているのか、ご所見をうかがいます」
小泉進次郎 農水大臣
「これはどこの組織でもそうですが、課題があることも事実。収益を農家の皆さんにお届けをする。これが私はあるべき姿だと思います」
5月29日には、JAのトップとも会談。カメラの前に並んで立ちました。
小泉進次郎 農水大臣
「消費者のコメ離れを防ぐ。この思いは同じだということで」
JA全中 山野徹 会長
「我々も全く同じ考えでございますので、一体となって取り組むべきだと思っております」
かつては鋭く対立したJAとも、まずは無難な対応。
ただ、コメの増産に伴う、避けて通れない課題も突きつけられています。価格が下がりすぎたときに、農家をどう守るか。野党からは…
立憲民主党 野田佳彦 代表
「国内需要を超えて生産をすると、米価が生産コストを割り込む懸念が出てくる。(コメ農家に)交付金を交付する直接支払い制度を導入したらどうか」
コメの価格が下がりすぎた場合には、直接、交付金で補償すればよいという提案ですが…
小泉進次郎 農水大臣
「方向性として私は、意欲ある方にお米を作っていただきたい。ですので今後の方向性の中では、作るなっていうことではなくて、需要に応じた生産を…」
コメ農家への補償制度については言及を避ける小泉大臣。消費者と農家の双方が納得する、コメ行政への道筋は描けるのでしょうか。
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