兵庫県知事に再選した斎藤元彦知事。SNSを使った選挙戦が勝因の一つとされていますが、県内にあるPR会社のコラムがいま、問題となっています。公職選挙法違反の疑いもあるということですが、この指摘について斎藤知事が取材に応じました。
喜入友浩キャスター
「兵庫県の斎藤知事です。これから全国知事会に参加します。都内の会場に入っていきます」
25日、東京で行われた全国知事会に出席した兵庫県の斎藤元彦知事。
喜入友浩キャスター
「挨拶に立ち上がって応じています。しっかりと両手で握手をして、丁寧に礼をしました」
笑顔で応じる知事とは対照的に斎藤知事の表情は少し…硬めです。
会議後、記者の取材に応じた斎藤知事は。
兵庫県 斎藤元彦 知事
「今回の件、公職選挙法違反になることはないと認識している」
新たに浮かび上がった“公職選挙法違反”の疑惑。
ことの発端は、兵庫県内にあるPR会社の社長がネット上に公開したコラムでした。
PR会社社長のコラム
「今回広報全般を任せていただいていた立場として、まとめを残しておきたいと思います」
PR会社社長のコラム
「私が監修者として運用戦略立案、アカウントの立ち上げ、プロフィール作成、コンテンツ企画(などを)責任を持って行い、信頼できる少数精鋭のチームで協力しながら運用していました」
自らを選挙戦における広報の「監修者」だとした社長。
PR会社社長のコラム
「(写真を)右斜め上に向かわせることで、今回の選挙戦を突破し、斎藤さんの率いる改革が進み、兵庫が躍動していく様子を表しています」
勝敗の明暗を分けたといわれるSNSについては。
PR会社社長のコラム
「『#さいとう元彦がんばれ』ではなく、あえて『知事』を入れることで、『さいとうさん=知事』という視覚的な印象づけを狙いました」
公式アカウント公開の翌日におよそ2万件の投稿があり、「トレンド入りした」と成果も報告。
そして選挙戦をこう総括します。
PR会社社長のコラム
「私の率直な感想は、『選挙は広報の総合格闘技』であるということです」
ところが、こうした行為が「公職選挙法に抵触しているのでは?」と指摘されているのです。
総務省は、SNSの運用を含む選挙運動の企画立案を「主体的」に行う企業に報酬を支払った場合、公職選挙法が禁じる買収に当たる可能性があるとしています。
斎藤知事の説明は。
兵庫県 斎藤元彦 知事
「今回は知人を介して、支援者を通じて紹介していただいた。私としては、あくまでポスターの制作について主体的に考えていく中でポスターの制作を依頼した」
その上で。
兵庫県 斎藤元彦 知事
「制作費として70万円ほど支払っています」
斎藤知事の代理人弁護士によれば、ポスターデザイン制作費など5つの名目で70万円あまりをPR会社に支払ったということです。
一方で。
兵庫県 斎藤元彦 知事
【SNS運用について】
「SNSなどの考え方について意見を伺いましたけれども、あくまで斎藤、そして斎藤事務所が主体的にやっていた。(社長は)ボランティアとして個人で参加されたと認識している」
選挙中には斎藤知事にスマホを向けるPR会社の社長とみられる女性の姿がたびたび確認されていました。
コラムには。
PR会社社長のコラム
「私のキャパシティとしても、期間中、全神経を研ぎ澄ましながら管理・監修できるアカウント数はこの4つが限界でした」
「選挙カーの上から臨場感を届けるためのライブ配信中」の説明書きがされた写真も載せられていました。
そして、コラムの最後には。
PR会社社長のコラム
「そのような仕事を東京の大手代理店ではなく、兵庫県にある会社が手掛けたということもアピールしておきたいです」
斎藤知事の選挙運動に違法性はなかったのでしょうか。
行政書士で選挙プランナーの戸川氏は…
行政書士・選挙プランナー 戸川大冊氏
「(SNS戦略でPR会社が)お金をもらっていれば、公職選挙法の運動員買収になります。(PR会社側は)仕事としてやったんだということを書いたりしていて、ボランティアでやっていたというのは考えられにくいと。あくまでもビジネスとしてやっていたということになるでしょうし」
今後については…
行政書士・選挙プランナー 戸川大冊氏
「捜査機関が捜査をするというふうになるかなと思います。PR会社の方が重要な位置づけなのであれば、斎藤知事の公民権が停止されるということも想定される」
弁護士の若狭氏によると、仮に斎藤知事の公民権が停止された場合、失職し、再び知事選が行われるといいます。
斎藤知事は。
兵庫県 斎藤元彦 知事
「(Q.無償で相談に乗ってもらうというのは考えにくいのでは)面会したことは事実です。あくまで斎藤元彦のSNS関係についてはボランティアの方々で運営していたと」
一方、コラムを投稿したPR会社の社長はこれまでのところ取材に応じていません。
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