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長引く咳やたん…「肺NTM症」かも? 浴室や台所の“ぬめり”要因に 最悪の場合は死に至るケースも【Nスタ解説】

総合
2024-12-20 22:17

「肺NTM症」という病気を知っているでしょうか。長引く咳やたん、もしかしたらそれは「肺NTM症」かもしれません。主な感染経路は、浴室のシャワーヘッドや台所の流し。ぬめりに生息する菌を吸い込むことで、感染する可能性があるといいます。


【写真を見る】「肺NTM症」はどんな病気? 深刻な場合、死に至るケースも…


長引く咳やたん…それ「肺NTM症」かも?

この時期、注意が必要な「感染症」。厚生労働省によると、12月15日までの一週間に報告されたインフルエンザの患者数は9万4259人と8週連続で増加。


また、新型コロナの患者数も3週連続の増加となりました。


そんな「感染症」の症状で多く見られるのが「咳」ですが、長引くようならその症状、カゼやインフルエンザではない可能性があるのです。


「肺NTM症」という病気、知っていますか?

街の人
「聞いたことない、字も想像つかないです」
「聞いたことがないので、自分も気を付けなければと怖いです」


聞き慣れない「肺NTM症」。一体、どんな病気なのでしょうか。治療にあたっている医師に話を聞きました。


慶應義塾大学病院 感染制御部 南宮湖 医学博士
「(感染の原因は)非結核性抗酸菌という結核ではない抗酸菌になる。一方で(肺NTM症は)インフルエンザとコロナと違って慢性の経過になります。そのため咳や痰というのがずっと続くというのが大きな違い」


「非結核性抗酸菌」=NTMという菌に感染することで発症する「肺NTM症」。長引く咳や血痰、体重が減るなど、その症状は結核に似ているといいます。さらに…


慶應義塾大学病院 感染制御部 南宮湖 医学博士
「(Q.どのくらいのスピードで患者が増えているんでしょうか?)医療機関を対象に全国調査を行ったのですが、10年前に比べてさらに増加していることは間違いない」


患者数は最新の調査で人口10万人あたり19.2人と推定。2007年の調査から約3.4倍に上ります。


深刻な場合、死に至る…どんな場所・どんな人が感染しやすい?

深刻な場合、死に至るケースもあるという「肺NTM症」。どんな場所、どんな人が感染しやすいのでしょうか?


慶應義塾大学病院 感染制御部 南宮湖 医学博士
「お風呂場とか水道、あとは土壌、そういったところに常在する菌。7割程度ですね、中高年女性かなというのがあります。特に中高年のやせ型の女性にかかりやすい」


1か月以上の長引く咳などの症状が特徴の「肺NTM症」。感染の原因となる菌は、水回りなど身近なところに潜んでいるといいます。


30年にわたり病気を研究している医師は、特に風呂場に注意と警鐘を鳴らします。


長野県立信州医療センター 山﨑善隆 副院長
「日本国内での報告はほとんどが浴室での感染と言われていて、シャワーヘッドとかあるいは給湯口のぬめりの中に膜をつくって定着してしまう特徴があるので、お風呂の環境が(菌が)定着しやすい状態だと考えられている」


菌が繁殖しやすいという風呂場。シャワーヘッドなどを掃除することで、感染のリスクを減らすことが出来るといいます。


では、もし感染してしまったらどうしたらいいのでしょうか?


長野県立信州医療センター 山﨑善隆 副院長
「まずはかかりつけの先生に相談や、内科あるいは呼吸器内科。早めに受診して頂いて悪化している場合には、抗生物質を1年半から2年間行うことをおすすめしたい」


“ぬめり”に潜む…お風呂や庭での感染対策は?

高柳光希キャスター:
「NTM」という菌は主に水回りや土壌などに生息しています。


日本で一番多い場所とされているのが浴室です。浴槽や給湯口、シャワーヘッド、また、台所や洗面所のシンクなどにも潜んでいます。しぶきやミストなどを吸い込むことで感染するリスクがあるということです。


そして、庭などの土壌では、家庭菜園やガーデニングなどで、砂ぼこりなどを吸い込むことで感染するリスクがあります。


どのように対策すれば良いのでしょうか。


お風呂では、▼追い炊きを避けることや、▼浴槽・給湯口を掃除してしっかりとぬめりを取る。▼シャワーヘッドは週に1~2回程度、スポンジやブラシなどで掃除をすると良いそうです。


家庭菜園やガーデニングでは、▼マスクを着用することで、菌を吸い込むリスクを減らすことができるといいます。


体重減少も注意 筋力を維持も重要

体重減少という症状もあり、信州医療センターの山﨑善隆副院長によると、「“呼吸筋”が衰え、十分な咳払いができず、外から入った菌を体外に排出しにくくなる」ということです。


カロリーやタンパク質を多く摂取して体重を維持することや、ストレッチや筋トレ、ウォーキングなどで筋力を維持・アップさせることも重要です。


ただ、20代~30代の若者の感染は少ないということなので、水回りの掃除などは若者が取り組むというのも対処の一つになるかもしれません。


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