構想15年‼ペネロペ・クルスとハビエル・バルデムの夫婦共演が話題のスリリングな誘拐事件/映画『誰もがそれを知っている』(6月1日公開)
2019-05-31 12:33:11
実生活で夫婦のペネロペ・クルスとハビエル・バルデムの2人が共演し、早くも話題になっている映画『誰もがそれを知っている』が明日6月1日から公開。
夫婦共演な上、本作ではイランの名匠アスガー・ファルハディが2人を想定し、脚本を当て書き。アスガー・ファルハディ監督と言えば、『別離』ではベルリン映画祭で金熊賞(最高賞)受賞。『別離』と『セールスマン』でアカデミー賞外国語映画賞を2度も受賞。『ある過去の行方』で、カンヌ国際映画祭で主演女優賞をもたらす等、国際映画祭でも高評価。世界が認めるイランの名匠。本作は、構想15年の祈願の作品であります。監督が本作のアイディアを思いついたのはスペイン旅行中、行方不明の子供の写真を見た事。その為、初めてのオール・スペインロケにもチャレンジ。2018年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門にも出品済み。とは言え本作では、ペネロペ・クルス&ハビエル・バルデムは夫婦役ではありません。まぁ、それがスリリングでミステリーな本作のミソなんですけど。
舞台はスペインの田舎町
結婚式で集まる一族。もはや、お祭り騒ぎのパーティーが夜まで続きます。そんな中、ペネロペ演じるヒロインの娘の姿が見えない事に気づきます。ベッドの上には切り抜かれた過去の誘拐事件の新聞記事。携帯には「娘は誘拐した。警察に言うな」という身代金要求メッセージが。
そこで登場するのが、ペネロペの幼馴染みで元恋人のハビエル・バルデム。警察に通報するか否かで揉め始める一族。さらに娘は喘息の薬を持っていないというタイムリミット設定で緊張感はマックス。
テンポ良くどんどん最悪な方向へ
夫婦ケンカの勃発。残されていた新聞記事の誘拐事件を調べてると、その時は誘拐された少女が殺されていると発覚。もう事態はテンポ良くどんどん最悪な方向へ急転直下。追い詰められ感がハンパないです。
元警官である知人のアドバイス通り、ハビエルは身代金の確保を装い、自分の農場を売るという噂を流すんです。その事が、一族と彼の関係や農場を手に入れるまでの真実、また彼がどのように育ってきたのか等、徐々にバックボーンが明らかになっていく脚本が上手いんです。誘拐事件をキッカケに、一族の秘密が明らかに。ただでさえ緊張感マックスなのに、一族の関係性もどんどん崩壊。もう目が離せない展開に。
果たして、こんな状況の中で娘は無事に戻ってくるのか?! 犯人の正体は誰なのか?! 緊張感たっぷりの一級のサスペンス・ミステリーに仕上がっています。
ペネロペの“幸薄なヒロイン感”
歳をとっても目鼻立ちのハッキリした美人顔のペネロペ・クルス。そんなペネロペが本作のような役を演じると“幸薄なヒロイン感”を増して感じます。一方のハビエルもミステリアスな佇まいで本作の雰囲気とマッチ。アスガー・ファルハディ監督が2人に当て書きしたのも納得の仕上がり。
さらに、スペインのベテラン撮影監督であるホセ・ルイス・アルカイネの手持ち撮影を多用したリアルでいて、安定した画作りが素晴らしいです。
仕事帰りに、現実を忘れて没頭できる一本です。映画『誰もがそれを知っている』は明日6月1日より全国順次公開です。
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Fujisan.co.jpより
(C)2018 MEMENTO FILMS PRODUCTION - MORENA FILMS SL - LUCKY RED - FRANCE 3 CINEMA - UNTITLED FILMS A.I.E.
映画『誰もがそれを知っている』
監督・脚本:アスガー・ファルハディ『彼女が消えた浜辺』『別離』『セールスマン』
出演:ハビエル・バルデム、ペネロペ・クルス、リカルド・ダリン
2018 年/スペイン・フランス・イタリア/スペイン語/133 分/アメリカンビスタ/カラー/5.1ch
英題:EVERYBODY KNOWS/日本語字幕:原田りえ
提供:バップ、ロングライド
配給:ロングライド
公式サイト:longride.jp/everybodyknows/
情報提供元: マガジンサミット