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【新作映画レビュー】なぜ天才たちは天才になれたのか? 107人の天才たちのクリエイティブな理由に直撃取材!!/映画『天才たちの頭の中 〜世界を面白くする107のヒント〜』

2019-10-03 17:00:26

「あなたは何故、クリエイティブ?」というシンプルだけど深い質問。そんなキャッチーなクエスチョンだけを各業界で活躍する著名人たちに投げ掛けていく映画『天才たちの頭の中 〜世界を面白くする107のヒント〜』

107人もの著名人たちが「自分のクリエイティブ活動ってのはな……」と語っていく訳です。その中で、常人とはかけ離れた価値観や仕事への姿勢などがポロポロと垣間見えてくる傑作ドキュメンタリーなんです。

 

30年掛けて撮り溜められたインタビューの数々!!

登場する面々は、ビョーク、マンデラやダライ・ラマ、ビル・ゲイツ、ゴルバチョフ、父ブッシュ、ヴィヴィアン・ウエストウッド、ペレ、クイーシー・ジョーンズ、山本耀司、オノ・ヨーコ、リード・ヘイスティングス(Netflixの創業者)。映画界からは、タランティーノやアルモドバル、ジャームッシュ、アンジェリーナ・ジョリー、リンチ、ジョン・クリード、ジャン・レノ、ヘルツォーク、スパイク・リー、ウィレム・テフォー、サミュエル・L・ジャクソンなどなど……豪華以上に貴重な107人!!

それらのインタビュー取材を、ちゃんと取材申請するだけでなく、カンヌ国際映画祭へ集まる報道陣に紛れて、しれっと掴まえて聞いちゃってる所に本作の凄みがあります。とにかく、しつこいんです。取材イベントなどの会場への移動のタイミングに突撃インタビュー。それが無理なら終わるのをただひたすら出待ち。それ故に、シチュエーションや背景は様々。それでも、その人の味が出てて、マッチして見えるのが楽しいです。

奇妙な行動を連発する天才たち!! そもそも、「あなたのクリエイティブとは何ぞや?」というストレートな質問は、ただでさえ解釈が別れがち。その質問に答える事で自作への原体験や創作の中心を語る事にも発展。その上、相手は天才たち。一言も喋らず、紙に一言だけ書くショーン・ペン。バゼリッツは逆さまで語り合おうと提案。デビット・ボウイはインタビュアーを自分の後ろ側に配置。窓の外を見ながら質問させる安定の奇行っぷり。プッシー・ライオネットは紙に書かれた質問を一本線で斜線。サインを頼まれれば、もう一本、斜線を引く。そんなリアクションの数々を観ているだけでも面白いんです。

 

コミカルな編集&構成!!

質問の答えも多種多様。「クリエイティブは自分を表現できて、楽しい」という人から「やむ終えない」「病気だから」「Mだから」とこれまた様々。一見、単調になりそうな構成を“編集の妙”でコミカルさを前面プッシュ。「撮影中は勃起している」という誤解を恐れないアラーキー(荒木経惟)。そのすぐ後に、「性欲とアイディアは結びつかない」と切り捨てる北野武のインタビューを挿入。続いて登場のラース・メイヤー監督は「私生活で興味あるものは?」と聞かれ、「おっぱい」と即答。また、ダライ・ラマの哲学的な返答に頭を抱え、ならばと世界一の頭脳ことホーキング博士の元へという展開にも思わず笑ってしまいます。これだけの豪華な面子のインタビューを一本の作品で観れる機会もレアですが、彼らの仕事や価値観への考え方がとにかく刺激的!! もしかしたら、人生の大きなヒントがもらえそう。

映画『天才たちの頭の中 世界を面白くする107のヒント』は10月12日より新宿武蔵野館ほか全国順々公開となります。

NHKガッテン! 健康プレミアム・プラス vol.16 (2019年05月31日発売)
Fujisan.co.jpより

『天才たちの頭の中 〜世界を面白くする107のヒント〜』 

原題:Why Are We Creative?

2018年/ドイツ/英語・ドイツ語・フランス語・ロシア語・日本語/88分/ビスタ/5.1ch/日本語字幕:杉山緑/R15+

提供:ニューセレクト/配給:アルバトロス・フィルム

Copyright (c) 2018 Emotional Network

10月12日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー

情報提供元: マガジンサミット

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