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「トイレ行きたい…」 近い人は何が違うの?

2016-09-26 12:00:53


執筆:井上 愛子(保健師)
監修:坂本 忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ)
トイレの頻度は個人によって、また、季節や体調によっても変わります。それでも、ドライブの時は途中にトイレがあるか気になったり、夜トイレが近く眠りが浅かったりと、排尿に関わる悩みは多くの人が感じている身近な問題でしょう。
トイレが近い人、遠い人、なぜこのような違いがあるのか、みていきましょう。

トイレが近い原因は男女によって違いも


まず、トイレが近い原因として男女ともに考えられるのは、膀胱が過剰に働く「過活動膀胱」になっていることです。膀胱は個人差がありますが250~600ml程度尿を溜めることができ、容量の半分ほど溜まると尿意を感じるといわれています。
しかし、過活動膀胱になると、排尿筋が収縮して尿を少量しか溜められなくなるため、頻尿になります。
また、男性に特有の原因としては前立腺肥大があります。60歳の男性2人に1人が認められる前立腺肥大は、尿の通り道である尿道を圧迫し、尿が出にくい状態になるため、頻尿や残尿感などの症状に悩まされることになります。
一方、女性の場合は、骨盤底筋のゆるみが原因の一つとなります。骨盤底筋は膀胱や尿道、子宮を支える筋肉で、尿道口をギュッと締めて尿漏れを防ぐ働きをしています。しかし、妊娠や出産、筋肉の衰えなどにより骨盤底筋がゆるむと、尿意を我慢できなくなったり、お腹に力を入れると尿漏れになったりしてしまうのです。
また、尿道の長さが女性4㎝で、男性(8㎝)と比較すると尿道が短いので、これも尿漏れの原因になります。
トイレが近いということはこのようないくつかの原因が重なっていることもあります。

気温や生活習慣も大きく影響


冬場はトイレが近い人もいるでしょう。
その原因は、寒くなると汗が減り、体内に水分が溜まりやすくなるため、寒さによって尿を出そうとする交感神経の働きが強くなるため、などと考えられています。
また、習慣的に水分を多く摂る人は、その分排尿量が増えやすくなります。コーヒーや紅茶、お茶など、利尿作用のあるカフェインを多く含む飲み物は特に、摂りすぎに注意が必要です。
また、アルコールも利尿作用があり、加えて、尿の再吸収を促すホルモンの作用を阻害する作用があるため、お酒を飲むとトイレが近くなります。このような気温変化への身体の反応や生活習慣の違いも、トイレの頻度に関わります。

トイレを無理に我慢するのは禁物


一日の排尿回数が少ないことは問題ではありませんが、尿意を感じないので全然トイレに行かない、仕事中タイミングがないからトイレを我慢している、という場合は注意が必要です。
尿には身体の老廃物を外に出すという重要な役割があり、量が多すぎたり少なすぎたりする場合は、その背景に腎臓の病気が隠れていることもあります。また、無理に我慢をしていると腎臓や膀胱に負担をかけ、尿路感染症にかかるリスクも高まります。
尿の量や回数は身体の状態を知るバロメーターにもなりますので、適切に水分を摂って、健康なサイクルを守りましょう。
トイレが近い、遠い、といった悩みがある場合は自己判断で軽視せず、早めに医療機関へ相談しましょう。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社とらうべ社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン

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情報提供元: mocosuku

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