デートや商談、顔の汗をおさえる方法
2016-10-06 18:30:28
執筆:井上 愛子(保健師、看護師)
デートや商談など、「大切な場面に限って、緊張すると額など顔から汗がでて困る」という人は少なくありません。
顔の汗を気にせず、安心して過ごす方法はないものか調べてみました。
なぜ顔に汗をかくのか
そもそも汗は、身体の体温を調節するために必要なものです。汗を分泌する汗腺は全身にあり、汗を出すことで熱を逃がしています。
しかし、運動不足であったり、常にエアコンの効いた部屋で過ごしているなど、汗を分泌する機会が少ないと、腕や下半身など冷えやすい部分の汗腺は休眠状態に入ってしまうことがあります。
すると身体が、いざ汗を出そうと思ったときに、顔など動きの多い部分から出る汗が増え、顔ばかりに汗をかく原因となってしまうのです。
日頃運動の機会が少なかったり、汗をあまりかかない人は、まず生活習慣を見直すことから始めましょう。
特に更年期の女性の場合、ホルモンバランスが乱れることにより、体温調整をつかさどる自律神経のバランスも乱れ、火照ったり、顔に汗をかきやすくなることがあります。また年齢・性別にかかわらず肥満傾向にあると、全身にため込んでいる脂肪が体内の熱の放出を妨げ、汗をかきやすくなる、とも言われています。
ほかにも、あまりに顔の汗がひどい場合は「顔面多汗症」という病気の疑いもあります。まずは自分が顔に汗をかきやすい原因を考え、気になる場合には病院を受診してみることも一つの方法です。
このように、顔に汗をかく原因はいくつかありますが、「大事な場面で汗を止めたい!」という方のために、次からはすぐに取り入れられる顔の汗対策を順にみていきましょう。
顔の汗対策1: 首の後ろを冷やす
まず行いやすいのは、体温調節を助けるために、身体の太い血管を冷やすことです。
顔の汗が気になる場合は、首の後ろを冷やすようにすると、頭や顔へ血液を送る血管が冷え、温度を下げることで、汗を抑えることができます。
アイスノンや冷えたペットボトル、ハンカチを濡らすなどして首にあてると効果的です。
顔の汗対策2: 脇を圧迫する
「皮膚圧反射、半側発汗」を利用する、という方法もあります。
ヒトの身体は、仰向けで寝ていると背中が圧迫されるため、胸の方で汗をかいたり、上半身を圧迫すると、下半身で汗をかいたりする、という反応をします。
舞妓さんは胸のあたりを圧迫することで、上半身、とくに顔の汗を抑えていて、この方法を利用して脇を圧迫すると顔の汗を止めることができます。
ただし、これは一時的な方法で、下半身に汗が集中してしまうこともあるため、どうしても顔の汗を抑えたいときに行ってみてください。
顔の汗対策3: 食べ物や飲み物に気をつける
そのほか、食事や飲み物も汗に影響します。辛いものを食べて汗をかく、ということは多くの人が経験していると思いますが、アルコールも飲み始めは血流が良くなり、汗をかきやすくなります。
身体に悪いものではありませんが、汗をかきたくない場面では控えるようにしましょう。
一方、納豆や豆腐など大豆イソフラボンを多く含むものは、汗を抑える効果がある、といわれています。制汗作用以外にも身体によい効果があるため、日頃から意識してとることがおすすめです。
汗は体温調節の働きが主ですが、恥ずかしかったり、緊張する場面で出る「精神性発汗」もあります。また、「いつも顔に汗をかくから」と身構えたり、汗をかいたことで余計に焦ってしまうと、さらに汗の量が増えてしまうこともあります。
深呼吸をしたり、自分なりの方法で気を紛らわすなど、リラックスを心がけ、顔の汗対策を取り入れていきましょう。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社とらうべ社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
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情報提供元: mocosuku