デジカメ豆知識「手ブレ補正の仕組み~光学式と電子式があるけどどっちがいいの?」
2016-10-17 10:00:00
写真は一期一会、同じシーンを繰り返して撮影することはできません。その一瞬は、とらえることができなかったら、二度と同じ場面に出会うことはできません。
そう思えば思うほど、緊張してしまい、慌ててカメラを構えてシャッターを押したら、カメラが動いてしまい、被写体がぶれてしまう。これ手ブレです。
手ブレ写真を完全になくすことはできませんが、しっかりとカメラをホールドしたり、三脚などに固定したりすることで、手ブレは防ぐことができます。
これとは逆に、撮影対象が素早く動いてしまい、カメラは固定しているのにブレた写真が撮れてしまうことがあります。これを、被写体ブレと言います。
「手ブレ」も「被写体ブレ」も軽度のブレならレタッチソフトで修正することも可能です。 現在のところ被写体ブレを防ぐ方法は高速なシャッターを切るくらいしか方法はありませんが、カメラ側が動いてしまう手ブレは、カメラに搭載する手ブレ補正機能により改善することができます。
今回は、この手ブレ補正機能について、その仕組みを簡単に紹介したいと思います。
光学式手ブレ補正には、数種類の方式がある
手ブレ補正の仕組みとしては、光学式というのが多くのカメラメーカーが採用しており、一般的と言えます。この光学式には数種類が存在します。
ひとつはレンズに入ってくる光をブレないようにレンズを動かして受光するレンズシフト式、もうひとつは光を受けるイメージセンサーを動かして、ブレのないように画像を結ぶイメージセンサーシフト式です。
いずれも、振動ジャイロセンサーを搭載しており、入ってきた力を打ち消すようにレンズやイメージセンサーを動かします。 つまり、カメラが右に向かってブレるような動きをしたら、その逆の左に向けて同じだけ動かすことで、ブレを打ち消すのです。
この方式の中でもユニークなのが、レンズユニット自体をシフトさせるレンズユニットスウィング式です。この手ブレ補正機能は「手ブレを打ち消す」というよりは「手ブレを発生させない」というコンセプトで作られています。
レンズ本体の微小な動きを吸収し、狙った対象物に対しピントを合わせたら、多少の動きもものともせずにブレのない写真が撮影できるというメリットがあります。ただし、レンズ本体が大きくなってしまうのと機構が複雑になってしまうため、人気のミラーレス一眼などには応用は難しいとされています。
光学式補正のハイブリッド型とも言えるのがレンズシフト式とイメージセンサーシフト式を組み合わせた方式です。レンズとイメージセンサーの両方で補正を行うため格段に精度が向上しています。
電子式手ブレ補正は、機構がシンプルだが静止画には向かない
電子式の手ブレ補正は、あらかじめ広い範囲で静止画を複数枚撮影してバッファメモリー上に一時的に保存しておき、最初に撮影した画像とブレた画像を比較し、どの程度の差があるのかを演算して導きだします。こちらは静止画というより動画撮影に向いている方式です。
1000万画素全部を使わずに周囲の部分も含めた動画を撮影しておき、バッファメモリー上に記録しておきます。
その演算結果によって、イメージセンサー内の画像をレンズの移動量分戻し、その部分を映像へと記録します。カメラがブレるのは、一瞬ですので、その瞬間だけ補正をかければいいので動画にはかなり有効な補正であると言えます。
ただし搭載しているイメージセンサーすべてを使った撮影ができない点がデメリットと言えるでしょう。
また、静止画における電子式手ブレ補正というのは、撮影画像を写真内部でレタッチしてしまうという機能もあります。ソフトウェア補正には限界があるので光学式よりもあまり補正が効いてないということもあります。
動画撮影用カメラには電子式、静止画撮影には光学式の手ブレ補正機能が効果的と覚えておくといいでしょう。
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情報提供元: クチコミ.jp