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メンタルヘルスで考える「最高にハッピー」なための朝

2016-10-23 21:30:25


執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター)
「最高にハッピー!」
あなたがそう思うとき、それはどこからくるのでしょうか。また、そんな風に一日を過ごすことができるには、始まりの「朝」に何をしておけばよいのでしょうか。
メンタルヘルスの立場から考えてみました。まずは人間には二つのパターンの幸福感がある、というところからお話ししていきましょう。

二つの幸福感


価値観が多様化している現在、仕事・趣味・お金・モノ・家・家族・仲間などなど、何をハッピーだと感じるか、幸福感の対象は、人それぞれで多様になりました。
それでも従来から、次の二つの「生き方」が幸福感の源泉になるといわれています。
1. 自己実現:自分がやりたいこと、自分のなりたいものを追及している
2. 理解・承認:自分のことをわかって、認めてくれる人がいる

どちらかといえば、アメリカなど西洋では「自己実現指向」が多く、日本など東洋では「理解・承認指向」が強いという意見もあります。
誰が何と言おうと自分のしたいことをやっている時か、たとえ取るに足らない自分であっても、わかって愛してくれる人がいるということを知っている、そのどちらか、あるいは両方があれば、人はハッピーでいられるというわけです。

自己実現指向のための朝は


自己実現指向は、精力的・意欲的に何かに取り組むことに積極的。そしてそれだけのエネルギーが必要です。
そのためには、朝、何が準備されていればよいでしょう。

質の高い睡眠の確保


長く寝ないとだめなのか、短くてもよいのかは人それぞれです。
ただロングスリーパーにせよショートスリーパーであれ、朝起きた時に、すっきり目覚められているような質の高い睡眠は、一日活動的でいるためには必須なことでしょう。

交感神経の活発な働き


自律神経は活動を促進する交感神経系と、消化や休息を充足する副交感神経系のバランスで成り立っています。これが睡眠不足などで乱れると、快適な一日は望めません。
「朝起きた時に太陽の光を浴びて体内時計をリセットする」「水分を補給する」「朝食をとる」この3点セットは、交感神経の起動には欠かせません。

ホルモンの正常な作用


交感神経の働きは、精力的に活動していくためアドレナリンや、さまざまな活動を面白い・楽しいと感じるドーパミンの分泌につながり「ハッピー」と感じられるようになります。
しかし、不自然な分泌は問題です。たとえばお酒やたばこ、薬物やギャンブルなどです。これらは強制的にアドレナリンやドーパミンの分泌を促進してくれても、やがては身体の自然がもっているこれらの分泌力を、むしろ弱めてしまいます。
不自然に元気でいることは、長い目で見れば、幸福感を減退させていきます。

理解・承認指向のための朝は


たとえ自分のやっていることが大したことでなかったとしても、だれか、そんな自分をわかり、認めてくれている人がいるということが、もう一つの幸福感の源泉です。
そんなハッピーを持続するには、朝、なにが必要になるでしょうか。

朝食を一緒に食べる


家族や友人と一緒に朝食をとって、いろいろなことを話しましょう。
ひとりで食事をとる孤食はやめましょう。いろいろと話すことで、相手はあなたのことを解り、その良さを知ってくれます。

連絡を取る


メールやSNS、電話や手紙など、さまざまな通信手段は、離れている人とのコミュニケーションの場です。
相手が忙しかったり迷惑でなかったりする範囲で、連絡が取れるとお互いの近況が知り合えます。

情報にアクセスする


人とのコミュニケーションの促進に欠かせないのは話題。
今度会ったらあの人とこんなことを話してみよう、このことを聞いてみようなど、話題集めをしてくことが朝にはできるでしょう。
メーテルリンクの『青い鳥』をご存じでしょうか。「幸福探しの旅」の物語です。主人公の兄妹は長い旅の末、身近な自宅に幸福があったことに気がつきます。
もしかしたら「ハッピー」とはこのように、何か特別なことというよりは、何気ない当たり前のことを着々とやっていることが、あとから「あれはハッピーだったな!」と味わえる心境なのかもしれませんね。
<執筆者プロフィール>
山本 恵一(やまもと・よしかず)
メンタルヘルスライター。立教大学大学院卒、元東京国際大学心理学教授。保健・衛生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサービスなどを提供する株式会社とらうべ副社長

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情報提供元: mocosuku

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