540の三つ巴を制した四十住さくらがDew Tourパークで優勝!岡本碧優が3位
2021-05-24 12:56:23
Instagram @worldskatesbより
5月23日(現地時間)にアイオワ州デモインにてDew Tourが開催され、四十住(よそずみ)さくらが見事優勝、岡本碧優が3位に入賞した。
今大会は、東京五輪出場ポイントが付与される大会で、パーク種目は今大会が最終戦となる為(6月に予定されていた世界選手権がコロナの影響で中止となった為)東京五輪に出場出来るかどうかが決まる、重要な大会(ストリート種目は6月に世界選手権がローマで開催予定)。
女子パークの日本勢は前回2019年のデュー・ツアーと全く同じ5人が決勝に進出したが、結果と内容は2019年とは、全く違ったものになった。
2019年は、岡本がミュート540(空中で1回転半する技)で世界のスケーターを驚かせ、女子パークでぶっちぎりのトップランナーだったものの、今大会では上位3人が540を見せ、540による三つ巴の戦いとなった。
東京オリンピックに出場出来るかどうかが、この大会で決まる。
セミファイナルで、中村貴咲がランの後につぶやいた「お願い!お願い!」という言葉が、この大会の重要さを表していたように見えた。
【二刀流、東京五輪へ】
パーク男子は今までのオリンピック予選で、いまだ誰一人として決勝に進めておらず、高いハードルとなっている。
期待の平野歩夢、笹岡建介の活躍に注目が集まったが、残念ながら日本パーク男子勢はセミファイナルに駒を進める事が出来なかった。
スノーボードとの二刀流で、東京五輪出場を目指す平野歩夢は、予選1本目のランでは一見完璧に見えたバックサイド540を繰り出すも、着地の際に若干軸がブレてしまい失敗。
2本目のランでは、ボルケーノ越えのオーリーからバックサイド540、バックサイドスミスグラインド、フロントサイドボンレス、フロントサイドスミスグラインド、フロントサイドオーリー、フロントサイド50-50グラインド、フロントサイドテールスライド、バックサイドディザスターと9つの技を決め、64.08点を出した。
残念ながら予選敗退となってしまったが、オリンピックランキング日本人トップが確定し、東京五輪出場が決まった。
【次世代ガールズスケーター達による空中戦】
四十住さくらは3本目のランで、これまで大会で見せた事のないトリック、バックサイド540をメイク。その後のちょっとしたブレで転倒してしまったが、4本目のランでは完璧にメイクし、最後のバックサイドノーズブラント バックサイド180アウトまでをきっちり決めて61.71点を獲得。
東京五輪に向け、さらなる進化を世界に見せつけた。
宮崎県出身で、イギリス代表として出場のスカイ・ブラウン(12歳)もまだ小さい体ながらも、この1年でエアの高さが増しており、女子では唯一のフロントサイドの540を(最後に手をついてしまったが)決めてきた。
岡本碧優は2019年、世界を驚かせたミュート540(マックツイスト)の他、3本目と4本目のランでは、キックフリップインディにトライ。残念ながら決める事が出来かなったが、東京オリンピックでの、大接戦を予感させる滑りを見せてくれた。
【三者三様の540】
540の三つ巴となった今大会、実は三人とも同じ540に見えて違っている。
四十住の540はバックサイドグラブの540。岡本の540はミュートグラブの540。スカイブラウンは、二人の回転方向とは逆のフロントサイド(背中側)に回る540と、それぞれに個性とスタイルが出ている。
コロナで延期になった分、急激に女子のレベルは拮抗してきている。
一昨年の時点では、岡本が一番金メダルに近かったのは間違いないが、今では誰が東京五輪で金メダルを取ってもおかしくない。
デュー・ツアー パーク女子結果
1位 四十住 さくら– 61.71
2位 スカイ・ブラウン – 58.50
3位 岡本 碧優– 57.00
4位 手塚 まみ – 51.37
5位 開 心那 – 47.70
6位 Bryce Wettstein – 42.52
7位 中村 貴咲 – 42.07
8位 Jordyn Barratt – 41.07
デュー・ツアー パーク男子結果
1位 Zion Wright – 91.04
2位 Oskar Rozenberg – 86.10
3位 Gavin Rune Bottger – 86.00
4位 Liam Cloud Pace – 82.04
5位 Tate Carew – 80.17
6位 Tom Schaar – 79.98
7位 Jagger Eaton – 79.66
8位 Cory Juneau – 66.14
※平野歩夢26位 笹岡建介49位 永原悠路30位
ファイナルの映像はこちら【https://youtu.be/U5aCLK6g5Io】
文 小嶋 勝美
スケートボードを趣味としており、ライターとしてスケートボード関連の記事を執筆。
約10年間芸人として活動後、現在は放送作家としても活動中。
情報提供元: マガジンサミット