「大切なのは医科と歯科が連携していくこと」海岸歯科室理事長・森本哲郎氏が歯科医の抱える問題や今後の展望を語る
2021-06-14 12:00:26
テンカイズα。この番組は、TBSラジオで放送中「テンカイズ」の番組内だけでは紹介しきれないアツイ人たちをYouTube限定で紹介して行く番組。様々な業界で活躍する人に迫ります。
今回のゲストは『世界一優しい歯科医』を目指す「医療法人社団康樹会 海岸歯科室」理事長・森本哲郎さんです。
海岸歯科室とは?
宇賀なつみアナウンサー(以下、宇賀)「早速ですが、海岸歯科室はどんなことを行っている所なんですか?」
森本哲郎さん(以下、森本)「はい、千葉市の稲毛海岸を中心とした地域で、『世界一優しい歯科医』を目指して、地域の方が一生涯自分の歯で何でも食べられるような健康な社会を作ることを目的に日々努力しています。」
宇賀「世界一優しいというのはどういうことなんですか?」
森本「例えば、人に対する優しさとか、医療に対する優しさということで言うと、歯科の分野では歯を削らないとか、なるべく抜かないとか、痛くないとか、モノに対する優しさとかですね。そういった医療の根本に必要な優しさというのを求めて、とにかく世界一優しい歯科医というのを作ろうというのが、我々のコンセプトなんですね。」
歯科医が抱える課題
宇賀「地域の医療。地域の人々に深く関わっていくということですけども、そうしたときに難しい点というか、課題はありますか?」
森本「我々は高い知識レベルと、高い診療技術を提供するというのが一番なんですけども、歯科に大切なことってやっぱり医科歯科連携だと思うんですね。医科と歯科が連携することによって、これからの医療ってすごく変わってくると思うんです。宇賀さんが体調を崩して病院に行かれた時に、例えば血液検査をしたりとか、いろんな検査があると思うんですけど、歯科って無いんですよ。歯科の検査で国の健康保険制度の中で認められているものって本当に限られているんです。だけど、歯科の病気って奥が深くて、検査しないと原因が分からないこととか、病巣の広がりとかって分からないのに、それが保険診療としてできないんですよね。なので、そこから変えていかないと日本の歯科医療というのは変わっていかないのかなというのは、今すごく感じていますね。」
医科歯科連携に向けて
宇賀「今後どうなっていくべきだと思いますか?」
森本「一番はやっぱり歯科医師の底上げです。歯科医師は全身の健康に関わっているんだということをちゃんと認識しなければいけません。歯科だけではなくて全身の知識をしっかり持つことによって、これだけ健康に関わっているんだと分かる。そういう意識が変わらないと国も動かないと思うんですよ。」
宇賀「どうすればできるようになるんですかね?」
森本「慶応大学と東京歯科大学が合併したというニュースがありましたけど、これが第一歩だと思います。歯科の重要性というのがだんだん分かってくる。だけど、そこに知識のレベルの差がありすぎちゃうと、連携がうまくいかないんですよね。なので、今早急にやらなければいけないのは、歯科医師の技術もそうだけど、知識のレベルを上げていく事ですね。」
宇賀「そうすると今、国だったりとかに制度を変えて欲しいと求めていきたいことはありますか?」
森本「医科の方の検査のレベルと、歯科の検査のレベルっていうのを、ある程度合わせてもらいたいと思いますね。そこまで保険の中に含んでもらえれば、皆さんがそういう医療を受けられるわけなので、それがまずは健康に繋がるというのは間違いないと思います。自費診療でやってるうちは本当に特定の人しか受けられないんですね。そこがやはり国に働き掛けていきたいところですね。」
森本哲郎×テンカイズ
宇賀「最後に、森本さんの今後の展開を教えてください。」
森本「地域を広げていく事で健康な人たちを増やしていくっていう考えはあるんですけども、それにはやはり僕一人では限界があるので、同じように考えている先生方と全国で一つの組織を作って、それぞれの地域でその先生方が同じように医療を展開していくっていう形ができれば、日本全国に広がっていくのではないかと思います。」
宇賀「ありがとうございました。」
テンカイズ
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医療法人社団康樹会 海岸歯科室
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医療法人社団康樹会・海岸歯科室では、「患者の立場に立って対応する」、「不安や疑問に耳を傾ける」、「できるだけ削らない、抜かない」、「80歳まで26本の歯を残す」、「設備の充実を惜しまない」といった5つの約束を掲げ、世界で最も優しい治療を目指して活動しています。
情報提供元: マガジンサミット