11月14日のブルーライトアップは「世界糖尿病デー」
2016-11-14 18:30:00
執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士)
11月14日は「世界糖尿病デー」です。
世界で患者数が増加傾向にある糖尿病をもっと知ってもらうための日であり、この日は日本国内でも東京都庁や大阪城をはじめ、全国の有名なライティングスポットがブルーに染まります。
「名前は知っている」「良くない病気なのはわかる」という人は多いでしょう。しかし具体的にどういう病気なのか、身体へどのような影響があるのかなど、よくわからない方も多いかと思います。
そこで今回は「糖尿病」という病気について、詳しく解説していこうと思います。
「糖尿病=太っている人の病気」ではない
まず糖尿病と聞くと、どのようなイメージをお持ちでしょうか?
「健康を気にせず、毎日暴飲暴食している人がなる病気」と思っている方もいらっしゃることでしょう。
糖尿病は「体内で糖分を上手にコントロールできなくなる」病気です。
糖分をコントロールするためには、膵臓から分泌されている「インスリン」というホルモンが必要不可欠。しかしこのインスリンが突然枯渇し全くでなくなってしまう、または徐々にインスリンを出す力が弱くなってしまったというときに、糖尿病を発症します。
よって、「暴飲暴食をすると糖尿病になる」のではなく、「インスリンを出す力が弱くなった、もしくは完全になくなってしまうと糖尿病になる」というのが、正しい説明です。
「血糖値が高め」だけでは、症状は出ない
「検診で血糖値が高めといわれているけれど、症状が出ていないから大丈夫」と考えている方が多いのですが、これは大きな間違いです。
糖尿病で怖いのは、「血糖値が高めくらいでは症状は出現しないけれど、合併症は確実に進行している」ということです。
血糖値が高いだけで症状が出る場合は、血糖値が極端に高くなったときだけです。しかし、検診などで引っかかるような血糖値で長く経過してしまうと、体中の血管は徐々にもろく、もしくは詰まりやすくしてしまいます。
その結果、身体の様々な部位の血管が詰まってしまい、様々な病気を引き起こす恐れがあるのです。
実際に、毎年の検診で血糖値が高めと診断されていたのに放置していた方が、40代にして重度の脳梗塞を発症し半身マヒになってしまった、というケースがあります。
これは血糖値が高めで経過したことで血管がもろくなってしまい、脳の血管が詰まってしまったために起こってしまったと考えられます。
血糖値が「高めであることが怖い」のではなく「高めの状態を放置しておくことが怖い」ことなのです。
身内に糖尿病患者がいる場合は要注意!
全ての糖尿病ではありませんが糖尿病の約9割を占める「2型糖尿病」は、血縁に糖尿病の方がいると、そうでない方に比べて糖尿病を発症しやすいことがわかっています。
これはインスリンを出す力が、遺伝による面も大きいためです。血縁に糖尿病の方がいる場合は、通常よりもインスリンを出す力が弱い可能性があるのです。
普段から食生活や運動量に気を付けることはもちろん、ご家族の中に糖尿病がいる方はリスクが高いということを、ぜひ覚えておいてください。
<執筆者プロフィール>
山村 真子(やまむら・まこ)
看護師・西東京糖尿病療養指導士、一児&犬二匹の母親兼主婦。現在は医療系ライターとして執筆活動中
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情報提供元: mocosuku