ヨーグルトは無糖?脂肪ゼロ? ダイエットで選ぶなら
2016-11-18 12:00:18
執筆:桜 イクミ(管理栄養士)
健康のため、ヨーグルトを日常的に摂っているという方は多いと思います。
市販されているヨーグルトには、「無糖」や「脂肪ゼロ」などと表記されているものをよく見かけますね。
しかしこれらは何が違うのか、例えばダイエット中にはどちらを選ぶとよいのか、わからない人も多いのではないかと思います。
今回はそんなヨーグルトのそれぞれの違いについて、解説していこうと思います。
無糖ヨーグルトってどんなもの?
無糖ヨーグルトとは、文字通り砂糖の入っていないヨーグルトのことです。
パッケージには「無糖」「プレーン」「砂糖不使用」などと表示されています。これらは、味つけをせずに牛乳を発酵させただけの生のヨーグルトのことをいいます。
基本的にヨーグルトには「乳糖」が含まれています。
そのため、砂糖が入っていない無糖ヨーグルトでも、糖質は含まれています。
脂肪ゼロヨーグルトってどんなもの?
一般的なヨーグルトには、脂肪が含まれています。
ヨーグルトの脂肪は、動物性食品に多く含まれる「飽和脂肪酸」です。この飽和脂肪酸の摂取量が多くなると、中性脂肪やコレステロール値の上昇につながります。
脂肪ゼロヨーグルトは、牛乳の脂肪分を取り除いた脱脂乳を使って作られたものです。「脂肪ゼロ」「無脂肪」などと表示されます。
これらは、脂肪が100gあたり0.5g以下の場合、「ゼロ」「無」などの表示ができます。
脂肪ゼロの商品の落とし穴として、砂糖やフルーツなどを加えて加工されているものがあることが挙げられます。
このように加工されたヨーグルトの場合には、糖質の量が通常のものよりも多く、また血糖値が上がりやすくなります。
無糖、脂肪ゼロヨーグルトを「カロリー」で比較
含まれている成分に大きな違いがある無糖ヨーグルトと脂肪ゼロヨーグルト。さらに、カロリーや糖質量、血糖値の上がりやすさにも違いがあります。
具体的にどのように違うのでしょうか?
まずダイエットをしたい人にとって気になるのがカロリーでしょう。糖質のカロリーは1gあたり4kcal、脂質は1gあたり9kcalです。
これを見ると、脂質の方がカロリーは高いことがわかります。
無糖ヨーグルトには脂肪が含まれています。そのため、脂肪ゼロの方がカロリーは低くなります。
ただし、脂肪ゼロものでも砂糖が入ったものの場合、カロリーが高いこともあります。
無糖、脂肪ゼロヨーグルトを「糖質量」で比較
ダイエットをしたい人の中には、糖質を気にしている方もいることでしょう。糖質は身体のエネルギー源として必要なものです。
しかし、とり過ぎると過剰分が中性脂肪として蓄えられるため、注意が必要です。
さきほどお話ししたように、無糖のヨーグルトにも糖質は含まれています。脂肪ゼロのヨーグルトにも糖質はふくまれているので、どちらを選んだとしても、多少は糖質を摂取することになります。
そのため、糖質を気にしている方は含まれている糖質量をチェックするようにしましょう。
糖質量をチェックするときにぜひ参考にしてほしいのが、パッケージの裏側の「炭水化物」量の食品表示です。
炭水化物とは、糖質と食物繊維を足したものです。ヨーグルトには食物繊維が含まれないため、「炭水化物の量=糖質の量」ということになります。
無糖、脂肪ゼロヨーグルトを血糖値の上がりやすさで比較
食品には血糖値を上げやすい食品とそうでない食品があります。
食べ物を食べた後に血糖値が急激に上がることで、膵臓からインスリンというホルモンが出されます。このインスリンの作用で血糖値が下がります。
しかし、インスリンがたくさん使われると、身体に脂肪がつきやすくなります。
食品に脂肪分が含まれていると、血糖値の上昇は緩やかになります。本来ヨーグルトは、脂肪分が含まれているので、血糖値が上がりにくい食品です。
では、無糖ヨーグルトと脂肪ゼロヨーグルトを比べた場合には、違いがあるのでしょうか?
脂肪ゼロヨーグルトは、文字通り脂肪が入っていません。そのため、無糖ヨーグルトとの比較では多少血糖値が上がりやすくなります。
ただし、砂糖不使用の脂肪ゼロヨーグルトであれば、そこまで大差はありません。
注意したいのは、砂糖が添加された脂肪ゼロヨーグルトの場合です。この場合、脂肪が入っていない上に砂糖が入っているため、もっと血糖値が上がりやすくなります。
「脂肪ゼロに惹かれて購入したら、砂糖が入っていた」ということもありますから、血糖値を気にしている方はとくに注意しましょう。
どっちを選べばいい?ヨーグルト選びのポイント
ヨーグルト摂取の落とし穴として、砂糖が使用されていることが挙げられます。
砂糖は身体への吸収が早く、脂肪になりやすいです。とくに脂肪ゼロを選択する場合には、砂糖が入っていないか、原材料の表示をチェックしましょう。
また目的によっても選び方が変わります。
糖質の制限が必要な方は無糖のもの、コレステロール値などが気になる方は脂肪ゼロを選ぶとよいでしょう。
ダイエット中に摂取するというのであれば、まずはカロリーが高く、血糖値の上昇がしやすい砂糖の添加されていないものを選択することをおすすめします。
ヨーグルトのとり過ぎには注意を
ヨーグルトが身体に良いからといってとり過ぎると、カロリー、糖質、脂質のとり過ぎにつながります。
厚生労働省の定めている食事バランスガイドによると牛乳・乳製品は1日2サービングとなっており、ヨーグルトから摂取した場合、カップヨーグルト2つ分(160g)程度が目安となります。とり過ぎには注意しましょう。
ヨーグルトの脂肪分や無糖のものにも含まれる糖質については、気にしすぎないことも重要です。
まずは日頃の食事をバランスの良いものに整え、ヨーグルトについては、量のとり過ぎや添加されている砂糖などに注意を払い上手につきあっていきましょう。
<執筆者プロフィール>
桜 イクミ(さくら・いくみ)
管理栄養士・健康運動指導士・フードスペシャリスト
株式会社 とらうべ 社員。病院での栄養管理・栄養指導の経験を経て、現在は企業で働く人の食と健康指導を行っている。
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情報提供元: mocosuku