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「お風呂にします?ごはんにします?」 先が良いのはどっち?

2016-12-21 18:30:06


執筆:井上 愛子(保健師、看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
朝から夕方まで頑張って活動し、帰宅したあなた。
お腹もずいぶんすきました。
そんな時、あなたはまず夕飯をたべますか?それともさっぱりするためにお風呂に入りますか?
実はこの2つは順序や時間の空け方によっては身体にさまざまな影響をもたらします。
今回はこのさまざまな影響について詳しくご紹介いたしましょう。それぞれの効果と注意点を知り、実生活に役立ててください!

お風呂に入った後に夕食を食べる場合の身体の反応


湯船にしっかりつかると、体温が上昇して毛細血管も広がり、全身の血流がよくなります。
ところが身体の表面に血液がまわり、胃腸の血液循環がへるため、胃腸の動きは悪くなってしまいます。消化管の活動がおさえられるので、胃液の分泌も減ります。
つまり、お腹がすいている時であれば、空腹感がおさえられます。
また、お風呂後にごはんを食べるといつもより少ない量の食事でも満腹感が得やすくなります。お風呂に入るだけでも実はエネルギーを消耗するため、空腹時の入浴で脂肪も燃焼しやすくなります。
空腹時に食事をとると早食いになり、ついつい食べ過ぎてしまう可能性があります。ダイエットしたい人であればお風呂に先に入ることでダイエット効果を期待できますね。
また食欲を押さえたいと思っている人は、入浴中にアロマを活用する方法もあります。
グレープフルーツやバニラの香り、シソ科であるパセリやマツ科のシダーウッドといわれる香りには食欲を抑制する効果があります。夕食の食べ方や内容にも注意することでさらにダイエット効果もアップします。

お風呂に入った後に夕食を食べる場合の注意点


空腹時に入浴し、その直後に夕食を食べてしまうと胃腸の動きが悪く、消化不良になる可能性があります。夕食は、入浴後30分以上空けるようにしましょう。
入浴といっても、シャワーだけでは効果は期待できません。お風呂に入るときは40度くらいの温度にし、10~15分程度つかることで深部体温も上昇し、全身の血行もよくなります。38度くらいのぬるい温度だと身体が十分に温まりません。また、副交感神経が働いて、よりお腹がすいてしまう可能性があります。
空腹時には血糖値は低くなっています。そこで長時間入浴してエネルギーを消耗しすぎる、低血糖の状況となってしまい、冷や汗や顔面蒼白など、貧血の症状が出てくることがあります。
あまりにも空腹すぎるときには、30分前に少しジュースを飲むなどの対策をしましょう。

夕食後にお風呂に入る場合の身体の反応


お風呂にはリラックス効果があり、寝つきを良くする効果があります。
40度くらいのお湯に10~15分つかることで深部体温が上昇し、入浴後徐々に深部体温が下がります。実はこの深部体温の変化が寝つきを良くするためのポイントになっています。
ヒトは日中深部体温が高くなり、夜になると低くなるという生体リズムを持っています。この切り替えをサポートすることで、寝つきをよくすることができます。
42度以上の熱いお湯は交感神経が優位になって眠りの妨げになってしまうため、不向きです。

夕食後にお風呂に入る場合の注意点


夕食後は食べた物を消化するために、胃や腸に血液が集まっています。
夕食後は30~60分あけて入浴をすることで、消化の妨げになることを防ぐことができます。
また、入眠までの時間についても考える必要があります。眠りたい時間に身体が温まり過ぎると、上手に眠れなくなってしまいます。寝つきを良くしたいのであれば、入浴のタイミングは、遅くても眠る30分以上前にしましょう。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社とらうべ社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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情報提供元: mocosuku

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