E START

E START トップページ > マガジン > 一番は湯船、二番はコレ。「健康効果を高めるシャワー」

一番は湯船、二番はコレ。「健康効果を高めるシャワー」

2017-03-26 21:30:25


執筆:吉村 佑奈(よしむら・ゆうな)
医療監修:株式会社とらうべ

突然ですが、毎日湯船には浸かっていますか?
湯船に浸かる方が健康に良いとことは、ご存じの方も多いでしょう。
しかしそうは言っても、「自宅に浴槽がない」「ユニットバスだから、お湯に浸かる気になれない」「スポーツジムのシャワーで済ます」など、ご自宅の環境やライフスタイルによって難しいという方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は『健康効果を高めるシャワー浴』をご紹介たいと思います。

湯船に浸かることによる健康効果


シャワーの効果を高める方法をお伝えする前に、まずは湯船に浸かる(全身浴・半身浴)ことで、どのような効果が得られるのかをご説明させてください。
これらを知ることで、後からご紹介するシャワーの効果を高める方法をよりよく知っていただけます。
全身浴・半身浴には、次のような効果が期待できます。
1.温熱作用による疲労回復効果
湯船に浸かると、身体が温まります。
すると、血管が拡張して血流が良くなり、血管にたまっている老廃物や疲労物質の排出が促されるため、疲労回復の効果が期待できます。
2.水圧作用によって血流を良くする効果
お湯に浸かると、身体中の血管やリンパ管が圧迫されるため、マッサージのような効果が発揮され、血流やリンパの流れが促進されます。
血流が悪いと、冷えやむくみの原因になるため、湯船に浸かることでこれらを予防することができます。
3.浮力作用によって筋肉の緊張をほぐす効果
水中では浮力が発生します。
これによって、重力で緊張していた筋肉がゆるみ、全身をリラックスさせます。
このように、全身浴や半身浴には、さまざまな健康効果が期待できます。
一方、シャワー浴のみの場合、温熱作用と水圧作用はありますが、やはり湯船に浸かる全身浴や半身浴と比べると、その効果は劣ります。
また、浮力作用は湯船に浸からないと得られない効果です。
ただ、シャワーには、水圧や温度を自分で調整できるというメリットがあります。
このメリットを利用することで、疲労回復や血流の改善といった効果を高めることができるのです。
早速、次からその方法をご紹介していきましょう。

シャワー浴で健康効果を高める方法


疲労回復や血流の改善の効果を高めるためにおすすめしたいのが「シャワーを使ってマッサージをする方法」です。
この方法では、血流が滞っている場所に熱めのシャワーを集中して当てていきます。すると、マッサージ効果が得られ、血流を良くすることができます。
また先ほどお話ししたように、血流が良くなると血管中の疲労物質の排出が促されるため、疲労回復の効果も期待できます。
血流が滞りやすい場所を中心に、シャワーマッサージの方法をご紹介します。

肩・首


肩こりや首こりに悩まされている方も多いと思います。これらの原因のひとつに、肩や首の血流悪化が挙げられます。
血流を良くするためには、次のような方法でシャワーを浴びてみましょう。
・方法
熱めのお湯(42度以上)を左右の肩に交互に当てましょう。このとき、首を回しながら行うのがポイントです。
肩や首の血行が良くなり、肩こりの解消につながります。

足先


身体の末端にある足先は、血液が行き届きにくい場所。
血流が悪くなると、冷えの原因にもなります。
・方法
足の指先に熱めのシャワー(40~43度が目安)を1分間当てた後、今度は冷たい水に切り替えてシャワーを当てます。その後、再度熱めのシャワーを1分間当てます。
これを数回くりかえし行い、最後は熱めのシャワーで終了します。
今回ご紹介したシャワーを使ったマッサージ法は、熱めのお湯や冷たい水を使って行うため、血圧が高い人や心臓に持病を持っている方は、主治医と相談した上で行うようにしましょう。
また途中で具合が悪くなった場合も、無理せず中断するようにしましょう。

シャワーだけでなく、部分浴もとり入れて!


このように、血流が滞りやすい場所を中心に熱めのお湯を当てると、血流を良くしたり、疲労を回復する効果が期待できます。
ただし、熱めのお湯は交感神経(自律神経のひとつ)の働きを優位にし、身体を活動モードへ切り替えてしまいます。
そのため、睡眠前にシャワーマッサージをする場合には最後に足浴(足湯)や手浴などの部分浴をすることをおすすめします。
部分浴には副交感神経(リラックス時に働く自律神経)の働きを高めて、心身の緊張をほぐすリラックス効果があるからです。
入眠を促すためにも、シャワーだけでなく、部分浴を追加するとよいでしょう。
さらに、足浴をするときには足先だけでなく、ひざ下までお湯に浸かるようにすると、ふくらはぎの血液が温まります。
第二の心臓とも呼ばれるふくらはぎには、下半身の血液を心臓へ送り出す働きがあります。
ですから足浴をすることで、ふくらはぎの温まった血液を心臓へ送り出すことができ、シャワー浴だけで済ませるよりも、全身を温める効果をアップさせることができるのです。

全身浴・半身浴をすることも必要


ここまでシャワーの効果を最大限発揮するための方法をご紹介してきました。
ただ、疲労を回復や血流を改善する効果は、全身浴や半身浴の方が優れています。
ですから、身近なスパや銭湯へ行くなどし、たまには湯船に浸かるようにしましょう。
今日では、さまざまなスパ施設もできているようですから、こういった施設を活用するのもよいですね。
<執筆者プロフィール>
吉村 佑奈(よしむら・ゆうな)
助産師・保健師。株式会社 とらうべ 社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

関連記事

情報提供元: mocosuku

人気記事