E START

E START トップページ > マガジン > においの正体は「臭い汗」? クサイ汗と、そうでない汗があるの?

においの正体は「臭い汗」? クサイ汗と、そうでない汗があるの?

2017-09-04 18:30:09


執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
残暑とはいえ、まだまだ汗をかく季節。
ところで、ご存知ですか?
爽快な「いい汗」をかく人と、不快な「臭い汗」に困っている人がいるようです。
そこで今回は、クサイ汗とそうでない汗の違いを考えてみました。

汗が臭くなる原因さまざま


においにはよい香りのする「匂い」と、嫌な「臭い」とがあります。
もちろん、「匂い」なのか「臭い」なのかは個人差もあって、ある人にとってはたまらなく芳しい「香り」が、別の人にとっては悪臭以外の何物でもないといったこともあります。
しかし一般的に、汗のにおいが「臭い」と感じさせるのは、次のような原因があるといわれています。

肌が不衛生


皮脂や垢などの汚れが長く皮膚上にとどまると、皮膚表面の細菌がこれを分解し、汗の臭いを強くします。高温多湿になるとこの傾向は高まります。

疲労やストレス


さまざまな肉体的・精神的ストレスによって、血行が悪化したり肝臓などの内臓機能が低下すると、疲労臭と呼ばれるアンモニア臭が出ます。

汗腺機能の低下


運動をしなかったり、冷房の効いた部屋でずっと過ごしていると、汗をかく機能が衰えます。その結果、全身から上手に汗をかけなくなり、特定の個所から大量の汗をかくようになります。
そのとき、汗と一緒に不純物が排出され、ベトベトして臭いも強くなります。

脂っこい食事


肉類や揚げ物などが多くなると、汗に皮脂やアンモニアが混ざって排出されやすくなり、汗が臭くなります。
また、このような食事は皮脂分泌を増やしたり、汗をかきやすくもして、汗臭さを増すことにつながります。

便秘


便秘が続くことで腸内に悪臭ガスが蓄積されます。それが血液から全身をめぐって、最終的には汗となって排出されます。このとき、アンモニア臭や便臭のする汗が出ます。
また、余分な脂肪分を便と一緒に排出できないと、皮脂分泌が増えて、汗が臭くなったり加齢臭につながる場合もあります。

衣類の汗シミ


汗をかいた後に汗シミを放置しておくと、高温多湿になるほど、細菌がどんどん繁殖して、衣類が汗臭くなります。襟元やわき、背中や尻や太ももなどはとくに、汗シミができやすく、臭いも強くなりがちです。

基礎代謝が落ちると「ダイエット臭」に!


適度な運動をしないで食事制限だけのバランスの悪いダイエットをしていると、身体から特有の臭いがします。
これは「ダイエット臭」と呼ばれています。
ダイエットで基礎代謝が落ちると、身体がエネルギーを生み出そうとして不完全燃焼を起こします。すると、血中の脂肪酸や尿酸、ケトン体などが汗と一緒になって出てきます。
これが臭いの原因となります。脂肪酸の油っぽい匂い、尿酸といっしょに排出されるアンモニアの臭い、ケトン体のツーンとした臭いが混じります。

クサイ汗:いい汗と悪い汗


体温調節が苦手な「汗かきベタ」の人は、夏が好きではない人が多いようです。汗かきベタの汗は、ベタベタして臭いも強く、汗を不快と感じていることが多いようです。
悪い汗をかいているようですね。
「いい汗」と「悪い汗」、次のような特徴が示されています。

いい汗


・臭いはほとんどしない
・さらさらしていて水のよう
・汗ジミがつきにくい
・汗の粒が小さく、すぐ乾く
・必要な分だけ汗をかく
・パッとかいて、すぐに止まる

悪い汗


・くさい臭いがある
・ベタベタとまとわりつく
・汗ジミがつきやすい
・大粒の汗をドッとかく
・局所に大汗をかく
・いつまでもダラダラとかき続ける

臭い汗:対策


できれば夏は、いい汗をたくさんかきたいものですね。そのためには次のようなことに留意しましょう。
・肌を清潔に保つ
・ストレスが少なくなるようなリラックスできる環境づくりをする
・汗をかいて汗腺を鍛え、サラサラした汗を出す
・健康的に痩せる
・ビタミンや食物繊維の豊富な野菜をたっぷりと食べる
・衣類の汗シミをケアする
最後の「衣類の汗シミのケア」では、着替えや洗濯をこまめにすることが大切です。
とくに、制服やスーツのように頻繁に着なくてはならず、しかも毎日洗えない服は、帰宅後にスチームアイロンをかけたり、風通しの良い場所で陰干しをすると効果的でしょう。
【参考】
福田 千晶監修『ホントはコワイ夏バテ51の対策』日東書院、2013.

<執筆者プロフィール>
藤尾 薫子(ふじお・かおるこ)
保健師・保健師。株式会社 とらうべ 社員。産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

関連記事

情報提供元: mocosuku

  • Twitter投稿
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

人気記事

この記事へのFacebookのコメント