身体を動かしたくなる秋、急に始めるその前に…
2017-10-06 18:30:13
執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー)
医療監修:株式会社とらうべ
秋は身体を動かすのに良い気候です。
ふだん運動をしていなくても、この機会に運動をはじめる方もいることでしょう。また、子どもの運動会で久しぶりに全力疾走…という方もいるかもしれません。
健康的な身体づくりが期待できる運動ですが、急に行うとケガや病気につながる可能性もあります。
そこで、運動を安全に行うためのポイントをまとめました。ぜひ役立てくださいね。
まずは自分を正しく知ろう
久しぶりの運動でケガをする大きな要因は、自分がイメージしている体力と実際の体力との間にギャップがあることです。
しばらく運動をしていない場合、若いころに運動を習慣的に行っているときに比べて、筋力、瞬発力、持久力、柔軟性などの運動能力は低下しています。
しかし、その差を考えずに動いてしまうと、自分が思い描く動きと実際の動きにギャップが生まれ、転倒したり、無理が生じて肉離れなどを起こしたりします。
また、年齢とともに運動器や内臓に疾患が隠れている可能性も高くなります。これらの疾患は運動によって重篤化してしまうことがあります。
さらに、健康な人でも体調不良の場合にはケガを引き起こすリスクが高まります。
運動をする前には、日常生活での運動量、健康診断結果や持病の状態、当日の健康状態を把握することが大切です。それに応じて準備や実際の運動量の調節をすることでケガを予防することができます。
運動で起こるケガや病気
急に運動すると、次のようなケガや病気のリスクがあります。
ケガ
転倒によるすり傷、捻挫、打撲、肉離れ、骨折など
病気
不整脈、狭心症、心筋梗塞などの心臓疾患、低血糖、脱水、熱中症、運動誘発性アレルギーなど
健康診断で異常が認められる場合や持病がある人は、医師のメディカルチェックを受けて、運動ができる状態か、突然死のリスクがないかなどの確認をする必要があります。
異常がある場合には、自己判断での運動は避け、状態に合わせた範囲内で行うことが必要です。
健康診断の異常や持病がなくても、胸が痛くなることがある、軽い運動で動悸がする、血圧が高いことがある、家族で突然死した人がいるなどに該当する場合は、医師に相談することをおすすめします。
運動前の準備
ジョギングやテニスなど負荷の大きい運動や、運動会など非日常的な運動を行う場合には、運動前に十分な準備運動をしておきましょう。
準備運動の方法
準備運動というと、屈伸運動などのいわゆるストレッチを行う方も多いですが、ストレッチだけではケガの予防にはならず、むしろケガのリスクを高めてしまう可能性もあります。
身体が温まっていない状態で筋だけを伸ばしてしまうと、それ自体がケガにつながることがあるからです。
準備運動を「ウォーミングアップ」と言いますが、その名のとおり、身体を温めて心拍数を高めることが目的です。ウォーキングやこれから始める運動の動きを軽く行うもので、ラジオ体操などが効果的です。
十分に身体を温めてから、ストレッチで関節や筋肉を伸ばして柔軟性を高めます。
服装にも気づかいを
服や靴は、運動に向かないものやふだん着用し慣れていないものを使用すると、熱中症、膝や足の負担や転倒などのリスクを高めます。
通気性の良い服や履き慣れた運動靴を着用しましょう。
運動後には、筋疲労の回復をサポートするために、ストレッチを行いましょう。
日常的に身体を動かしておきましょう
運動前のウォーミングアップはとても大切です。
しかし、体力の向上は短期間でできるものではありません。
歩く機会を増やす、階段を使用する、筋肉トレーニングやストレッチを取り入れるなどをできるだけ日常で継続的に行い、体力を維持・向上しておきましょう。
スポーツの秋、日常の運動習慣を増やし、安全に運動を楽しみましょう!
<執筆者プロフィール>
山本 ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー。
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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情報提供元: mocosuku