E START

E START トップページ > マガジン > 道端アンジェリカさんが告白した皮膚の病気「乾癬」について

道端アンジェリカさんが告白した皮膚の病気「乾癬」について

2017-12-28 18:30:04


執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師)
医療監修:株式会社とらうべ
皆さんは「乾癬(かんせん)」という皮膚の病気をご存知ですか?
道端アンジェリカさんの告白で知った… という方もいるかもしれません。
「原因不明」「治らない」といわれる乾癬ですが、解明に向け少しずつ研究が進められています。
今回は「乾癬」についてご説明しましょう。

乾癬とは


乾癬は慢性の皮膚疾患です。
国内の患者数は1,000人に1人くらいといわれています。
男女比でみると2対1で男性に多く、年齢は乳幼児から高齢者までかかります。
「かんせん」という病名から「感染」をイメージして、うつる病気と誤解する人もいますが、人から人に感染することは絶対にありません。
たとえば、発疹に触れても、温泉やプールで一緒になっても、周りの人にはうつらないということ、まずは正しい知識を持ちましょう。

乾癬の症状


典型的な症状は、皮膚が赤く盛り上がる紅斑(こうはん)ができ、銀白色のフケのようなものが付着して、ポロポロと剥がれ落ちます。
詳しくご説明すると、炎症を起こす細胞が集まって活性化してしまい、健康な皮膚と比べ10倍以上もの速度で皮膚が生まれ変わります。
毛細血管が拡張し、皮膚が赤みを帯びた状態になります。
皮膚の細胞が過剰生産されると、表皮の細胞が厚く積み上がり、鱗屑(りんせつ)というかさぶたのようになります。
その後ポロポロと剥がれ落ちるのです。
慢性の経過をたどり、人によって発症する部位や症状も異なるため、治療法はさまざまです。

乾癬の種類


尋常性乾癬


全体の9割を占めます。
盛り上がった紅斑に銀白色の鱗屑をともなった湿疹が全身に出ます。
大きさ、数、形はさまざまです。
頭部、肘や膝、臀部などにできやすいといわれます。
青壮年期の発症が多いのですが、内臓を侵すようなことはありません。

滴状乾癬


喉の痛みなどから誘発され、全身に雨滴上の小さな乾癬皮疹がでます。

乾癬性紅皮症


尋常性乾癬が悪化し皮疹が全身に及びます。

膿疱性(のうほうせい)乾癬


乾癬の中では重症型です。皮膚の表面に膿をもち発熱などをともないます。

関節症性乾癬


爪の変形や関節炎をともないます。

乾癬の原因


乾癬の原因は、まだ明らかになっていません。
乾癬になりやすい体質に加え、精神的ストレスや感染症、薬剤などの要素がプラスされて発症するのではないかと考えられています。
また、糖尿病や脂質異常症、肥満などの影響もあるのではないか、といわれています。
乾癬になりやすい体質は遺伝するともいわれていますが、必ず発症するわけではありません。

乾癬の治療法


慢性の経過をたどるため、現在の治療法で完治するのは難しいのですが、適切な治療により、症状が現われていない状態を保つようコントロールすることは可能です。
そうして治療を継続しつつ、生活習慣も見直しながら症状の改善を目指します。
乾癬の治療法は大きく分けると、次の4つがあります。

外用療法:ステロイドやビタミンD3など外用薬(塗り薬)の塗布


光線療法:光源ランプにより、紫外線を浴びる紫外線療法


内服療法:レチノイド(ビタミンA誘導体)やシクロスポリン(免疫抑制薬)などの内服薬


製剤療法:上記の治療で効果がない場合、注射や点滴で生物学的製剤を用いる方法


治療は皮膚科で受けますが、乾癬の種類や症状、日常生活への影響度合いなどを考慮して、治療法が選択されます。
また、膚科医を受診し診断を受けた後、悩みや不安を感じたときは、セカンドオピニオンや患者会に問合せるといった方法も検討してみるとよいでしょう。
<執筆者プロフィール>
南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師・株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

関連記事

情報提供元: mocosuku

  • Twitter投稿
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

人気記事

この記事へのFacebookのコメント