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根強い人気の「甘酒」… 効果的な飲み方はある?

2018-03-15 18:30:06


執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー)
医療監修:株式会社とらうべ
甘酒はお酒の一種と思う方もいるかもしれませんが、飲料類ではソフトドリンクに分類されます。
もちろん未成年でも飲むことができます。
健康・美容効果があるとして以前から注目を集めている甘酒。
最近はさまざまなメーカーの製品に加え、スイーツやパンなどのジャンルでも甘酒フレーバーが増えていて相変わらずの高い人気です。
そこで今回はあらためて甘酒の効能・効果について、ご一緒にみていきましょう。

甘酒の種類と効果


「美容に良い」とされる甘酒ですが、製法には2種類あります。
原材料や製造過程が違いますので、含まれる栄養素や身体への作用も異なります。
ここでは製法別の特徴をご紹介しますので、期待する効果によって選ぶとよいでしょう。

米麹を発酵させる甘酒


 米麹とお湯を合わせて約60℃で6時間ほど保温して発酵させます。
 酵素によって発酵が進むとブドウ糖が作られるため、自然な甘みが感じられます。
 米麹にはビタミンB群がバランスよく含まれ、とくに葉酸が多く含まれます。
*ブドウ糖:素早くエネルギー源となる
*ビタミンB1:糖質の代謝を助け、疲労回復に働く
*ビタミンB2:代謝を助け、皮膚や粘膜の健康を保つ
*ビタミンB6:たんぱく質の代謝を助け、神経伝達を円滑にする
*葉酸:細胞の生成を助け、血管の健康を保つ。
 代謝を促し、ダイエットのサポート、肌の健康を保つ、疲労回復などに役立つ

酒粕を溶かして作る甘酒


 酒粕を溶かして砂糖を加えます。
 短時間で作れる甘酒ですが、砂糖を加えますので摂り過ぎには気をつけましょう。
 酒粕にはアミノ酸、ビタミンB6、葉酸、亜鉛、食物繊維が多く含まれます。
*たんぱく質:筋肉や骨、皮膚など身体を構成する組織、ホルモンや神経伝達物質などのもととなる重要な成分
*亜鉛:細胞の代謝を助け、新陳代謝を促す
*食物繊維:便のかさを増して便通を良くし、善玉菌のエサとなり腸内環境を改善する。
 新陳代謝アップや腸内環境の改善により、肌や髪の毛を活性化する

甘酒の上手な活用法


健康的というイメージが浸透している甘酒。
とはいえ、飲めば飲むほど良いというわけではありません。
上手な取り入れ方のポイントをご紹介します。

適量


摂取量に特別な決まりはありません。しかし、1日の目安は1杯程度にしましょう。
コップ1杯200㏄で約160キロカロリー。子どもサイズの茶碗1杯のご飯に相当します。
意外と高カロリーですから飲み過ぎには注意しましょう。

タイミング


自分の体調、状態に合ったタイミングで取り入れてみましょう。
*朝食
食欲不振、時間の不足などを理由に朝食抜きという習慣の方もいます。
そんな方に甘酒をおすすめします。
甘酒は糖質やたんぱく質を含みますので、身体を覚醒させるとともに一日の活動のエネルギー源となります。
短時間で無理なく摂取できることも利点です。
*間食
食事をしっかり摂ったうえで、小腹が空いたときに適正範囲内の間食を摂るのは悪いことではありません。
ただし、ケーキやスナック菓子などはカロリー過多や栄養の偏りに陥りやすくなります。
間食に甘酒を選ぶと、カロリーが抑えられビタミンをはじめとした身体に良い栄養素を補うことができます。
*運動後
甘酒に含まれる糖質、たんぱく質、ビタミンB群などの栄養素は、身体の疲労回復を助けます。
運動後に摂ると、水分補給に加え疲れた身体の回復を促しますので効果的です。

料理に活用


甘酒の効果は魅力的、でも味や風味が苦手…そんな方は料理に活用してみてはいかがですか。
甘酒のもつ甘みやコクはお菓子や煮物などにマッチします。
お菓子の場合、砂糖や生クリームを減らしてその分甘酒を使用できます。
煮物の場合、砂糖やみりんの代わりに甘酒を使用すると、コクが加わり薄味でも美味しくいただけます。

甘酒を飲むときの注意点


身体に良い栄養素が含まれる甘酒ですが、注意点も押さえておきましょう。

摂り過ぎに注意


いくら身体に良い甘酒も、摂取する量に比例して健康効果が高くなるわけではありません。
前述のとおり、製法により原材料や栄養効果に違いがあります。
カロリーや糖質の摂り過ぎは健康にも美容にも逆効果です。1日1杯程度の量を守りましょう。

血糖値が高い方は要注意


どちらの製法であってもブドウ糖や砂糖は吸収の早い糖質ですから、血糖値(血液中の糖質量)を素早く上げます。
健康であれば問題はありませんが、もともと血糖値が高い糖尿病予備軍や糖尿病の方は血管に大きな負担をかけてしまいます。
健康診断などの検査で血糖値が高いといわれている方は、空腹時を避け食後に飲む、自分で作り甘みを抑える、などの工夫が必要です。
昔ながらのシンプルな甘酒だけではなく豊富な甘酒製品が増えているなか、製法や原材料、カロリーを確認して自分にあった方法で取り入れましょう。
<執筆者プロフィール>
山本 ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー。
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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情報提供元: mocosuku

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