
男子マラソンで日本歴代2位の記録を持つ池田耀平(26、Kao)が都内で取材に応じ、東京世界陸上の代表選考会を兼ねる「東京マラソン2025」(3月2日)に向けて抱負を語った。
【写真を見る】日本歴代2位・池田耀平、東京マラソンへ抱負「本物の力が試される」日本記録への挑戦は「自分が決めてやっていること」
池田は昨年9月のベルリンマラソンで2時間05分12秒をマークし、鈴木健吾(29、富士通)の日本記録(2時間04分56秒、21年びわ湖毎日)まで“あと16秒”に迫る快走をみせ、代表入りへ名乗りを上げた。
今年9月に行われる世界陸上に向け、すでに参加標準記録をクリアしている池田は、日本記録更新の期待も高まる中、東京マラソンでは「記録記録っていうふうにはなりすぎないように。楽しめるようなレースがしたい」と現在の心境を語った。
米国で高地トレーニング「ベルリン前よりはやった」
元日のニューイヤー駅伝では、最長区間2区(21.9㎞)を走り区間賞に輝いた池田。その後、アメリカのアルバカーキで高地トレーニングを実施したという。
「マラソンに関して自分自身の課題でもあった終盤、特にラスト2㎞でスピードを上げられるか、長い距離を走った後もプラスアルファのペースアップを意識してトレーニングをやってきました」と取り組んだ内容を振り返った。
「普段はマラソンの前にはハーフマラソンを走りたいんですけど、今回に関してはニューイヤー駅伝でハーフマラソン(に相当する距離)をしっかり走れたというところで、タイムとしてもそうですし、内容も粘り強く走れて、区間賞も取れた。結果と内容としても、自信をつけるような形でマラソンを迎えることができたと思ってます」と新年の駅伝で好感触をつかんだという。
さらにアメリカの合宿を経て手ごたえを感じているという池田は「当然(練習の)ボリュームもそうなんですけど、1回1回の練習の強度というところが、ベルリン前の夏の練習よりはやってきましたし、非常に密度の濃い練習がやれたんじゃないかな」と口にした。
日本記録を出したい「“無理でしょ”と思われているかも...」
池田は23年2月の大阪でマラソンデビュー。それまでの初マラソン日本最高(当時)を上回る2時間06分53秒をマークし、同10月のアジア大会の代表となり6位に入った。
24年はパリオリンピック™代表を狙い、3月の東京マラソンは招待選手としてエントリーするも故障で欠場。五輪出場は叶わなかったが、その後のベルリンマラソン(9月)で自身3度目のマラソン挑戦も日本歴代2位の好記録でフィニッシュした。
これまでのマラソン挑戦を振り返った池田は「アジア大会の失敗であったり、パリ五輪への挑戦ができなかったという思いも」と悔しかった部分に触れ、「(昨年は)東京マラソンのスタートラインに立てず、オリンピックを諦めるという形になったことが非常に悔しい要素ではあって。そこからどういう目標設定をしたらよりモチベーションを高くして取り組めるかって考えていたときに、“マラソンで日本新記録を出したい”という気持ちになって。それは僕自身がそういうふうに決めてやったことなので」と語り、初マラソン後の失敗や苦悩が次のステップへの原動力になったという。
「周りに無理でしょとか、そういうふうに思われるっていう部分はあったかもしれないですが、僕自身は“やれる”と思ってそこから挑戦してきた。結果的に(日本記録まで)10数秒届かなくて、まだまだ僕自身の足りない部分ではあったんですけど、できるという気持ちで取り組んできたことが形になったのかな」と目標達成への強い気持ちが歴代2位のタイムへとつながったと口にした。
東京マラソンから東京世界陸上へ「今回自分の本物の力が試される」
「大きな流れとしてはロス五輪(28年)というところを見据えている中で、世界陸上が間近にあり、それが手に届きそうなところにあるというか、注目していただいている部分ではあるので」と世界陸上の代表入りを見据える池田。
その代表争いが激化する中、「準備が順調にできている段階」と意気込む池田は「初マラソン選手が勢いで走ってくるっていうのは、僕もそうだったんですけど近年ではよくあるというか。その一発を(好記録で)走るけど、2回目3回目で(上手く)走れないっていうのは、最近はよく傾向としてあって、そういう選手が代表になって結果を残すっていうのは難しいことなのかな」とし、「そういった意味で、今回の東京マラソンっていうのは、自分自身の本物の力が試される場ではあると思っていますし、そういう中で勝ち取って、代表権(を手にする)っていうのが非常に価値のあるもの、本当に強い選手と思ってもらえるんじゃないかな」と気持ちを新たにした。
さらに「去年の(出場できなかった)思いも含めて走れるということを楽しめるように。(記録更新を)追いかけてしまうと、力んでしまったり、自分のパフォーマンスを発揮するのが難しくなってくると思うので。記録記録ってなりすぎないように。楽しめるようなレースがしたい」と静かな闘志を燃やした。
24日に行われた大阪マラソン前の時点では、東京世界陸上の参加標準記録(2時間6分30秒)の突破者は、池田を含め平林清澄(24年2月大阪)、吉田祐也(24年12月福岡)、若林宏樹(25年2月別府大分)の4人だったが、同マラソンを終え、日本人トップの近藤亮太(25、三菱重工)をはじめ新たに6人が加わった。
近藤は日本歴代5位(2時間5分39秒)の好走で、初マラソンの日本最高記録を更新。細谷恭平(29、黒崎播磨)、黒田朝日(20、青山学院大)、菊地駿弥(26、中国電力)、日本記録保持者の鈴木健吾(29、富士通)、柏優吾(24、コニカミノルタ)が2時間6分30秒以内でフィニッシュした。
男子は今回の東京マラソンが国内最後の選考会となり、パリ五輪代表・赤﨑暁(27、九電工)ら有力候補が招待選手としてエントリー。好記録が次々と誕生している選考会が続く中、勝負の大一番が迫っている。
・スマホのバッテリーを長持ちさせるコツは?意外と知らない“スマホ充電の落とし穴”を専門家が解説【ひるおび】
・「パクされて自撮りを…」少年が初めて明かした「子どもキャンプの性被害」 審議進む日本版DBS “性暴力は許さない”姿勢や対策“見える化”し共有を【news23】
・【検証】「布団の上に毛布」が暖かい説 毛布は布団の「上」か「下」か 毛布の正しい使い方【Nスタ解説】