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【日本選手権展望】男子200m鵜澤飛羽に日本人初の19秒台の期待 ピークを合わせなかったアジア選手権で20秒12

スポーツ
2025-07-04 06:00

9月開催の東京2025世界陸上の最重要選考競技会である日本選手権が、7月4~6日に東京・国立競技場で行われる。男子200mで歴史的な記録が誕生しようとしている。鵜澤飛羽(22、JAL)が5月3日の静岡国際で追い風参考ながら20秒05(追い風2.1m)で優勝、5月31日のアジア選手権(韓国クミ)では20秒12(追い風0.8m)で2連勝を達成した。末續慎吾(当時ミズノ)が03年の日本選手権でマークした20秒03(追い風0.6m)の日本記録更新だけでなく、日本人初の19秒台突入の期待ができる段階に入っている。5月の2大会の結果だけでも十分ではあるが、他にもいくつか、日本選手権で19秒台が期待できる根拠を提示する。


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アジア選手権はセカンド記録日本最高タイ

鵜澤の19秒台の可能性が高いことを、まずはデータで紹介する。
鵜澤がアジア選手権で20秒12を出したことで、日本歴代4位までの各選手の上位5パフォーマンスは以下のようになった。


◆末續慎吾
20秒03(+0.6)20秒20(+1.2)20秒22(±0)20秒25(+0.5)20秒26(-0.8)
◆サニブラウン
20秒08(+0.8)20秒13(+1.1)20秒32(+0.3)20秒34(-0.4)20秒35(±0)
◆飯塚翔太
20秒11(+1.8)20秒21(+1.4)20秒27(±0)20秒29(-0.1)20秒31(+0.9)
◆鵜澤飛羽
20秒12(+0.8)20秒13(+0.8)20秒23(-0.4)20秒26(-0.4)20秒32(-0.2)


自己記録の比較では末續とは0.09秒差があるが、セカンド記録では鵜澤が静岡国際の予選でマークした20秒13が、サニブラウンと並んで日本最高タイムになる。末續のセカンド記録の20秒20は大きく上回っている。しかし5番目の記録では末續の20秒26が最高で、末續の強さを示している。セカンド記録の比較だけで鵜澤が、末續を上回るとは言い切れない。


だが上位5パフォーマンスの最高年齢を見ると、末續は27歳シーズン、サニブラウンは21歳シーズン、飯塚は32歳シーズン、鵜澤は23歳シーズンである。サニブラウンは19年を最後に200mはほとんど走らなくなったので、例外的と考えていい。鵜澤の上位5パフォーマンスは今後、充実の一途をたどる。それを考えると鵜澤が、日本記録を更新する可能性は大きいといえそうだ。


アップ中に「20秒2台か3台かな」と感じていたアジア選手権

アジア選手権の20秒12は、鵜澤自身の想定を大きく上回る記録だった。その点を鵜澤は、帰国時に次のように話していた。


「予選(20秒94。向かい風1.0m)が上手くはまらない嫌なレース、良くないレースをしてしまったので、思ったより疲労がたまってしまいました。決勝のウォーミングアップでは20秒2台か3台かな、と感じていましたね」


20秒2~3台を予想したのは動きの問題を感じたからだが、動きがはまらなかったのはアジア選手権にピークを合わせていなかったことも関係している。
「鵜澤は1回ピークを持っていくと、もう一度上げるのが大変な選手です」と、鵜澤を指導する筑波大の谷川聡監督。5月3日の静岡国際と同10日の世界リレー選手権(予選3組1位)で一度ピークを上げた。静岡国際は前述のように20秒13の自己新と、追い風参考の20秒05。世界リレー選手権は3走の区間タイムが9秒19で、予選4組を通じて最速タイムだった。


「世界リレーのあとしっかり練習して、アジア選手権は3本をしっかり走ることを目的にしていました。ピークはそれほど合わせていません」


アジア選手権の20秒12は、まだまだノビシロを残した記録だった。


日本選手権にはピークを

谷川監督は日本選手権には「アジア選手権とは違ってピークを合わせます」と明かしている。


「技術的に取り組もうとしていることはありますが、日本選手権だから、世界陸上だからと特別何かを変えることはありません。練習を上げたり下げたりをして、パフォーマンスを上げて行きます。(技術的な)ストライクゾーンが大きくなって、的に当てられるようになってきたので、日本選手権と、翌週の海外レースに出られるようなら、その2試合で当てる精度を高められたらいいかな、と思っています」


記録は風などの気象条件や大会の雰囲気等にも左右されるので、人間がコントロールできないこともあるが、日本選手権で19秒台が出る可能性が高くなるのは間違いない。環境は人間がコントロールできないが、選手は自身の気持ちや意識をコントロールすることはできる。それが記録を出す大きな力となることもある。鵜澤は4月1日のJAL入社式で、今シーズンにかける気概を次のように話していた。


「以前は日本記録を超えるのが目標と言っていましたが、訂正したいと思います。日本記録を通過点にできるくらいにしたい。今年一番の目標は世界陸上の決勝で走ることです」


日本選手権での19秒台の先には、世界陸上で末續(03年銅メダル)、サニブラウン(17年7位)に続いてファイナリストになることがある。


(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)


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