
優秀な先発完投型の投手に贈られる最高の名誉「沢村賞」の選考委員会が27日、都内で行われ、日本ハムの伊藤大海(28)が初受賞。日本ハムでは2007年、ダルビッシュ有以来、18年ぶり2人目の受賞となった。
会見に出席した堀内恒夫選考委員長は、伊藤のほかに阪神・村上頌樹(27)、DeNA・東克樹(29)、ソフトバンク・有原航平(33)が最終選考に残ったというが、「1番良い数字を大事にという考えを元に、伊藤くんがセ・パ両リーグの中で一番試合数、勝利数、完投数、投球回、奪三振、QS(6回以上投げて自責点が3点以内)全てでナンバーワン。最後の決め手はここです」と話した。
今季の伊藤は、27登板、14勝、6完投、勝率.636、196.2投球回、195奪三振、防御率2.52をマークし、選考基準の「25登板以上」「10完投以上」「15勝以上」「勝率6割以上」「200投球回以上」「150奪三振以上」「防御率2.50以下」の7項目のうち、「25登板以上」、「勝率6割以上」、「150奪三振以上」の3項目をクリア。2年連続2桁勝利を挙げ、2年連続2度目の最多勝を獲得、さらに最多奪三振のタイトルも初めて手にした。
また、同会見では2026年度からの選考基準の変更も発表。これまでの選考基準から「10完投以上」が「8完投以上」に、「200投球回以上」が「180投球回以上」に変更となる。堀内委員長は、「完投数や投球回数は減少傾向にあります。中継ぎや抑えなど分業化が進んだこともあります。先発投手が最後まで投げる機会も減少しています」と説明し、来年で80回を迎える節目の年に、変更を決断した。
さらに「完投数と投球回数においては現行基準では達成が著しく困難な状況であることが明らか。その状況を踏まえ沢村賞80回を機に6月に検討会議を開き、慎重に議論を重ねました。伝統や理想と時代性を両立させながら、沢村賞の理念に沿う形で選考基準を見直す方向で一致した」と経緯を明かした。
そのほかの項目は現行どおりとし、2018年から参考基準としているQSも引き続き考慮し選考するという。今後も「野球をとりまく環境は変化していくことが想定されるため、5年をめどに選考基準を検証し、議論していきたい。我々選考委員は、沢村賞がこれからも先発完投型の本格派投手に贈られる最高の栄誉としてその名にふさわしい形で継承され、日本プロ野球界の発展に貢献できるよう努めていきたい」と考えを明かした。
昨年は6度目の“該当者なし”となり、堀内委員長は選考基準について「少しずつ手を加えていく必要がある」と話し、投手の分業制が進み、“200投球回“と“10完投”のクリアが厳しくなったことを受け、「本当は変えたくないんですけどやっぱり数字が出てこない。時期を見てそういう話し合いになる可能性はあります」と選考基準の変更も視野に入れていた。
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