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【ニューイヤー駅伝展望】V奪還狙うHondaに小山直城と森凪也の“東京世界陸上代表コンビ”前半区間次第で逆転可能な戦力

スポーツ
2025-12-27 12:00

2026年最初のスポーツ日本一が決まるニューイヤー駅伝 inぐんま(第70回全日本実業団対抗駅伝競走大会。群馬県庁発着の7区間100km)。前回2位のHondaは5000mの森凪也(26)、マラソンの小山直城(29)と、2人の東京2025世界陸上代表を擁する。森は1区、小山は2区と、2人とも前回走った区間を希望している。前回優勝の旭化成、3位のトヨタ自動車、4位のGMOインターネットグループ、5位のSUBARUなど、優勝候補の1~3区はどのチームも強力なメンバーになる。その中でHondaの世界陸上代表コンビが快走すれば、22年&23年の2連勝以来の駅伝日本一に近づく。


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■ニューイヤー駅伝(1月1日)の区間と距離、中継所
1区 12.3km 群馬県庁~高崎市役所
2区 21.9km 高崎市役所~伊勢崎市役所
3区 15.3km 伊勢崎市役所~三菱電機群馬工場
4区 7.6km 三菱電機群馬工場~太田市役所
5区 15.9km 太田市役所~桐生市役所
6区 11.4km 桐生市役所~伊勢崎市西久保町
7区 15.6km 伊勢崎市西久保町~群馬県庁


森はリードを奪う役割


高校、大学と目立った実績のなかった森だが、入社3年目の昨年大きく成長した。日本選手権5000mで2位に入り、初めてニューイヤー駅伝にも出場。1区で区間9位ではあったが、区間賞の長嶋幸宝(21、旭化成)と5秒差にとどめた。


今年はさらにレベルアップを果たし、アジア選手権5000m3位を経て世界陸上代表入り。予選1組15位で決勝進出はできなかったが、レース内容が素晴らしかった。日本選手が苦手とする3000m以降の急激なペースアップに対応し、4000m過ぎまで先頭集団に食い下がった。


大観衆の注目を一身に浴びた経験を喜ぶ一方で、「欲を言えばあと1周(400m)くらいは先頭集団についていきたかった。決勝に15秒足りなかった」と悔しさも滲ませる。「代表のユニフォームを着て走る夢は叶えることができましたが、今までゴールだと思っていたところが、スタートだと感じられました。ここから30歳までの4年間が、代表入りするための4年間なのか、世界で戦うための4年間なのか、では大きく違います」。


ニューイヤー駅伝で果たすべき役割も、ワンランクアップしたと自覚している。「前回は1区でトップと5秒差で、最低限の仕事は果たすことができました。今回は1区か3区だと思いますが、リードを取る部分も求められます。前回はチームの上の人たちに頼るマインドでしたが、今回は勝負区間として頼られる走りをしたいと思っています」。1年前はニューフェイス的な雰囲気もあった森だが、世界陸上を経験し、今はチームの中心選手としての風格も出てきた。


小山はパリ五輪後の前回よりも余裕の感じられる調整


小山は24年のパリ五輪(23位)に続いて、世界陸上にも出場。順位はパリ五輪と同じ23位で悔しさを感じているが、レース内容は「パリでは20km手前で後れてしまいましたが、東京世界陸上は30kmまで先頭集団で走ることができました。世界陸上に向けてスピードや、暑さ対策をしたことは良い経験になった」と成長も感じられた。


ニューイヤー駅伝では、前回は2区区間7位で9位から5位に順位を上げたが、今回は「アンカーも一度走ってみたいですし、任された区間を確実に走りたいと思っていますが、2区になったら最低でも区間3位以内」を自身に課す。春に5000mと10000mのレースにも出場し、スピードを出すことに一度取り組んだことが良かったという。「スピードの余力が出て、それが冬になって効いてきました」。12月第1週の甲佐10マイル(約16km)は、2年連続で2位だったが、タイムは46分06秒と前年より19秒アップした。


「世界陸上後は上手く疲労を取ることができて、パリ五輪の後より順調に調整できています。ストレスなく練習ができて、気持ちの面でも余裕があります。今回も2区なら、前回集団から離れてしまった残り6kmで、踏ん張りたいですね」。


3年前の2連勝時に小山は、当時最長区間だった4区(22.4km)で区間3位、チームをトップに浮上させた。その走りを、2年前から新しくなった最長区間でも再現させるつもりだ。


小山は区間賞にも意欲


前回は4区のイエゴン・ヴィンセント(25)と5区の青木涼真(28)の連続区間賞でHondaは5区、6区と「#Hondaは走れ#いちばん前を」のキャッチコピーを実行に移した。だがアンカーの7区で中山顕(28)が旭化成に追いつかれ、フィニッシュ前のラストスパート決戦に8秒差で敗れてしまった。


中山は「陸上人生の中で一番悔しい経験でした。この1年、あの悔しさを忘れたことはありません」と振り返る。ニューイヤー駅伝後はマラソンで2時間08分24秒と自己記録を更新。その後はケガもあったが「あの悔しさがあったから、ケガをしても腐らずに頑張ることができました」。


ニューイヤー駅伝は1~3区に、各チームのスピードランナーやマラソンの日本代表が揃う。Hondaの小川智監督は3区終了時にトップから「10~20秒差ならラッキーです」と話す。視界に入る距離なら追いかけ、4区以降で逆転が可能と見ている。5区で他チームの脅威となっている青木や、甲佐10マイルで3位と絶好調の木村慎(31)、同6位の吉田礼志(23)、前回6区区間3位の久保田徹(24)、そして中山らが後半区間の候補。


21年東京五輪&22年オレゴン世界陸上10000m代表だった伊藤達彦(27)は、体調不良でレースに出られなかった時期もあった。だが甲佐10マイルで「予定通りのペース走」(小川監督)を行い、「2区、3区の候補」と言えるところまで復調している。新人の吉田も前半から速いスピードで入れる選手で、前半区間の可能性もあるという。「2年前のように(2、3区で)トヨタ自動車を逃がしたくないですね」と小川監督。


小山は1年前、同期入社の中山が7区で逆転された際、「おまえの責任じゃないぞ」と声をかけた。「2区の責任だったと重々承知しています」。前半区間は先頭が見える位置で渡せばいいと小山も理解しているが、個人的には「区間賞」も狙って走る。森や小山ら前半区間候補の選手も「#Hondaは走れ#いちばん前を」を目指して走ることで、HondaのV奪回の可能性が大きくなる。


(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)


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