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兵庫県知事選挙でのSNSの運用をめぐり刑事告発されていた、PR会社の関係先が2月7日、家宅捜索を受けました。
【写真を見る】兵庫県知事選をめぐる誹謗中傷 立花孝志氏の発信“情報源”一枚の文書を検証【報道特集】
知事選をめぐっては、そのSNSで、事実に基づかない情報や憶測が拡散されたことも問題となりました。立花孝志氏が情報源の一つとして示した文書について検証します。
「根拠めちゃくちゃ薄い」立花氏による発信、拡散の影響は?
兵庫県知事選をめぐる強制捜査が始まる前の2月5日。
──選挙中及び選挙後も立花孝志さんが、竹内(英明)元県議を初め、百条委員会の委員の県議に対して、誹謗中傷とも言われる情報発信を続けて来た。こうした立花さんの行動について斎藤知事はどのようにお考えか。
斉藤元彦 兵庫県知事
「私自身は立花さん自身を直接知る立場でもないですし、そういった個人の行動をですね、コメントする立場ではない」
──立花さんを個人的に知っているかどうかではなく、そういった情報発信、誹謗中傷とも言われる情報発信について、斎藤知事はどういうふうに考えてらっしゃるのか。
斉藤元彦 兵庫県知事
「行政として、個人間のやり取りに対しての問題に立ちいるということは難しいということも理解いただきたいと思いますし、そういった意味で、特定の発信や特定の投稿内容をチェックするという権能がないということも あります」
2024年7月、斉藤元彦知事のパワハラ疑惑などを告発した、元県民局長が自殺。疑惑を追及していた竹内英明元県議も2025年1月に亡くなった。
立花孝志氏は選挙期間中に中傷を繰り返し、それがSNS上で拡散された。自殺した県民局長について──
立花孝志氏(立花氏のYoutubeより 2024年11月2日)
「あの人が、複数の兵庫県の女性職員に対して、不同意性交してた可能性が極めて高いんですよ。自分の部下たち10人。10年で10人の部下の職員と卑猥なことをしてたんですよ」
竹内さんについては──
立花孝志氏(2024年11月15日)
「竹内県議がようさんデマ流しとるわ。悪い奴らだ。いつでも話するで」
立花孝志氏(2024年11月15日)
「丸尾とか竹内とか…要は1人狙う。いじめの原則で、いじめる時って、いっぱいいじめたらダメなんですよ。誰か1人にガーンと行くんですよ。こいつをやめさせていったら、周りの人がビビってひっくり返る」
百条委員会の奥谷謙一委員長の自宅前では──
立花孝志氏(2024年11月3日)
「出てこい、奥谷。一応チャイムだけならしとこ。あまり脅しても、奥谷さんが自死されても困るので、このくらいにしときますけど、竹内さんのところにも行きますよ」
立花氏は、元県民局長が「10人と不倫した」という自らの発言の根拠を問われると──
立花孝志氏(2024年11月15日)
「これはね、根拠めちゃくちゃ薄いです。『10人ぐらい』と言ってた人は1人いましたね。政見放送の時に、『10年』と『10人』が 引っかかって、そのまま『10人』って言っちゃったみたいですね。『まぁ、ええわ』みたいな感じで。『あんま変わらんわ』って感じなんで」
「元県民局長は不同意性交をしていなかった」と発言を訂正したのは選挙から2週間後のことだった。
「一番怖かったのは周りの聴衆」百条委員会委員長が語る恐怖
百条委員会の奥谷委員長は、立花氏が自宅に来たときの恐怖をこう語る。
百条委員会 奥谷謙一 委員長
「いよいよ2時から3時ぐらいに(立花氏が)来たんですけどね。そのときに私も(自宅に)実はいて、僕も窓からのぞいて外を見たらばれると思って、自分でYouTubeで、その立花さんの演説を配信しようとされてる方のやつを見てたんですけど。
自分の知ってる風景が映って、だんだん自分の家に近づいてくるっていうのを見たときは、率直に怖かったですね。
一番怖かったのは、その周りの聴衆の方というか。立花さんが私の自宅のインターホンを押してみようかってなったときに、笑い声とか拍手とかが、聞こえてくるわけです」
奥谷氏は、亡くなった竹内さんの当時の思いを、こう推し量る。
奥谷 委員長
「『竹内さんは反論すればよかったじゃないか』と言う方もいると思うんですけど。例えば、自分が反論して『今度もっと酷いことをされるんじゃないか』と、もしかしたら竹内さんも思ってたのではと思った。
何か自分が反論したらもっとひどいことされたり、過激化するようなことがあるんじゃないかっていうのは、思ってたんで」
波紋を広げた県職員アンケートへの不信感
立花氏によるネット上の投稿が拡散された理由の一つに、百条委員会の追及に使われたアンケートへの不信感があるという。
県職員およそ9700人を対象に行われたアンケート結果は、斎藤知事のパワハラについて「目撃などにより実際に知っている」「実際に知っている人から聞いた」「人づてに聞いた」など経験の申告から伝聞まで内容の信ぴょう性はさまざまだった。
「人づてに聞いた」とする回答のなかには、姫路ゆかたまつりに関連して「知事が『出禁』になった」「老舗呉服店を閉めて場所を確保させた」など、番組の取材では事実ではないものも含まれていた。
中間報告では、「実際にパワハラを知っている」と答えた人は1.3%で、「実際に知っている人から聞いた」「人づてに聞いた」と答えた人は、あわせて37%だったのだが、大手メディアは「パワハラ見聞き4割」との見出しをつけ報道した。
維新の会 増山誠 県議
「(アンケート内容を)精査してもなお『4割パワハラ見聞き』と記事を書く人間がいれば、よほど読解力がないか、悪意を持って編集したかどちらかしか考えられない」
百条委員会の委員である丸尾牧県議。「知事を貶めるためにこのアンケートを考案した」という誹謗中傷が拡散されている。
個人情報が悪用され、身に覚えのない保険契約まで結んだことに。事務所の前に掛けていた看板は下ろした。
丸尾牧 兵庫県議
「これからたくさんの人が来るのかなということで、被害は最小限に出来たらなということで。恐怖と、回避のために。日常も事務作業しているとき、基本的にシャッターを閉める」
百条委員会が実施したアンケートに批判があることについて。
丸尾牧 兵庫県議
「デマ・切り取りがネット上で出回って、職員の思いと異なる内容かなと思いますし、非常に本当に残念な表現がされて、またそれが広められたというのは悲しいとしか言いようがないですね」
その一方で、アンケートの内容についての報道には。
丸尾牧 兵庫県議
「マスコミ関係の方も、早く情報出したいという思いの中で、色々な情報が駆け巡ったというのも事実で。そこはこちらからも、もう少し慎重に情報の発信をしないといけないというか、『そこ(回答内容)の事実確認はできていません』ということは、繰り返し言わないといけなかったのかなと思っています」
立花氏の情報源 「秘密の文書」は誰から提供されたのか
2024年10月31日、兵庫県知事選の告示があり、大手メディアによるパワハラ疑惑についての報道が激減した。11月2日から、立花氏がYouTubeのライブ配信で元県民局長や県議らについて過激な内容の発信を始めた。
その前日の11月1日、立花氏は一枚の重要な文書を入手したことを発信していた。
立花孝志氏(2024年11月1日)
「今日ね、秘密の文書をもらってきました。自殺した人が一人で(告発文を)作ったと思っている人いません?違う人物も関与していた。竹内さん。竹内県議。あ、言っちゃった」
この4日後に、一部を黒塗りにして公開。
立花孝志氏(立花氏のYoutubeより 2024年11月5日)
「もうせっかくなんで、これね。公表しようかとか悩んでたから、ちょうどよかった。これをもらいました」
そこには、竹内元県議について記されていた。
「マスコミに一方的な情報のリーク」
「黒幕(主犯格)は竹内(県民連合)」
さらに、自殺した元県民局長についても──
「過去10年以上にわたって複数の職員と不倫」
立花氏は、「片山元副知事が会いたがっている」と誘われたことをきっかけに、文書を入手できたと話す。
立花孝志氏(立花氏のYoutubeより 2024年11月15日)
「『片山元副知事が立花さんに会いたがってます』っていう連絡が入ったんです」
問題の11月1日。神戸のホテルの一室に向かうと、待っていたのは片山氏ではなく、ある県議だったという。
立花孝志氏(立花氏のYoutubeより 2024年11月15日)
「この県議会議員の人に、これ(文書)をもらってきました。『僕は中身よく分かりません』と言われてもらってきました」
竹内さんが亡くなり批判の声が広がる中、立花氏は先週突然、文書を渡した人物の名前を明かした。
「『副知事と会う』っていう話だったのに、岸口さんがいた」
百条委員会副委員長で「維新の会」の団長を務めていた岸口みのる県議だ。
「現職兵庫県議会議員から文章を直接手渡された」同席した市議の証言
当時、その場に立花氏とともにいたと投稿した市議がいる。
宮城そういち 市議(2024年11月6日)
「案内された部屋には一名の現職兵庫県議会議員(片山元副知事の代理人)が待機していて、立花はその方からこの文章を直接手渡されました」
立花氏と親しい千葉県四街道市の宮城そういち市議だ。報道特集の取材に応じた。
──県議の方のお名前は覚えてますか。
宮城そういち 市議
「上の名前言われれば…なんだっけな」
──岸口さんではないですか?
「そうそう、その人です」
──百条委員会の副委員長ですか?
「その方ですね」
──その方から立花さんは文書を受け取った。
「その通りですね」
──それは間違いないですか。
「間違いないですね。私もそこにいましたから」
宮城市議は、ホテルの部屋であの文書を立花氏に手渡したのは、たしかに岸口県議だと証言した。
──当時その文章を手渡されたときに、岸口さんはどのようなことをおっしゃってましたか。
宮城そういち市議
「それは結構(面会の)時間長いんでね。30分ちょっとぐらいですか。手渡されたその文章の中身について説明してた感じですね」
「私は渡してない」食い違う立花氏と岸口県議の証言
立花氏に文書を渡したというのは事実なのか。2025年2月6日、岸口県議が取材に答えた。
岸口みのる 県議
「文書を提供したという事実はありません。事実として提供していません。第一私はそういう情報を持ち合わせてない。(片山元副知事の)代理ということでもありません」
──会いに行ったという事実もない?
「まぁ会いに行ったというか、顔は見ましたよ。でもまぁその程度」
──そうすると文書を渡した事実はないと答えるのが正確ですか?
「まぁそうです」
──そうすると立花さんが発信しているのは事実ではないと?
「事実ではないということです」
──これは明白な虚偽だと。
「虚偽かどうかは、立花さんに聞いてみないとわからないけど、私は渡してないんですから」
──それは虚偽ですね。
「ですから私から立花氏に対して、情報の提供・情報の漏えいということは、一切事実でありませんということです」
岸口県議の証言をもとに立花氏にメールで質問すると、7日の定例会見でこう回答した。
立花孝志氏
「これ(文書)を私に渡してくれたのは、兵庫県の百条委員会副委員長の岸口さんという方です。これについては、特段秘匿する必要性がないので。岸口議員からいただきました」
岸口議員が「一切情報提供していないと」報道特集に話したことについては──
立花孝志氏
「岸口さんが嘘ついてますね。僕、こういうのを隠せないんで。昼、岸口さんと電話をしました。岸口さんに『嘘をついてくれ』と言われました。
なぜ逃げるんですか。何で僕に嘘をついてくれとか要求してくるんですか。あのさ、人にこんな紙を持ってきて俺に喋らせといて、あとからそんな紙渡ししないって言われたら、俺めっちゃ悪者やんこれ。何それ」
これまで立花氏はターゲットにした人物について事実でない批判をし、後から訂正を繰り返してきた。そして今回、岸口議員と主張が真っ向から対立している。
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