おととい、埼玉県行田市で、男性作業員4人がマンホールに転落し亡くなりました。硫化水素が原因とみられていますが、現場での安全管理の問題も指摘されています。
おととい、埼玉県行田市のマンホールで起きた事故。下水道管の点検作業をしていた、いずれも50代の男性作業員4人が転落し、死亡しました。
警察はきょう、司法解剖の結果、2人の死因は硫化水素中毒とみられ、ほかの2人の死因は窒息とみられると発表しました。
なぜ、事故は起きたのか。当時の状況が徐々に明らかになってきました。
行田市から依頼を受け、点検を行っていた三栄管理興業によりますと、マンホールの直径は60センチ、深さは12.6メートルです。
午前9時すぎ、まず、中の状況確認をしていた作業員が大きな声を発したあと、転落しました。それを知った現場責任者がすぐに確認に向かいましたが転落。その後、別の2人の作業員も救助しようとする中で、転落してしまったということです。
4人はいずれも落下防止器具を装着していませんでした。
さらに当時、内部では国の基準値の15倍以上の硫化水素が検出されていました。しかし、現場には地上から酸素を送る呼吸用マスク=「エアラインマスク」も用意されていなかったということです。
こちらは、きょう千葉県木更津市のマンホールの中で行われていた通信ケーブルの工事。地上には「エアラインマスク」が用意されていました。
別の工事現場の担当者
「マンホール内で具合が悪くなったり、救助しに行くのに使うマスクです」
今回、事故が起きた行田市の現場にマスクが無かったことについては…
別の工事現場の担当者
「安全装備の不足というか、自分たちでは考えられないような感じで作業された。ちょっと危険だなという印象が強い」
緊急時には欠かせないマスク。三栄管理興業は用意しなかった理由についてこう説明しています。
三栄管理興業
「7月16、17日の作業時には硫化水素の濃度に問題はなく、マスクを使用しなかったため、今回は現場にエアラインマスクを用意していなかった。今回の事態を厳粛に受け止め、再発防止に向けた対策を速やかに講じてまいる所存」
警察は当時の状況などを詳しく調べています。
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