きょう(4日)の国会で、臨時国会中では異例となる衆議院・予算委員会が開かれました。
【写真を見る】参議院選挙後“初の国会論争” 石破総理と野田代表のやり取り
参議院選挙後、初となる国会論戦で、石破総理が強調した言葉に注目しました。
参院選後初の国会論戦 石破総理は「責任の共有」を強調
高柳光希キャスター:
参院選後、初の国会論戦で注目したのは、石破総理と立憲・野田代表とのやり取りです。
【石破総理と立憲・野田代表の論戦】
▼政治改革
立憲・野田代表
「与党第一党、野党第一党の党首同士で話し合いたい」
石破総理
「そのようにさせていただきたい」
▼ガソリン暫定税率
立憲・野田代表
「年内にやりましょう」
石破総理
「そのように努める」
▼物価高対策
立憲・野田代表
「真摯に協議させていただきたい」
石破総理
「その通りにさせていただきたい」
こうしたやり取り、どう見ていますか。
TBS報道局 政治部 原尉之さん:
石破総理は、与野党で「責任の共有」と強調しました。
特に「ガソリンの暫定税率」については、「私と野田代表の信頼関係において、責任を持ってほしい」とまで呼びかけたわけです。
財源についても「与野党でしっかりやっていきましょう」と、責任の共有について呼びかけたというのが印象でした。
「給付」と「減税」の両方実現の可能性
高柳キャスター:
立憲民主党との責任の共有により、物価高対策について、「給付」と「減税」どちらも実現する可能性が出てきています。
今後行われる予定の「秋の臨時国会」。自民党の公約にある「給付」を実現するには補正予算を通さなければいけません。
【秋の臨時国会の補正予算通過には】
衆議院(過半数233)
与党220
野党など245
衆参ともに少数与党であるため、「給付」を実現するには、野党との連携が不可欠となります。
JNN世論調査では、以下のような結果となっています。
【“自公政権”新たに加わるなら?】
立憲:17%
維新:14%
国民:23%
参政:15%
それ以外の党:16%
答えないなど:16%
(JNN電話世論調査 8月2・3日調査。RDD方式〔固定・携帯〕。有効回答:全国18歳以上1003人)
TBS報道局 政治部 原尉之さん:
現在、衆議院では与党が220議席となっています。
JNN世論調査によると、15%が「参政党と連立を組むべき」という数字が出ていますが、仮に衆議院で連立を組んだとしても、過半数には届かない状況です。
現実的には、「立憲民主党」「日本維新の会」「国民民主党」と手を組むことを、これから模索していくことになります。
連携するには、それぞれの党が出す条件がポイントになります。「どのような部分連合ができるのか」を協議していくということです。
【手を組むのには条件が…】
立憲(衆148):食料品の消費税を原則1年間0%、1人2万円の給付金(食卓応援金として)
維新(衆38):社会保険料削減
国民(衆27):178万円の壁
立憲民主党の「2万円の給付」については、自民党も「給付」を掲げていますので、野田代表と石破総理の話し合いで、“財源を確保して、できるのか”が焦点になっていくと思います。
井上貴博キャスター:
立憲民主党としては、「自民党のやりたい給付金について手を繋ぐので、1年間の消費税減税は飲んで」という条件闘争になるのでしょうか。
TBS報道局 政治部 原尉之さん:
これまで自民党は「消費税の減税はなし」の方向で選挙中、戦ってきました。
ただ、選挙結果を受けて国会の景色がすごく変わりましたので、石破総理は予算委員会でも、第1党と第2党の責任と、「自分たちが責任を持ってやる」と呼びかけをしました。
それぞれ危機感を共有したので、もしかしたらその(消費税減税)方向に行くかもしれませんが、なかなか難しいと思います。
“決まらない国会”となる? 「責任の共有」の危うさ
井上キャスター:
今までは、与野党対決という形でしたから、今回の国会のやり取りを見て本当に景色が変わったと感じました。
政策ごとにやれることをやる、党利党略を超えていくというのは、ある意味で求めていたことなのかもしれません。
スポーツ心理学者(博士) 田中さん:
「政策ごとの部分連携、それが最適なのかもしれない…」など、いろいろと考えることがありました。
諸外国も含めて、今の世の中のリーダーシップというのは、「従え!」とトップダウンで簡単に解決できる問題ではなくなってきました。
いろいろと話を出し合い、全体最適が何なのかを考える、見落としてしまったものは何なのかなど、私達が知ることができる機会は重要だと思います。
私はいろいろな党が組んだ際の、「ベストはこれ、弊害はこれ」となったプロセスを全部知りたいので、「なるほど、そういう方向なのか…」とは思いました。
井上キャスター:
“決まらない国会”になる可能性があることも、どう考えていくのでしょうか。
スポーツ心理学者(博士) 田中さん:
「責任の共有」というのも危ういように感じます。
「責任の所在はどこなのか」となった場合、「みんな」となるおそれもあり、いろいろな弊害が出てくると思います。
出水麻衣キャスター:
臨時国会の期間も短く、現状で何も見えてきていません。その後のプロセスが見えてこないのではないかという不安はあります。
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<プロフィール>
原尉之
TBS報道局政治部 与党担当
自民・森山幹事長ら政権幹部を取材
田中ウルヴェ京さん
スポーツ心理学者(博士)
五輪メダリスト 慶応義塾大学特任准教授
こころの学びコミュニティ「iMiA(イミア)」主宰
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