
テレビ局には番組を観た視聴者から様々な声が寄せられる。TBSテレビの「視聴者センター」は、こうした声を集約し番組制作の現場にフィードバックさせるのが仕事だ。担当者が寄せられた“声”の一端を紹介する。
9月に入っても暑い日が続く中、9日間にわたり熱戦が繰り広げられた「東京2025世界陸上」。視聴者の皆様からも、連日数多くのご意見が届きました。
まず、中には「あまり陸上には詳しくなくて」という方もいらっしゃると思いますが、「そんな方にも見やすく」という制作側の工夫に対して、嬉しいご意見が寄せられました。
「初めて陸上競技をしっかりと拝見しました。⼀番ありがたかったのは、左上に⻘ボタンのマークと共に表⽰される解説でした。ルールや用語が全くわからなかったのですが、この解説のおかげでストレスフリーで応援することができました。選手個人についての解説なども興味深くとても楽しかったです。これからも是非続けてほしいと思いました」(20代女性)
それから、今回多くいただいたのは、出演者への好意的なご意見でした。特に、大会スペシャルアンバサダーとなった織田裕二さんには、「織田さんあっての世陸」といった声が多数届きました。
「やっぱり『世界陸上』には織田裕二さんが必要です。前回は見なかったけれど、全部リアルタイムで見ます。織田さんがいると、とても楽しいです」 (50代女性)
「織田さんの熱い思いに共感できますし、競技の知識や脱線した話も本当に面白いです。織田さんの続投を熱望します」 (女性40代)
また、今回は様々な競技で女性アナウンサーが実況を担当しましたが、それについて、冷静で好意的なご意見があり、とても嬉しく感じました。
「⼥性アナウンサーの実況は、思っていたよりも聞きやすいし、声の高さを低めに抑えるなどの努力や工夫もされていると思いました。批判的な意見も当然あるとは思いますが、聞き慣れていないことによるものだと思います。男⼥問わず実況の技術が高い方が出てくることを期待しています」(男性50代)
一方で、特に時間の長い競技には、CMや映像についてのご指摘を多くいただきました。
「『女子5000m 決勝』競技中にCMを入れるのはおかしいと思います。レースに変動があったタイミングを逃していました」 (男性40代)
このほか、「CMの間に選手が転倒したり、棄権したりしてレース運びがわからなくなっていた」というようなご指摘もありました。とはいえ民間放送ですので、CMのタイミングはなかなか難しい問題です。
他にも、「国際大会なので、上位に入った外国人選手をもっと映してほしい」というご意見や、「ダイジェスト映像を見ているときに、ワイプの音声はなくしてほしい」といったご要望もありました。
“競技に集中したい” “アスリートへ敬意を感じたい”という熱のこもったモチベーションで見てくださっているがゆえのご指摘かと思います。
制作陣も、一大イベントに敬意を込めて、時間をかけて放送の準備をしてきました。皆様からの熱いご意見はすべて現場に伝え、今後のスポーツ中継番組の制作に活かしていきたいと思います。
〈執筆者略歴〉
浜崎 由佳(はまざき・ゆか)
1995年TBS 入社。
ラジオ局、報道局、事業局などを経て、編成考査局。現在カスタマーサクセス室長。
【調査情報デジタル】
1958年創刊のTBSの情報誌「調査情報」を引き継いだデジタル版のWebマガジン(TBSメディア総研発行)。テレビ、メディア等に関する多彩な論考と情報を掲載。原則、毎週土曜日午前中に2本程度の記事を公開・配信している。
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