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「刺すだけで痩せる」“やせ薬”うたい売買横行 糖尿病治療薬「マンジャロ」SNSで“違法転売”も…問われる処方のあり方「医師は高い倫理観を」【news23】

国内
2026-06-05 13:07

いま“楽にやせられる”として、糖尿病の治療薬「マンジャロ」を利用する人が増えています。今週、SNSで違法に販売したとして男女3人が書類送検されました。急拡大する“やせ薬ブーム”。その実態と危険性を追いました。


【写真を見る】知らずに使うと危険?マンジャロ副作用のリアル


“やせ薬”で拡大「マンジャロ」とは

20代
「マンジャロ知っています。(Q.どこで知りましたか?)使っている友達がいます」


10代
「刺すだけで痩せるみたいな」


10代
「広告やショート動画でめちゃ流れてきて」


若者を中心に“痩せる薬”として広がっている「マンジャロ」。2型糖尿病の治療薬として厚労省に認可された薬ですが…


美容クリニックの広告には“医療ダイエット薬”として紹介されています。


食欲を抑えたりする効果があり、一部のクリニックなどでは、ダイエット目的で処方されているのです。


マンジャロを使用(50代)
「2週間目ぐらいから4キロ、5キロとか落ちるようになって、痩せてきたと思って」


接客業をしている50代の女性。ダイエット目的で去年、マンジャロを使用したそうです。


マンジャロを使用(50代)
「最初の4日は早く痩せたくて何も食べなかった。水しか飲まなくて。そしたら力が全然入らなくて。食事を目の前にしても、食べたくないではなく、食べなくていいという感じで、すごい食事の量も減っていった」


マンジャロを安易に使うことで深刻な副作用のリスクが伴うこともあると指摘されています。


20代の女性は美容クリニックでマンジャロを注射してもらった4時間後、体に異変が起きたといいます。


マンジャロを使用(20代)
「打ってから、当日から3日ぐらいまでは、めちゃめちゃ寒気が止まらなくて、もうずっと布団で震えてるって感じで。昼も仕事中も、震えながらやってるという感じでした。常に微熱があるみたいな感じで、仕事に全然集中できないなって」


思った以上の副作用に耐えられず、結局この1回で打つのをやめました。


マンジャロを使用(20代)
「本当に痩せたいなっていう思いが強かったんでやったものの、副作用がどうしてもきつすぎて、もうこれは続けられないなって」


マンジャロは、吐き気、嘔吐、下痢といった副作用が出ることもあるのです。


糖尿病治療が専門の医師は…


日本糖尿病学会専門医 福田正博医師
「胃部の不快感。ひどくなってくるとおう吐したりとか、そういうのが一番大きい。胆石があったり膵炎を起こしたりとか。ちゃんとした指導下で使っていけばいいが、もともと痩せる必要がない体型の人が、より一層痩せるために使うというのは言語道断」


「マンジャロ」違法転売か 書類送検

このマンジャロを無許可で販売・譲渡したとして2日、大阪府などに住む20代から30代の男女3人が書類送検されました。
3人は、マンジャロを転売していたとみられています。


SNS上では違法な転売が絶えません。マンジャロを転売しているとみられるアカウントに接触すると…


アカウント
「糖尿病患者で服薬予定でしたが打ち忘れ等で在庫が多数な為、今回、お譲り先を探しております」 


販売価格は1本7500円。保険診療(3割負担)での処方価格の約5倍の値段で転売をしていました。


こちらが記者と明かし、転売は違法だという認識があるか聞くと、返信は途絶えました。


やせ薬としての安易な使用は、手軽さの裏で健康へのリスクもはらんでいます。


“やせ薬”うたい…売買横行

藤森祥平キャスター:
SNSで「マンジャロ」と検索すると、「マンジャロ効果すごくてびっくり。そりゃ痩せるわ」「5キロ痩せました。マンジャロダイエットすごいや」などと書き込まれています。また、個人間で違法転売されているケースが広がっているということで、簡単に手に入ってしまうんですね。


Podcastプロデューサー 野村高文さん:
前提として、SNSで美容業界が発信してきた「痩せることが素晴らしいこと、美しいこと」という発信が起点にあるかなと思っています。


必ずしも「痩せる」=「美」ではないですが、SNSにそのような情報がかなり投下されているので、痩せなきゃという強迫観念を持つ方が増えていて、それが乱用につながっていると思います。


小川彩佳キャスター:
一時期、どんな体型も前向きに捉えて愛そうという「ボディーポジティブ」という言葉が広まりました。このようなムーブメントがあり、ファッションショーでも様々な体型のモデルが登場したり。にも関わらず、ここのところはまた、痩せ型のモデルが主流になってきています。こうした、ゆり戻しも価値観の中で起きているのかなと感じます。


Podcastプロデューサー 野村高文さん:
そうですね。全世界的にそれが起きていて、そうすると、やっぱり健康を害してでも痩せなきゃいけないと思ってしまう方が増えているのかもしれないですね。


藤森キャスター:
マンジャロは個人の間だけではなく、一部の美容クリニックでも医療ダイエットなどと謳って販売されているそうです。


ただ、厚労省としては、2型糖尿病での治療薬としての使用を承認しています。「美容・痩身・ダイエット等の適応外使用は有効性及び安全性が確認されたものではない」という注意喚起をしています。


Podcastプロデューサー 野村高文さん:
この件について知人の医師に話を聞きました。その方は「医療の倫理が崩壊している」と言っていました。


薬価が比較的高く、お医者さんが電話1本、しかもかなり短いカウンセリングで処方ができてしまうというのが現在、運用上発生しており、ビジネスとしては割が良くなっているという現状があります。


ただ一方で、それは適応外の使い方なので、正しい診断が欠けたまま処方されているというのは深刻だなと思います。


小川キャスター:
こうした現状に、日本糖尿病学会専門医の福田正博医師はこう警鐘を鳴らしています。


「何でも処方するのは医師としてあるまじき行為。医師としての倫理観を持ち、リスク説明とフォローを徹底すべき」とした上で、「患者自身もリスクを正しく理解し、考えて行動してほしい」と呼びかけています。非常に身近なものになっているだけに知っていただきたいことです。


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