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「非常に和やかな雰囲気だった」一役買った石破総理の“おもてなし” 日韓首脳会談の舞台裏【Nスタ解説】

海外
2025-08-25 22:11

8月23日に行われた「日韓首脳会談」。友好ムードが演出された今回の会談に一役買ったのが石破総理独自の“おもてなし”だったようです。記者が解説します。


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「会場の外にまで笑い声が響くくらいの盛り上がり」 “石破カレー”でおもてなし

高柳光希キャスター:
8月23日、日韓首脳会談が行われました。

安全保障や地方創生・少子高齢化など、そして人的交流の拡大などについて話し合われました。


安全保障では、北朝鮮の完全な非核化に向け、アメリカを含め緊密に連携をしていくということです。

地方創生・少子高齢化などでは、協議する枠組みを立ち上げるとしています。

人的交流の拡大としては、ワーキングホリデー制度の拡充をするということです。


会談は、友好ムードだったということですが、「日韓関係を未来志向で、安定的に発展させていく」ということで一致したと言われています。

その裏で一役買っていたのが、石破総理の“おもてなし”でした。


石破夫妻主催の夕食会が行われ、“石破カレー”が振る舞われました。

さらには、石破総理の故郷・鳥取県のビール韓国式のウナギ料理、李在明大統領の故郷の郷土料理「安東チムタク」「安東焼酎」などが提供されたということです。

今回の会談は、日本としての手応えはどうだったのでしょうか?


TBS報道局 政治部 中島哲平 記者:
日本政府としては、かなり手応えを感じているようです。

少人数会合も、最初は20~30分程度で終わる予定でしたが、それが1時間ほどになり、かなり盛り上がったそうです。

その後の夕食会も、会場の外にまで笑い声が響くくらいかなり盛り上がっていたようです。

李大統領は、日本に厳しい対応を取ってくるのではとみられていましたが、6月のカナダ、そして今回は日本で会談する中で、日本と友好関係を築く、日本を重視する姿勢というのがすごく見えたということで、日本としては、かなり手応えを感じているようです。


韓国では「安定的な段階に跳躍」評価

高柳キャスター:
日本として手応えがある中で、韓国ではどのように受け止められているのでしょうか?


JNNソウル支局長 渡辺秀雄 記者:
とても大きなニュースとして取り上げられています。

韓国の紙面では、「韓日関係、安定的な段階に跳躍」と報じられています。

これまでは両国関係には「改善」という言葉が使われてきましたが、すでにそういう状況ではなく、安定期に入ってきているという評価になっています。

別の紙面では、「予測不可能なトランプ氏の前で…韓日が手を組んだ」という見出しがつけられていて、トランプ大統領の関税での圧力などが日韓関係を良い状態にしていったという解説になっています。


こうした好意的な内容が目立つ一方で、一部では「歴史問題などをめぐって有意義な進展がなかった」などとの指摘もされています。


街の人にも話を聞いてきましたが、首脳会談について多くの人が好意的に受けとめていて、50代の男性は「いつまでも歴史問題に縛られているわけにはいかない。日本と仲良く過ごせたら良い」、20代の女性は「最近鬼滅の刃を見てきた。日本とは交流を続け、良い関係に発展していけばいい」と話していました。

ある調査では、韓国で日本に対して「良い印象を持つ」と答えている人が、2024年から20%以上増えて、63%に上り、過去最高を更新しています。

こうした中で、政府間でも良い関係を作ろうという試みに対しては、一定の評価があったということだと思います。


「アドバイスをもらった」26日に米韓首脳会談へ 先に石破総理と会談したワケ

高柳キャスター:
韓国・李大統領のスケジュールについて見ていきます。

23日に日韓首脳会談と共同発表をした李大統領は、日本時間の24日にアメリカへ出発しました。

そして、日本時間の26日、米韓首脳会談が行われる予定だということです。

なぜ、李大統領は、先に石破総理との会談を選択したのでしょうか。


JNNソウル支局長 渡辺秀雄 記者:
韓国の大統領が最初の訪問先に日本を選ぶのも、植民地支配からの解放を記念する「光復節」がある8月に訪日するのも、初めてのことです。

日本に対する破格の対応だったわけですが、日韓関係を重視する姿勢をアピールする狙いがあったのだと思います。


実は韓国は、外交的には厳しい状況で北朝鮮はもちろん、中国やロシア、アメリカにも通商問題などでプレッシャーをかけられている状況です。その中で、数少ない関係の良い国・日本と良い関係を保ちたかったのだと思います。

過去には「日本を敵性国家」などと強く批判してきた李在明大統領は、今回は思い切った行動を取ることで、日本への思いを示したかったのだと思います。


そしてもう一つ大きかったのは、26日に控えたトランプ大統領との会談です。

李大統領は初めてトランプ大統領と会談するわけですが、石破総理は2度も会談をしています。

そのため、石破総理からトランプ大統領に関しての情報を得たかったという思惑があったのだと思います。


実際に李大統領はアメリカに向かう機内で、記者団の取材に、「石破総理からアドバイスをもらった」と明かしています。

さらに「韓国が交渉の際にどんな点に注意し、どのような利点があるのか、石破総理は具体的に話してくれた」としています。

日韓首脳会談が予定より延びましたが、このほとんどがアドバイスのためだったということで、韓国で“大きな成果”と捉えられています。


トランプ大統領の写真集を持参 石破総理はどんなアドバイスをした?

高柳光希キャスター:
李大統領はアドバイスを受けたいという意向だったとのことですが、石破総理はどんなアドバイスをしたのでしょうか。


TBS報道局 政治部 中島哲平 記者:
詳しい説明については、まだわかっていませんが、少人数会合の際に、トランプ大統領からプレゼントされたピースというサインが書かれた写真集を持参したようです。

会談時間もかなり延長されていたこともあり、おそらくトランプ大統領との向き合い方や、どのようなタイプの大統領なのかを、きちんと説明したのではないかと思われます。


井上貴博キャスター:
いま、日本と韓国は、経済的にも、文化の面でも民間交流が非常に活発になってきています。

その中で日韓首脳会談を見ていると、例えば歴史問題などは少し置いておいたとしても、協力できるところは協力していこうという姿勢がお互い一致したのかなというのは感じました。


経済アナリスト 馬渕磨理子さん:
韓国の人たちの日本に対する感情は、むしろ好印象なものになってきています。

また、文化交流なども深いので、非常に関係が良くなってきている中で、トランプ大統領とどう向き合っていくかを、米韓ではなくて、日米韓、この三つの取り組みでやっていくのが一つの解なんだろうと思います。


出水麻衣キャスター:
せっかく日本と韓国が良い関係なので、石破総理の今後の進退というのが気になるところですよね。


TBS報道局 政治部 中島哲平 記者:
石破総理としても、外交の力を見せて、何とかこのまま続投していきたいという考えもあるようです。


井上キャスター:
トップが変わってまたこじれるということの繰り返しにならない、本当の関係性を築きたい感じがしますよね。


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<プロフィール>

馬渕磨理子さん
経済アナリスト
日本金融経済研究所代表理事
“日本一バズる”アナリスト
様々なお金の話をわかりやすく解説

中島哲平
TBS報道局政治部 官邸キャップ
2017年から石破氏を担当

渡辺秀雄
JNNソウル支局長
2022年大統領選挙などを取材


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