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ガザ戦闘開始から2年 停戦合意も残る懸念 イスラエルが攻撃再開の可能性も 戦闘終結は本当に実現するのか?【サンデーモーニング・風をよむ】

海外
2025-10-12 13:45

ハマスによる奇襲とイスラエルの攻撃開始から2年。パレスチナ自治区ガザで停戦が合意されました。一方で、このパレスチナ問題には2年という区切りでは見えてこない、根深い背景があります。


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和平計画合意を発表 トランプ氏が会議中のメモを受け取り… 

8日、ホワイトハウスでの会議中、メモを渡されたトランプ大統領。
そのメモに書かれていたのは、「SNSの投稿内容を承認して下さい。そうすれば、あなたが合意内容を最初に発表できます」というものでした。


トランプ大統領
「国務長官から中東での合意が間近に迫っているというメモを受け取った。早急に私の助けが必要になるようだ」


この約2時間後、トランプ氏はイスラエルとハマスが「ガザでの戦闘停止」や「ハマスによる人質解放」、「イスラエル軍が合意された境界まで撤退すること」など和平計画の第1段階に合意したと発表。


国際社会からも、この合意を評価する声が...


マクロン大統領
「本日このテーブルを囲む私たち全員が、アメリカの和平計画を支援する用意がある」


10日正午(日本時間午後6時)には停戦が発効し、イスラエルの部隊が撤退を開始しました。合意を受け、ガザ、イスラエル双方の市民は...


ガザ市民
「戦争が再び起きない、本当の終わりであって欲しいと願っています」


イスラエル市民
戦争が終わるという希望の光が、ようやく見えてきた気がします」


今回ハマスは、生存する人質約20人のほか、人質の遺体を返還するとしていて、13日以降行われる見通しです。


ガザでの戦闘開始から2年。
ハマスがイスラエルを奇襲し、音楽イベントなどに参加していた市民ら約1200人を殺害、250人以上を人質として連れ去ったことをきっかけに、イスラエルによる攻撃が始まりました。


これまでに、パレスチナ人6万7173人(7日時点)が犠牲になり、現在も多くの市民が瓦礫の中、爆撃と飢餓に苦しんでいます。


この2年で、停戦は2度実現したものの、いずれもイスラエルが短期間で攻撃を再開。


今回も恒久的な停戦につなげられるかは不透明だと、パレスチナ問題を30年以上取材してきたジャーナリストの土井さんは言います。


ジャーナリスト 土井敏邦さん
「イスラエルとしてはこのまま停戦で終わることは良しとしない。このまま何もなくて、イスラエルが攻撃に踏み込んだら、トランプ氏の顔・メンツを潰すことになる。なんらかの口実を設けて、イスラエルは攻撃を再開できると考えている。トランプ案が成功するかしないかだけに、焦点をあてていくことは目くらましになってしまう」


パレスチナを巡る歴史 「占領が続く限り、抵抗は終わらない」

今回の合意が楽観視できない背景には、パレスチナを巡るこれまでの歴史がありました。


1993年、パレスチナとイスラエルは、ガザ地区と西岸地区からイスラエル軍が撤退し、パレスチナの自治を認めることに合意。将来的なパレスチナ国家樹立の道が開かれることとなったのです。


1994年には、PLO(パレスチナ解放機構)のアラファト議長、イスラエルのラビン首相らがノーベル平和賞を受賞。ところが、その後もイスラエルは壁によって、ガザ地区を封鎖。


さらにヨルダン川西岸でもパレスチナ住民の土地や家を奪い、イスラエル人が移住する「入植」を進めます。


国際社会から非難されながら、イスラエルは2025年8月にも、西岸地区を南北に分断する入植地の建設を発表しています。


イスラエルによる占領政策に抗議する世界各地のデモ。その象徴となっているのが、「パレスチナの鍵」です。自らの家に帰って、自由に暮らすことを願って掲げられたこの鍵。


1948年5月のイスラエル建国によって、約70万人のパレスチナ人が祖国を追われた、アラビア語で「大惨事」を意味する「ナクバ」。その悲劇を忘れないため毎年5月に抗議行動が行われます。


土井さんは、イスラエルの占領が続く限り、武装したパレスチナ人による抵抗は終わらないといいます。


ジャーナリスト 土井敏邦さん
「ハマスは根絶できるでしょう。ハマスが死んでも、もっと過激なイスラムグループが出てきてずっと続く。この問題の根源は(イスラエルの)占領。植民地支配と言ってもいい。まず占領を撤廃しない限り、解決しない限り、パレスチナ問題の解決はない。国際社会が本気でパレスチナ問題を解決しようというんだったら、2国家(共存)解決案というスローガンを掲げるだけじゃなくて、今の(イスラエルの)占領をどうやって止めるかの議論をすべき」


50年以上続くイスラエルによる占領。今回停戦合意に至ったものの、問題解決の見通しは立っていません。


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