
ダボス会議でカナダのカーニー首相が、「これからの世界に必要なのはミドルパワーの結集だ」と訴えました。この背景にあるのは、大国の横暴でした。
日本国内のパンダ 54年ぶりゼロに 冷え込んだままの日中関係
日本中の人々に愛された上野動物園の双子のパンダ、「シャオシャオ」と「レイレイ」。
成田空港に見送りに来た人
「持ち前のかわいさと陽気な二頭なので、中国でもファンを増やしてね」
27日、中国に返還され、日本国内のパンダは54年ぶりにゼロとなりました。
街の声
「中国も小さいこと言わずに、大きな優しい心でパンダを貸与してくれたら嬉しい」
2025年11月、台湾有事をめぐって、「存立危機事態になり得る」とした高市総理の発言以来、冷え込んだままの日中関係。
日本側は、新たなパンダの貸与を中国側に求めていますが、中国メディアは「貸し出しへの意欲はなく、対話が進展する可能性は低い」と伝えています。
そうした中、ヨーロッパ各国はこれまでの対中姿勢を転じつつあります。
大国の横暴に「ミドルパワー」結束は?
29日、北京を訪れたのはイギリスのスターマー首相。
中国 習近平国家主席(1月29日・北京)
「あなたが、『中国にはチャンスがあり、中国との交流が必然だ』と明言してくれたことを称賛します」
イギリス スターマー首相
「中国は国際舞台における重要なプレーヤーで、より洗練された関係を築くことが必須となっています」
2025年12月には、フランスのマクロン大統領も訪中。またドイツのメルツ首相は、2月、中国を訪れる予定です。
各国が中国に接近する背景には、いまや国際法を意に介さず、好き放題を繰り返すアメリカに対する危機感がありました。
フランス マクロン大統領(1月20日・ダボス)
「集団統治なき世界、妨害し離反する勢力によって、多国間主義が弱体化され、ルールが損なわれる世界になるでしょう」
1月、訪中したのが、カナダのカーニー首相。その後訪れた、ダボス会議で、アメリカを念頭に、世界のリーダーたちにこう呼びかけたのです。
カナダ・カーニー首相「従順であることによって安全を買おうとしている」
カナダ カーニー首相(1月20日・ダボス)
「大国の競争が激化する時代に生きていることを日々思い知らされている。“ルールに基づく秩序”は衰えつつあり、『強者はしたいことをし、弱者はそれを耐え忍ぶ』という論理に直面して、各国は波風を立てずにやっていくため、同調する傾向が強くなっている。迎合しトラブルを避け、従順であることによって安全を買おうとしている。それでは駄目なのです」
この1年、国際ルールを無視したトランプ氏のふるまいに、多くの国が、顔色を伺うかのような対応を繰り返してきました。それを、カーニー氏は辛辣に批判。改めて「ルール」の重要性を語ります。
カナダ カーニー首相
「数十年にわたって、カナダのような国は『ルールに基づく国際秩序』の下で繁栄してきた」
しかし、これまでの国際秩序は戻ってこないとして、大国ではない中堅国、いわゆる「ミドルパワー」が果たす役割と、連携を訴えたのです。
カーニー首相
「ミドルパワー(中堅国)は結束しなければならない。ハードパワーの台頭に目を奪われて正統性や誠実さ、そして“ルールに基づく力の強さ”を見失ってはならない。それ(ルールに基づく力)を共に行使すれば力は持続するのです」
カーニー氏の言う通り、「ミドルパワー」の結束で、「ルールに基づく力の強さ」は取り戻せるのでしょうか、専門家は...
慶応大学 添谷 芳秀名誉教授(国際政治)
「これ(カーニー首相演説)は、決意表明的なものであって、明確にできるという自信に裏付けされたものではない」
「ただ、ひとつ切迫感があるとすれば、戦後の『ルールに基づく自由で開かれた国際秩序』これはもう“ない”。だから、“新しいものを作る”ということ」
「ルールや価値に基づく各国間協力というものを、もう一度制度化していく。中長期的なビジョンを持つことが、ミドルパワー連携には大事ではないか」
大国の横暴を前に、新たな道を探るカーニー氏の提案。では、いま大国に向き合う日本が取るべき道は...
大国と向き合う外交政策も大きな争点に
これまでの国際秩序が揺らぐ中、日本は大国と、どう向き合っていけばいいのでしょうか...
アメリカ トランプ大統領(2025年10月・米海軍横須賀基地)
「この女性は勝者だ!」
2025年のトランプ氏の来日時、高市総理は防衛費を増額する方針を伝えるなど、日米同盟の重要性、緊密さを改めて訴えました。
高市総理
「トランプ大統領と共に、日米同盟をさらなる高みに引き上げて参ります」
ところが1月、アメリカの「戦争省」は、第2次トランプ政権で初めてとなる「国家防衛戦略」を公表。
同盟国に対し、「自国の防衛をアメリカに依存すべきではない」とし、また中国を刺激しないよう配慮したのか「台湾」への言及はありませんでした。
慶応大学 添谷名誉教授(国際政治)
「従来通り『対米一辺倒』でいいのかというと、それは現実的ではなくなっていく。やはりミドルパワー連携(が必要)、例えば、東南アジアとは比較的良い関係を、70年代以降築いてきた。アジアの国々が協力して安全保障の枠組みを少しずつ作り出し、地域秩序を考えて協力をすれば、ミドルパワーが力を発揮できる」
今回の衆院選、大国と向き合う外交政策も大きな争点です。
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