イランが事実上封鎖したホルムズ海峡の周辺では、現在も多数の船舶が身動きできない状態です。乗組員の多くはフィリピン人で、食料の枯渇や攻撃のリスクにさらされる中、船上から「極度の緊張と恐怖」を訴える人もいます。
フィリピン人乗組員
「ホルムズ海峡近くで別のタンカーが爆撃を受けたと報告されました」
船内からSNSに投稿した動画でこう話すのは、現在、ペルシャ湾に停泊中のタンカーに乗っているというフィリピン人の乗組員です。
アメリカ・イスラエルと戦闘を続けるイランがホルムズ海峡を事実上封鎖して以降、ペルシャ湾のカタール沖に留まっているといいます。
フィリピン人乗組員
「我々はインドへ向かおうとしていますが、極度の緊張と恐怖を感じています。船外での作業は危険なため、許可されなくなりました。しかし、運航会社はホルムズ海峡を通過するよう我々に強く求めています」
停泊を続けることすでに2週間以上。船内に備蓄された食料は底をつきかけているため、いまは魚を釣って何とかしのいでいるそうです。
ホルムズ海峡の周辺では、イランによる船舶への攻撃が相次いでいて、IMO=国際海事機関によりますと、船舶およそ2000隻と乗組員およそ2万人がホルムズ海峡周辺で足止めされています。
フィリピン人の船員5万人が所属する船員組合の代表者はJNNの取材に対し、合わせて6000人を超えるフィリピン人の乗組員が取り残されていて、1人が攻撃を受けて行方不明になっていると明らかにしました。
フィリピン船員組合 ジュディ・ドミンゴ代表
「今まさに深刻な危機に直面しています。時間の経過とともに様々な事態が起きるおそれがあり、乗組員は『家族のもとに無事に帰れるのか』と大きな不安を抱えています」
現地にいる乗組員たちから連日届く避難を求めるSOS。ただ、乗組員たちはあるジレンマも抱えているといいます。
フィリピン船員組合 ジュディ・ドミンゴ代表
「ある乗組員は『たとえ給料が倍になっても、命の危険があるならもう続けられない』と訴えました。一方で乗船を拒否すれば、職を失うかもしれないという不安も乗組員たちにとって大きな重圧となっています」
いまも船上にいる乗組員たちは、安全な退避と一刻も早い停戦を求めています。
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