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トランプ大統領演説「実際とかけ離れている」“核の脅威なくなった”と言及も…イランは高濃縮ウランを保有 米・イスラエル共に選挙控え“勝利アピール”?

海外
2026-04-02 15:00

「新しい情報はない」「実態と乖離」トランプ大統領の演説 

ーートランプ大統領の演説をどう聞きましたか。


【画像で解説】イラン攻撃1か月…原油や石油、日本への影響は?


JNN中東支局長 増尾聡 記者:
特に目新しい情報はなく、むしろこれまでトランプ大統領が言っていたことの総集編のような、同じことを言っているという印象を受けました。


それだけではなくて、少し好都合に解釈しているというか、今中東で起こっていることと、少しかけ離れたところもあるのではないかと思いました。


具体的には、トランプ大統領が演説の中で、「イランの革命防衛隊の指揮系統を壊滅させた」「脅威ではない」というような発言をしていました。


イランの革命防衛隊は、最高指導者直轄の中東各地に攻撃を行っている軍事主体になります。それが壊滅状態で、脅威ではないと繰り返していました。


ただ、この戦争が始まって以降、革命防衛隊が壊滅状態で、指揮系統が乱れているという兆候は全くありません。むしろ戦略的にイスラエルや湾岸諸国の中の、例えばアメリカ軍の基地、そして民間施設も含めて攻撃を行っています。


イスラエルではきょう(日本時間4月2日)、この戦争が始まって以降、最大規模といわれるような攻撃も行われています。そのため、(トランプ大統領の)壊滅させたという発言は、現実で起きていることとは少し乖離があるのだろうという印象を受けました。


核の脅威「なくなった」と言及も…イランは高濃縮ウランの保有継続

JNN中東支局長 増尾聡 記者:
また、核についても言及していました。


「核兵器を持たせない、(核の)脅威もなくなった」というようなことも言っていましたが、イランでは高濃縮ウランが約450キロあるとされています。これは濃縮をさらに高めると、核ミサイルを10発程度作ることができるとされているものです。それがまだイラン国内にはあるわけです。


今回、アメリカもイスラエルも、高濃縮ウランを奪い、危機をなくすのだということを目標を掲げてやっていましたが、まだそうした状況にも至っていません。


一方でトランプ大統領は「脅威はなくなった」と強弁していますので、やはりトランプ大統領の演説と、実態がかけ離れているということを改めて感じる演説だったと感じています。


ーー原油価格・ガソリン価格が上がっているのは、自分たちが戦争を始めたからではなく、イランがホルムズ海峡を事実上封鎖しているからで、イランが悪いのだとしています。そうかもしれませんが、きっかけを作ったのはアメリカだと思わざるを得ません。


ネタニヤフ首相は“勝利宣言”? 背景に今年実施の総選挙か

ーーその上で、イスラエルがユダヤ教の祭典の時期を迎えるにあたり、ネタニヤフ首相がメッセージを出したかと思います。そのメッセージについては、どう見ていますか。


JNN中東支局長 増尾聡 記者:
ネタニヤフ首相は3月31日、ユダヤ教の祭典前日にメッセージを出しました。どのようなメッセージなのか興味深く見ていたのですが、私の想像に反して、ある種の“勝利宣言”のようにも聞こえるメッセージでした。


ネタニヤフ首相は、内心ではこの戦争をできるだけ続けていきたい、できるだけイランにダメージを与えたいと考えていると見られています。


これまでの演説では、「まだやらなくてはいけない」「(イランの)体制を転換しなくてはいけない」「そのため叩く必要がある」。そして、「国民が立ち上がらなくてはいけない」というような強硬なメッセージを出していました。


しかし、3月31日に出したメッセージの中では、「我々はもうイランを脅威とは見なしていない」「核開発能力もミサイル生産能力も潰すことができた」というメッセージに切り替えた印象です。


これは、少し前からトランプ大統領が“早期に停戦して、幕引きを図るのではないか”という観測が高まってきた辺りから、ネタニヤフ首相も少しずつこれまで述べてきた発言を修正して、「自分たちはすでに勝っている」といったことを述べ始めてきています。


トランプ大統領の動きに合わせる形で、ネタニヤフ首相も勝利宣言をすることで、衝突が早期に終わって、結局、最初に掲げていた目標が達成できなかったとしても、「自分たちは勝っていたのだ」とアピールをしたいという狙いもあると思いますね。


ネタニヤフ首相は今年総選挙を控えていますので、国民に対するアピールを強めてきたという印象を受けました。


イランとの戦闘が終わっても… 中東各地に衝突の懸念残る

ーーどうしてもイラン、イスラエル、そしてアメリカに目が行きがちですが、実は2番目に多くの死者が出ているのは、実はレバノンです。イスラエルは、レバノンについてまだまだ“やる気”と見ていいでしょうか。


JNN中東支局長 増尾聡 記者:
あくまで報道ベースですが、イスラエルがイランとの戦闘を終えたとしても、レバノンとの戦闘は終えられないという情報が多く上がってきています。


これは、アメリカとイランの協議が行われるかもしれないという中で、イスラエルはアメリカ側に対して、「レバノンを拠点とするヒズボラとの争いは、停戦の状況には含めないでほしい」としていて、つまりこれからもレバノンと戦うという意思を表示したとされています。


レバノンはイランと違って、イスラエルと陸続きです。レバノン国境のイスラエル北部の住民も「もうこの脅威を感じたくない」ということで、レバノンのヒズボラを徹底的に叩き潰すことができれば、ネタニヤフ首相の支持率向上にも繋がります。


そうしたこともあり、レバノンのヒズボラとの戦いは、イランの衝突とは別の問題と捉えていると思います。


ーートランプ大統領の達成しつつある目的の中の一つに、「イランが自分たちの代理勢力を使って、アメリカや国外に影響力を及ぼすことがないようにさせる」ということがあります。これもトランプ大統領の演説を真に受ければ、「ほぼ完成に近づいてる」と言っています。


しかし、ヒズボラは攻撃されましたが、まだ戦闘能力もありそうですし、イエメンも少しきな臭いという状況です。この部分についても、トランプ大統領の見立てと、現実で起きていることは違うのでしょうか。


JNN中東支局長 増尾聡 記者:
いわゆる親イラン武装組織、イランが支援して代理として動くという組織は、レバノンのヒズボラやイエメンのフーシ派以外にも中東各地にいます。


ハマスの戦闘能力は今、極めて低くなっているとされていますが、ヒズボラも2025年にイスラエルとやり合って叩かれた上でも、今回戦闘をまともに継続できているという状況です。そして、それはフーシ派も同様です。


新しいイランの最高指導者モジタバ師が、ヒズボラの事務総長へ宛てた声明を出しました。その声明の中で「我々は今後もあなたたちを支援します」ということを明確に言い切ったということも興味深いです。


アメリカは「地域勢力への支援を停止すること」を条件として突きつけていますが、事実上、イラン側はこれからも支援を続けていくということで、否定した形です。


今後もイランの支援勢力が、イスラエルに対して攻撃を続けていくことは、ほとんど間違いないだろうと思います。


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