
中国の高齢者をターゲットにした「銀髪経済」は、市場規模200兆円を突破。企業にチャンスをもたらしていますが…課題も山積みのようです。
急速に進む高齢化 中国復活の起爆剤「銀髪経済」
高齢男性の服にご注目。
はじめはパジャマに上着姿ですが、いかにもお金持ちのような、 上下白のスーツ姿に変身しました。
動画へのコメント
「“富裕層の老人”のスタイルだね」
中国のSNSに投稿されている、高齢者がリタイア後の人生を楽しむ動画。
アカウントの紹介文によると、華やかな衣装を着て踊る女性は85歳で、約1200万人ものフォロワーを持つインフルエンサーです。
いま中国では、高齢者をターゲットにしたシルバー経済、その名も「銀髪経済」が、経済復活の起爆剤として期待されています。
18日、中国国家統計局は4月の消費動向を示す小売りの売上高を発表。
その額は日本円でおよそ87兆円となり、3月より上昇幅が1.5ポイント縮小したということです。
さらに、北京市や重慶市など主要70都市の7割にあたる49都市で、4月の新築住宅価格指数が前の月より下落したといいます。
国家統計局
「国内では供給過剰と需要低迷が依然として顕著だ」
それでも絶好調なのが「銀髪経済」。その規模は、去年日本円で207兆円に達し、2035年までに690兆円を突破するといわれているのです。
記者
「高齢者用のロボットが展示されているのですが、皆さん興味津々です」
北京では18日、高齢者向け商品などを扱う企業の展示会がスタート。約300社が出展した会場は、熱気に包まれました。
「銀髪経済」観光業界でも注目
記者
「こちらのロボットは、健康状態を測定してくれるということで、実際やってみたいと思います」
ロボットに人差し指を置き、約30秒待つと…
記者
「“少し疲労が溜まっている”と結果が出ていますね」
食事を保温したまま運べる配膳車を出品していたのは、中国ではなく日本の企業。
コロナ禍で一度、中国市場から引いたものの、去年から再び参入し、老人ホームなどに商品を販売していると言います。
エレクター 村田昇ディレクター
「人口が多いだけではなく、急速に高齢化が進んでいて、中国の市場は魅力的。距離も近い。どんどん拡げていきたい」
高齢者がターゲットの「銀髪経済」は、観光業界でも注目されています。
こちらは、定年を迎えた人たちの観光専用列車。旅行の参加者は、太極拳やカラオケ、麻雀などを楽しみながら、中国各地をゆっくりと旅します。
いまのシルバー世代は、高度経済成長の“恩恵”を受けてリッチなのだそうで、参加者からはこんな羨ましい発言も飛び出しました。
中国のシルバー世代
「私たちはリタイアして時間があるし、自由に使えるお金もある。行けるところは全部行ってみたいですね」
ただ、「銀髪経済」はもちろん良いことばかりではありません。
中国の60歳以上の人口は、2035年ごろには4億人を突破すると予想され、地方政府は対応に動いています。
「長期介護保険制度」地域格差が生まれる懸念も
上海市にある、高齢者向けサービスセンターです。中国では“高齢者は自宅に住み続け、介護は子どもが担う”との考えが根強い一方で、一人っ子政策の影響で子どもが減り、介護の負担が増えつつあります。
そこで上海市は日中に高齢者が滞在できる施設を今年だけで200か所増やし、介護の負担を緩和したい考えです。
施設の担当者
「『高齢者のための15分サービス圏』を作り、高齢者が自宅のすぐ近くで、便利で、専門的で、質の高い介護サービスを受けられるようにします」
さらに中国政府は2028年末までに、要介護者の生活を支援する「長期介護保険制度」を全国で導入すると発表。
ただ、運用は地方政府に委ねられるため、地域格差が生まれる懸念が出ています。
内モンゴル自治区からの観光客(70代)
「(介護保険制度は)私たちの地域では20年経ってもできないでしょう」
中国にとって高齢化はビジネスチャンスを生み出す一方で、大きな課題にもなりそうです。
高齢化問題をきっかけに日中関係改善も?
藤森祥平キャスター:
中国では、日本のような新しい介護保険制度を導入しようとしているのですね。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
日本は、高齢化先進国なので、介護のシステムや医療制度などを中国にアドバイスできます。
今、日中関係は悪いですが、日本が高齢化問題をきっかけに関係を改善するっていうことはあり得ると思います。
小川彩佳キャスター:
日中関係改善のきっかけになりそうなことは今後ありますか?
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
今回の米中首脳会談では、日本を飛び越えて台湾問題などが議論されていました。
日本もこのままではいけないと、日中友好議員連盟の幹部が日本にいる呉江浩大使と面会をして、今後どうするかという議論をし始めています。
日中友好議員連盟の森山会長が、いつ中国を訪問して、関係打開の話し合いができるかが焦点になっています。
11月に中国の深圳でAPECがあります。そこで、日中首脳会談ができるかどうか、環境作りを森山会長たちができるかどうかが焦点となります。
ただ、前提としては、高市総理自身の台湾有事を巡る発言で、総理自身が事態の打開への努力が大事です。日本政府はこういう真意で話したのだと、きちんと説明をする必要があります。
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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年
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