
12日に開幕するサッカー・ワールドカップ。週明けには、日本代表がオランダとの初戦を迎えます。今、開催地の一つアメリカではチケットを始め、鉄道など様々な費用が“とにかく高い”と、悲鳴が上がっています。
【写真で見る】ホテル1部屋約10万円、鉄道も往復で1万6000円
開幕迫るW杯 決勝戦チケットは約560万円
決戦の地、アメリカに降り立ったサッカー日本代表。空港では、現地の人から温かい歓迎をうけました。
開幕まで3日に迫ったワールドカップ。各国代表も最終調整に入っています。
開催地の1つ、アメリカでは応援グッズが街に並びます。
グッズ売り場の男性
「この帽子は20ドルです。この本は10ドル」
サッカー人気の高い南米系の住民が集まる店では…
並木航記者レポ
「コロンビア料理の店は、W杯一色です。日本の旗もあります」
エクアドル系の住民
「エクアドル!私たちはできる!」
開幕へ期待が高まる中、多くの人が口にするのがチケット価格の高騰です。
グッズ売り場の男性
「チケットはとても高いです。とても!」
ブラジル人の男性
「(ブラジル戦のチケットを)チェックしたら1300ドル(約21万円)だった」
最新の価格は、どうなっているのでしょうか。
藤森祥平キャスター
「FIFA公式のチケット購入サイトを見てみます。決勝戦のチケットは1人3万5000ドル。日本円で約560万円です」
今回の大会では、需要に応じて価格が変わる「ダイナミックプライシング」を採用。「高すぎる」との批判が相次ぎ、ニューヨーク州の司法当局などが調査に乗り出しています。
もともと物価が高いニューヨーク。
格差是正を訴えるマムダニ市長が動きました。
ニューヨーク マムダニ市長
「ニューヨークで50ドルあったら何が買えるか。屋台のコーヒーなら25杯。ニュース記事なら10か月分。そして....ラッキーな1000人はワールドカップのチケットが手に入ります」
観戦チケットを市民向けにあわせて1000枚確保したと発表。
1枚50ドル(約8000円)で購入できる抽選が行われ、申込みが殺到しました。
ホテル・鉄道も「すべて高い」 稼働率が20%のホテルも
価格高騰は、こちらでも...
記者
「試合会場に最も近いホテルですが、試合当日にまだ空室があるそうです」
先週、ホテルを訪れると、改装工事の真っ只中。各国からの観戦客の受け入れに備えていました。
ただ、販売は苦戦しています。
World of Blue ローゼンブラット オーナー
「1泊1500ドル(約24万円)ほどにしたホテルもあったので、うちもそうしたのですが、結果、予約が入りませんでした」
強気の価格設定をした当初、予約はほぼゼロ。
価格を下げるなどして改善したものの、まだ部屋は埋まっていません。
World of Blue ローゼンブラット オーナー
「埋まっている客室は60〜65%ほどです。ただ、稼働率が20%というホテルもあると聞きます」
全米の大会開催地の8割の宿泊事業者が、5月の時点で「予約数が予想を下回っている」と回答。高すぎるチケットの問題も影響しているようです。
記者
「もう一つ課題となっているのが会場までの移動手段です」
ニューヨーク市から川を隔てた試合会場までは10キロほど。鉄道、バス、配車サービスの利用が求められています。
主力となる鉄道は、普段の往復運賃が13ドル弱(約2000円)のところ、当初設定された特別料金は、150ドル(約2万4000円)。その差は約11倍です。
ファンなどの反発にあい、3割ほど値下げされましたが、それでも普段の8倍ほどと高いままです。
ニューヨーク市民
「車で来るなと言っておいて、なぜ運賃をこんなに高くするの」
直行バスも当初は80ドル(約1万3000円)に設定されましたが、反発を受け、自治体などが負担した結果、20ドル(約3200円)に下がりました。
スクールバスを導入して車両を確保しますが、8万人の観客のうち1万8000人しか運べません。
そこで、こんなアイデアも…
フェリーの乗客
「サッカー観戦に行くならフェリーがおすすめだよ。対岸まであっという間だし、一番賢い行き方さ」
フェリーは、ニューヨークと対岸を結ぶ市民の足となっていますが、大会の公式ルートとしては整備されていません。
警備やインフラの整備によって様々な価格が高騰する今回の大会。
市民からはこんな声も。
市民
「普段から高い運賃を払っているのにこれ以上税金が(W杯のために)使われるなんて誰も納得しない」
多くの課題を抱えながら、大会はまもなく幕を開けます。
ホテル1部屋約10万円、鉄道も往復で1万6000円
藤森祥平キャスター:
2022年のカタール大会のときも、チケットは大会史上最高額と言われていました。
今回の決勝戦のチケットは日本円で約560万円ですが、カタール大会の決勝は高くても約25〜30万ぐらいでした。同じメインスタンドでもさらに値段が上がっています。
他にもサッカーW杯の価格を調べました。
▼ホテル1部屋(1泊)約10万4000円
▼バス(会場往復)約3200円
▼鉄道(会場往復)約1万6000円
小川キャスター:
富裕層のための大会のようになってしまっていますよね。
藤森キャスター:
その他もバスや鉄道など、普段から使っている人は完全にとばっちりを受ける形です。
2022、2023年あたりのアメリカは歴史的な物価高で食料や家賃、ホテルなどの値段がいろいろと上がりましたが、それがずっと続いている。この大会がまた一段と物価を上げてしまっています。
ニューヨークのマムダニ市長は「とにかく手頃な価格でいろんなサービスを手に入れよう」と訴えて当選していますが、皮肉にも象徴的な大会がますます手の届かないところにいってしまっています。
小川キャスター:
日本でも日韓ワールドカップが2002年にありましたが、当時の社会現象のような感覚を私も肌で覚えています。そこから子供たちの夢も広がっていく。こうして手が届かなくなるというのは、ワールドカップが本来目指すものなのかと疑問に思います。
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