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トランプ氏“戦闘終結”に向け署名、ホルムズ海峡どうなる? 物価高騰の動きが収まるのは年末?【Nスタ解説】

海外
2026-06-18 19:54

アメリカのトランプ大統領がイランとの戦闘終結に向けた「覚書」に署名しました。日本のエネルギー資源に欠かせないホルムズ海峡の開放により、私たちの暮らしはどうなるのでしょうか?


【写真で見る】アメリカ・イランの「覚書」の内容は?


トランプ大統領 戦闘終結に向け「覚書」に署名 その内容は?

井上貴博キャスター:
アメリカとイランが戦闘終結に向けて署名した「覚書」の一部は以下のようになっています。

【戦争終結に向けた14項目の覚書】※米政府発表
▼レバノンを含む全ての戦闘を即時かつ恒久的に終結
▼ホルムズ海峡の開放
 ・アメリカ 30日以内に海上封鎖を終了
 ・イラン 60日間無償で航行できるよう努力
▼イラン復興と経済開発のため3000億ドル(約48兆円)の資金計画策定
▼核兵器の調達・開発を放棄し高濃縮ウランを処分
▼イランの原油輸出や銀行取引・保険などの制限を解除
▼凍結・制限されたイランの資金や資産を利用可能にする など

中東支局長の増尾聡記者は、「復興資金(約48兆円)を確保するなど、全体としてイラン側が得るものが大きい。ただ60日以内の最終合意が前提なので難航が予想される。核問題の行方が焦点」だとしています。

何のための戦闘だったのか。今回の覚書についてはどう見ていますか。


TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
戦争前、ホルムズ海峡は自由に航行できたわけですが、今後はイランが“管理下に置く”ということがいつでもできますので、イランからするとなおカードとして使えるということでしょう。

核問題についても、イランは元々NPT(=核不拡散条約)に加入していて、「核兵器は作らない」と言っているので、今後の交渉もそうしてくるはずです。オバマ政権時の交渉は数年かかっていますので、60日間の交渉で合意ができるとは思えません。


「値上げが収まるのは年末近く」ホルムズ海峡開放で物価どうなる

井上キャスター:
ホルムズ海峡の開放によって、日本の物価はどうなっていくのでしょうか。


経済のスペシャリスト野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏は、「7月から10月あたりにかけて、さらに多くの商品が値上がりする可能性。値上げの動きが収まるのは、年末近くになってからではないか」と分析しています。

また、石油の専門家である桃山学院大学の小嶌正稔教授は「価格が落ち着くのはどんなに早くても11月か12月。恐らくは1年ぐらいかかるのではないか」としています。

ホルムズ海峡の事実上の封鎖により、様々なものが値上がりしたり、欠品したりしました。この先はどうなるのでしょうか?


食品の値上げ「年内は続く」 影響を細かく見ると

井上キャスター:
野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内氏は、▼レギュラーガソリン、▼食品、▼ごみ袋、▼住宅の工期の遅れについて、影響を以下のように見ているということです。


【レギュラーガソリン】
3月16日 190円80銭(過去最高値)
6月15日 169円70銭(補助金あり)
→早ければ来週にも、補助金なしで170円を下回るか

【食品の値上げ】
梱包・資材の価格高騰
→包装や肥料・飼料は上昇の可能性 年内は値上げ続くか

【ごみ袋】
供給不安で買いだめ相次ぎ 欠品・値上げ
→企業が増産して、品不足は1~2か月で解消するのでは

【住宅工期に遅れ】
塗料・断熱材など 欠品・値上げ
→企業が増産して、品不足は1~2か月で解消するのでは


すぐに物価が下がらないワケ 原油を輸入に頼る日本の課題とは

井上キャスター:
なぜすぐに物価が下がらないのか。桃山学院大学の小嶌教授は、その理由を2つあげています。


(1)原油を高値で購入済み
アメリカなどから、中東の原油より約1.5~2倍の価格で購入済み

(2)石油施設が被害に
UAEやサウジアラビアなど石油施設が攻撃を受ける
→復旧するまで約1年かかるのでは

ホルムズ海峡周辺の主な石油施設が攻撃を受けていますので、戦闘が終わったからといってすぐに再開とはならず、まずは復旧を目指すということになります。

また、ホルムズ海峡を通ってくる場合、日本まで往復40日ほどですが、アメリカからの場合は90日ほどかかるということで、価格高騰は避けられません。


TBSスペシャルコメンテーター 星さん:
アメリカ産の原油について、アメリカとしては「歓迎」でしょうけれども、価格が高く、質も違うため中東産の原油ほど使い勝手が良くないということです。

やはり日本は中東産の原油に依存していますので、停戦交渉が進む中において、外務大臣などを派遣して、「イランの復興に協力します」といった外交努力を発揮するタイミングなのではないでしょうか。


高柳光希キャスター:
今後長い目で見て、新しく拡大したアメリカからの販路に頼っていくのか、それともまた9割ほどを中東の原油に頼るのか、バランスはどうなっていくのでしょうか。


TBSスペシャルコメンテーター 星さん:
長期的には多様化した方がいいのですが、精製するには中東産の方が使い勝手が良いということで、目先のことに重きを置いてしまうかもしれません。

そこは、政府主導で多角化について取り組む時期だと思います。

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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身 政治記者歴30年


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